エンターテインメントの最近のブログ記事

当たり前の話
先日、以下の記事を読んで、何をアホな話をしているのかと、ある意味驚いた。

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1007/26/news010.html

先祖帰りとか、何言ってんの?

「それならば、作品に関連したおもちゃを買ってもらう代わりに映像はタダですよ、で僕はいいと思っています。」って、それ当たり前の話ではないか。

アートアニメじゃあるまいし、マーチャンダイジングとセットでビジネスを考えるのは、商業アニメとして何も珍しい話じゃない。

今までそれが当然と思っていなかったなら、根本的に、権利をクリエイトするという発想が抜けてる、典型例だろ。


で、ネット社会の弊害?
ジブリのやり方に付いていく?
10人程度の会社で?

言ってることが滅茶苦茶。

ネットの力に屈して作画クオリティを上げて失敗したとか、この人が言うとギャグみたいだが、クオリティを諦めてブランド力を上げるとか、何の夢物語だろう?


ヲタク市場
確かに、ヲタク市場のパイの奪い合いには限界がある。

そもそも、DVD のセル市場は、少数のヘビーユーザー(年間購入金額3万円以上)によって買い支えられてきた。5年前の日本映像ソフト協会の調査では、国民(16~69歳対象)の6%のヘビーユーザーの購入金額が、セル市場全体の77.7%を占めていたが、昨年の調査では、ヘビーユーザーが5.1%に減り、金額はセル市場の57.5%に減少した。5年前のセル市場は、3,124億円で、昨年は2,674億円だ。

敢えて言うなら、DVD、ブルーレイのヲタク市場そのものが縮小してるのだ。

だから、ヲタク市場の外へ、ブランド力を上げて打って出ようという考え自体は正しい。内輪受けビジネスには限界があって当然で、そんなことは何年も前から、言われていたことだけどね。

だけど、その手法がまた、「浮動票みたいなところで争うのではなくて、組織票でがっちり固めてしまうという。」のはどうか?

また囲い込みかいな(苦笑)
逆に、浮動票の広大な市場を相手にすべきなんじゃないの?


■「Cat Shit One」
そんなことを思っていたら、市場拡大を具体的に目指している、とある作品に出会った。インターネットをネガティブに捉えず、本編全て(22分)をYouTubeで無料配信(公開期間:2010年7月17日~9月20日)している、「Cat Shit One」だ。
http://www.catshitone.jp/

そして、そのプロデューサーが、大変良いことを話している動画を見つけた。

こういう手法を選択したプロデューサーが、どんな考え方なのか興味があったのだけれど、 元ビルドアップの岡部氏で、いつの間にか円谷プロを辞職して、新会社を作っていたようだ。時期的に考えれば、円谷がパチンコメーカーのフィールズの子会社になる直前だから、それを嫌っての辞職なのかもしれない。まあ、想像の域をでないが。

以下、面白い発言を抜粋してみる。
-->
オンラインで映像を輸出することがテーマにある。
日本の市場が冷え込んでる。お子様が減ってますから。
だから、やっぱりコンテンツは、海外に対して売っていかなきゃいけない。色んなところで唱えてるけど、ほとんどシカトされてるんですけど。

そういうところでインターネットのインフラを使えば、まずは単純に売れる。
じゃあそのお金どうするのというところがあるはある。
僕から言わせれば、海外と、じゃあパートナーシップどっかと契約して、どっかの放送局とやってどうこうやる形よりは、自分たちで海外に向けて発信して売っていく方が、最終的には利益がデカイだろうと。

あとは、ジャパンなんとかクールとかおっしゃってるけど、あれはでも、なんでしょうねぇ。例えば、アメリカのアニメエキスポとかコンベンションで、そういう人が取材にきて、ほらアメリカではこんなに凄い、日本のコンテンツがウケてるんですよと、そこだけ切り取って全米とか見ちゃうのヤバいでしょうと、僕5年住んでたから分かるんですよ。そんなにはウケてないんで。

自分たちで売っていくってところで、インターネットをフル活用して動いていけば、僕はもう活路が出ると。

なんでハリウッド映画が、凄く巨額のお金をかけるかとすれば、それはマーケットが広いからであって、だからマーケットを広げるってところを、僕らも模索していかない限りは、いくらクリエイティブで凝ったモン作るとか、もっと愛情がどうこうとか、そんなもの、全然お金って裏付けがなければ表現できませんから。

それをじゃあ、僕は実はずっと、そういう座布団を用意してくれるプロデューサーが現れると思っていたんです。作っていたから。
だけど、そんな人一生現れない。僕は40過ぎた時に分かったんです。ああ、もうない。そんな人現れないから、じゃもう自分でやろうと。
<--以上、抜粋終わり


なんつーか、成功して欲しいですな。

通常、短編作品を単館上映しても、赤字。でも、劇場公開で認知度上げて、DVDとか売る。今回は、赤字の劇場公開の部分が、YouTubeに置き換わった。

今のところ、国内のアドレスからのアクセスしか、YouTubeは見られない設定だそうな。

今後、DVDとブルーレイに加え、Amazonでフィギュア売って、そういうマーチャンダイジングを全部、製作元で仕切るそうな。(日本て、製作委員会で権利を細分化するから、ダメなんだよね。)

あと、3D版も作ってるとか。


ということで、公開されてる本編。


感想としては、よくできてると思うけど、原作がベトナムなのに、現代風に中東を舞台にしてしまったのは、どうなんだろう?という気がする。

アメリカを中心とする中東での戦争の不正義が叫ばれてる昨今、砂漠で駱駝を殺しまくるって、世界的にはKYかも(^^;

可愛いウサギがリアルなことをするギャップが、効果的な演出なのは分かる。しかし、普通に見たら、中東に悪意のある作品てことになるだろう。これが、サウスパークみたいな意図が明確な作品ならまだしも、これは多分そうじゃないだろうな。 単に、配慮が足りない感じがする。

(もし、サムライの格好したサルが悪役で、殺されまくるアニメがあったら、日本人としては素直に見られないだろうと思うと、中東の人々に謝りたいくらい下品だ。)

平和な国のミリタリーマニアは、これでOKな感想なのだろうか?

作品としては成功して欲しいけど、中東向けには絶対に配信しないで欲しい。
うちのブログは、中東関係のエントリーも多いので分かると思うが、冗談じゃなくてね。


蛇足
ところで、エンディングに「Contents Cloud Creation Society for Producing "Cool Japan"」というのが出てきて、デジハリやボーンデジタル、HPなんかの企業名が出てくる。(IBMの名前がないのにIBMの園田氏の名前だけ出てくるのは謎。まさか、またHPに出戻りました?)

恐らく、ソフトとハード各社をデジハリで協力させ、クラウドのレンダーファームを試験運用でもしたのだろう。

かつて、ある劇場作品のレンダリングでIBMの世話になったが、あれで苦労した成果が、こういう作品に少しでも生かされてるなら、ちょっと嬉しい。

しかし、ジャパンなんとかクールを疑ってるプロデューサーが、Cool Japanと冠するレンダーファームの世話になっているとしたら、ちょっと皮肉だ。

まあ、Cool Japanは、僕もヤバイと思ってるので、話は合いそうだけど。
クール・ジャパンのマヌケ


最近、いくつかの場所で、映像制作やコンテンツ産業の在り方みたいな議論を目にしたので、自分も思うところを述べておきたいと思う。まとまりもなく、とりとめもない話をつらつらと...


■パチ仕事と映画、アニメ仕事
日本のアニメ、CG業界の特徴の1つに、パチンコ・パチスロ産業への依存というのがある。これは、旧作品の権利を持つ会社が、パチメーカーにその利用許諾を与えるという意味での受け身な話ではなく、パチンコ・パチスロ化する際に発生する映像制作案件を受注するという形での、純粋な映像制作仕事としての能動的・発展的関係の話だ。パチスロ台の液晶画面で流れる映像も、CG制作会社の立派な仕事なのだ。パチメーカーは、CG制作会社に、とてもまともな対価を支払う、お得意さんである。

対して、公知の事実として、日本のアニメの現場の貧しさについては、今更説明を要しないだろう。これは、実写系でも映像制作現場一般の話として、ある程度共通する部分もあるかもしれない。CG制作会社は、アニメだろうと実写だろうとゲームだろうとCMだろうと、コンピュータで作る映像なら、何でも受注できる会社が少なくない。しかし、アニメや映画仕事を受注する場合、元請けでもなけりゃ、まともにやって黒字にするのはかなり困難。その手の仕事の発注元は、映像制作にまともな金を払う気がないことが少なくないが、同時に、赤字で受注する制作会社も後を絶たない。需要と供給が、制作コスト割れしたポイントでバランスが保たれている。

この差が生じる理由は簡単だ。かつて、多くのCGデザイナーやプログラマは、パチ仕事をヨゴレだと思って避けていたが、映画仕事に参加するのはステータスなんで、若い頃はタダでも働きたい仕事だった。著名な劇場作品でも、学生上がりの未経験者を、インターンシップと称してただ働きさせているケースは後を絶たない。映画仕事を受注した会社は、学生の夢を食い物にしてでも活用しないと、赤字が拡大してしまう。

ある程度の規模の制作会社になると、有名な劇場作品に参加するのは、求人のために必須となる。同時に、劇場作品への参加を夢見て入社してきた社員たちの、モチベーションを維持する必要もある。だから、会社の宣伝、イメージアップのため、劇場作品を一定数受注し続ける。

すると、優秀な人材を確保するための赤字映画仕事と、会社経営を維持するための黒字パチ仕事とのバランスが、とても重要となる。黒字にしたいなら、パチ仕事ばかりやれば良いと思うかもれいないが、イメージの悪い会社に人材は集まらないので、両立させなければならない。特にデザイナーは、転職が頻繁で、フリーランスになってしまう人も多いので、一定規模で能力の高いデザイナーを雇用し続けるには、会社が魅力的でなければならない。更にパチ仕事は、ノウハウも必要で、守秘義務の厳しさもあり、映画仕事のように安易に学生を使うこともできない。

これが10年前なら、映画の赤字を埋めるのはゲーム仕事だった。アニメ業界からゲーム業界への人材流出も、当時のトレンドだった。しかし、ゲーム機の性能が向上し、リアルタイムの描画能力が高まった結果、ゲーム向けの映像制作仕事が激減した。憧れの仕事と収益の上がる仕事が合致していた時代は、ゲーム機の性能向上によって終わり、ゲーム仕事に代わって黒字仕事の柱となったのが、ヨゴレのパチ仕事だったわけだ。(念のため言っておくが、自分自身は、パチ仕事をヨゴレとは思ってない。十分に、素晴らしいと思ってるが、その理由は後で。)

みんなが憧れる映画仕事は、ヨゴレのパチ仕事によって、一部支えられてきた。
そしてやっと、パチ仕事のイメージが改善してきたのは、ごく最近の話だ。


■ダメな仕事
と・こ・ろ・が、パチ産業は、いわゆるコンテンツ産業の市場規模が計算される場面などでは、何故か除外されている。政府の発表する資料などでも、パチ業界は存在しない前提で、コンテンツ産業が語られる。20兆円産業のパチを無視して、それより遥かに小さな残余の業界をまとめて、コンテンツ市場の在り方が議論されている。そんな議論の価値が低いのは、言うまでもないだろう。

しかし、映画業界の権利者な方々は、自分たちのコンテンツが、実はパチのおこぼれで作られてる部分があることを知らないかもしれない。そんな人々にいくらヒアリングして資料が作られても、現実を全く反映しないのは当然だ。(対してパチ業界は、映画やゲームで培われた映像制作のノウハウの恩恵にあずかっている。)

各業界の権利者団体は、別個独立で、他業界を知らないかもしれない。しかし、映像制作現場のレイヤーで実際に様々な業界からの映像仕事を受注している各CG制作会社は、実は共通なので、複数の別個独立の業界のリスクが、映像制作現場のレイヤーで担保されてるのだ。逆に言うと、担保できてしまっているから、いつになってもダメな業界はダメなまま、なのかもしれない。

--追記
パチンコ業界は、警察庁が監督官庁であり、コンテンツ振興を扱う経産省からは手を出せないのかもしれない。
--

ダメな業界の仕事というのは、単に金がないだけではなく、コンテンツ制作過程が非合法だったりもする。映画仕事では、著名な監督が、ごく当たり前に、著作権侵害や制作に必要なソフトウェアの不正コピーを現場に指示する。例えば、各社に散らばった100名程度のスタッフで、監督のイメージする映像を共通認識して完成を目指すには、コンテだけじゃ足りないので、監督のイメージに近い既存の映画作品から、シーンやカット毎にリッピングして、関係スタッフに配られたりする。何十人もに違法DVDコピーで配られることもあれば、主要な制作会社のサーバーにリッピングした作品が蓄積されたり、海外の外注先に配布されたりする。(もちろん昔は、VHSの大量コピーだった。)

スタッフは、必要に応じてPCで参考作品の映像を見て、監督のイメージを共有しようと努力しながら、自分たちの作品を制作する。スタッフの人数分、何十作品ものDVDを買うなんて真面目なことは、誰も考えない。何しろ予算の少ない仕事だ。他人の作品を参考にする事自体は合法でも、参考にする手段が非合法なのに、それに文句を言う映画制作関係者は、ほとんど存在しない。リスペクトしてれば良いと思ってる。

劇中で表示される文字などに至っては、どこかからフォントを違法コピーしてCD-Rに焼いてきて、ポンと渡され、「この文字でよろしく」みたいなこともある。

自分がかつて在籍したCG制作会社では、そういう非合法な制作手法を排除するのが、自分の仕事の一つでもあった。受注仕事では、違法行為を指示してくるのがクライアントであり、これと衝突することは極力避けなければならない。現場にウルサイと思われつつも、自分たちの仕事を合法とするため、いつも苦労した。

CG業界とアニメ業界の垣根が崩れ、旧態依然としたアニメ制作会社と共同作業するようになると、本当に最悪な場面に出くわした。アニメの会社は、ソフトウェアを買うものだと考えていないところが大半だ。金の無い業界の常識とは、そういうものだ。それでも、一緒に仕事をする以上、不正ソフトを使わないでくれと、相手の会社の責任者と話をしたりもした。「そんなことしてると、メーカーの監査が入りますよ」と脅しても、「そんなのは追い返すから大丈夫だ」と、まるで気にするのが馬鹿みたいに言われる業界だった。

不正を排除しようという意識を持たない会社が大半だが、そうして違法に作られた自分らの作品の権利だけは、絶対に守られるべきだと信じて疑わない、不思議な業界。それが、映画やアニメの業界だ。極論ではなく、一般論として、日本のアニメ等で、その制作過程全体において完全に合法性が担保されている作品は、皆無と言って良いだろう。中には、「うちの会社に不法行為はない!」と言いたい会社もあるだろうが、下請けや、人件費が安価だからと仕事を投げる、アジア各国の外注先の制作会社が何をしているかは、見て見ぬふりだ。フリーランスのデザイナーに発注する場合も、その個人が、自宅でどんなソフトをしっかりと買い揃えているか、クラックされた不正ソフトを使用していないかなど、発注側は誰も気にしない。結局、安く受注する会社や個人を便利に使うことで、不法行為を押し付けている。


■パチの良さ
対してパチは、完全に合法的な仕事を求められる。発注元が、何度も納品物をチェックする。高い金を出すだけでなく、合法的なコンテンツの制作にこだわる会社が多い。例えば、CGではテクスチャー画像をいくつも使用するが、パチ仕事では、作中で使用した全テクスチャーの著作権チェックがされる。テクスチャー一覧を提出すると、先方の法務部がチェックしたりする。テクスチャー画像は、ロイヤリティフリーの素材集などを買って利用することが多いが、素材集の発売元の会社が無くなっていると、テクスチャー差し替えの指示を出されたり...

そんなことは、かつてのゲーム仕事でも、要求されなかった。


フォントも、遊技機で合法的に使用できる、業務用フォントの契約を求められる。一度、先方がフォントの種類決定を後回しにして、仮のフォントで納品することを現場レベルで合意し、後に先方が差し替える話になっていたのに、先方の法務部に伝わっておらず、「不正なフォントで納品し、損害を与えた」と、損害賠償に発展しそうな時もあった。本当に、合法的なコンテンツにこだわる業界だ。(様々な著作権関係の裁判経験から、パチ業界は学んでいるのかもしれない。)

そういう仕事をしつつ、一方で、自堕落な映画やアニメの関係者に接すると、合法的なパチの仕事を受注できる会社というのが、とても誇らしいと感じるようになったのを覚えている。

しかしながら、パチに代替する黒字仕事が登場する前に、もしもパチ仕事が激減すると、経営が傾くCG制作会社も少なくないだろう。パチ業界は、最近持ち直したような話も聞くが、ちょっと前は市場規模が縮小傾向で、先行きに不安があった。そこで待ち望まれてきたのが、カジノ解禁だ。


■需要創出としてのカジノへの期待
カジノに期待するというと、どうやら、カジノのゲームマシンの仕事に期待をしているのではないかと、大きな誤解をしている人がいる。それは、あまりにもカジノを知らなすぎる。

もちろん、既存のパチメーカーは、海外のギャンブルマシンの供給も行っているので、既存のパチメーカーとの関係の延長で、カジノ向けのマシンの仕事も、期待が大きい部分ではある。CG制作会社から、パチメーカーへ転職し、海外カジノ向けの機種に関わってるなんて人もいる。

しかし、十数年前、自分がまだデジハリの学生だった頃から、SIGGRAPHとラスベガス旅行はセットだった。カジノとは、エンターテインメントの総合産業であり、当時からデジハリの杉山校長は、本場を見ろと学生に教えていた。

ラスベガスは、いたるところにコンテンツが溢れ、輝いていた。遊園地でもないのに、スタートレックのライドものや、ショー、シアターがホテル毎に存在し、どこもかしこも映像仕事の宝の山に見えた。街中の巨大スクリーンが、無数の映像を消費していた。

カジノを解禁するとは、単にギャンブルを解禁することではなく、ギャンブルを中心とした一大エンターテインメント都市を構築し、街中のいたるところにコンテンツ需要が生まれるということだ。合法化の暁には、これらの仕事を、国内の会社が受注できる制度を担保することは、必須だろう。その際、受注した仕事を海外に下請けに出すようなことを一定数制限すると、更に良いかもしれない。

これを、ゲーム、アニメ、映画などと、コンテンツの下流の権利者レイヤーの縦割りでしか業界を評価していないと、上流の制作現場レイヤーの重複に気がつかないので、カジノの魅力が理解できない。

CG制作会社に、「あなたの会社は、アニメ業界ですか?映画業界ですか?ゲーム業界ですか?それともCM業界?」と質問するのが、どれだけ愚問か分かるだろう。1つの会社で、実写合成だって、アニメだって、博物館の展示映像だって、何でもやってたりするのだ(もちろん、それぞれの専業の会社もあるが、そういうところは業界と運命を共にするしかない。)。だから、カジノ解禁で需要が創出されると、パチ依存の現状の偏りを緩和する方向に作用するだろう。それが、間接的に映画やアニメを支えることにつながる。


■制作サイドの改善
もちろん、個々の業界がそれぞれ健全化を目指すのは大事だ。しかし、日本のアニメ系の会社は、プログラマはゲーム会社にいるものだと、勘違いしてる感じがある。アニメの制作会社で、プログラマを重視して雇用している会社は、ほとんど無いのではないか。それが、Pixarに永遠に追いつけない原因だ。道具は、自分たちで作るものだという認識が、文科系アニメ制作会社には抜け落ちてる。なんせ、ソフトウェアは不正入手するのが当たり前だと思ってるのは前記の通りなんで、それを作るのに人件費をかけるという発想がないのかもしれない。プログラマが雇えないのか、雇う気がないのかは別にしても、そういう会社が淘汰されるのは、ある程度仕方のない話だ。

不正を行わずに、プログラマも雇わず、道具をひたすら真面目に買う側にいる会社もあるだろう。プラグイン一つ自給せず、必要なら買えば良いと。それはそれで、黒字を維持できるなら良いのだけれど、かなり非効率なので、小規模な会社でしか無理ではないかな。

理科系CG制作会社は、まだ、映像制作におけるプログラマーの重要性は、理解している。デジハリ時代のクラスメイトなども、インハウスのツールで海外に対抗しようと、ゲーム会社の出資でCG映画専門の大規模な制作会社を立ち上げた奴もいる。そういう会社が成功するよう、心から声援を送りたい。でも、映画ばっかじゃ飽きないの?とは思う。

専門化せず、つまみ食い的に、多様な業界の映像需要に応えられる会社というのが、時代の変化にも生き残れ、社員も飽きずに在職し続けられる、ノウハウのある楽しい職場なんじゃないかなと、個人的に思っている。

ノウハウがなければ生き残れないし、生き残った会社にしかノウハウは残らない。
焼畑農業みたいな業務スタイルの会社は、どうぞご自由にご退場ください。
...とか言ってみるテスト。


■風が吹けば桶屋が儲かる的なナニカ
このブログは、観光立国に関わるものを時々書くけれど、それは、観光立国にはカジノが必須だと考えており、カジノが認められればコンテンツ産業が潤うと考えているからだ。そして、JALを批判するのは、観光立国をインフラ面で妨げているのがJALだからだ。

航空行政が健全化し、LCC+地方空港による安価な観光インフラが整備され、普天間基地跡地だろうと、夕張だろうと、お台場だろうと、カジノが解禁され、観光立国となることが、日本のコンテンツ産業の活性化と合法化(カジノにまつわる仕事は、非合法であってはならないので、不正を厭わない旧態依然とした制作会社は受注できない仕組みも必要)につながる可能性というのに、大いに期待してる。


そして自分は、そういう時代に法律分野で貢献できたらという思いで、職を辞して法科大学院にいる。今回の日弁連の会長選にはガッカリしたし、今年はどうあがいても合格できそうにないけど、新司法試験は三振するまでチャレンジする所存。ギャンブル人生ですわ(涙)


■蛇足1
みんなの党の柿沢議員は、都議時代にお台場カジノ構想に深く関わり、カジノ推進に積極的だし、ショートショートフィルムフェスティバルにも関わってて、映像産業に興味も持ってる。かつ、みんなの党は観光立国も重視している。こういう話に興味持ってくれないだろうか?

■蛇足2
経産省が、コンテンツ振興策についての意見募集をしているので、またちょっと違う話を書いてみた。
「レンダリングサービス等におけるテンポラリライセンス」
http://201002.after-ideabox.net/ja/idea/00786/

■蛇足3
「ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援」で、このエントリを紹介。
http://201002.after-ideabox.net/ja/idea/00131/
関連して、こちらにも紹介されてます。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_9898.html

みんな、なんとかしたいんだよね。

アドビが、アップグレード版の購入に使えない、世代の古い旧バージョンのままのユーザーに対して、下取りキャンペーンを始めた。
http://www.adobe.com/jp/joc/store/eco/

でもアドビは、ライセンスの利用許諾をしているだけで、ソフトウェアの所有権は譲渡してないのに、下取りって言い方、おかしくない?

-->
本キャンペーンにご応募いただくには、お持ちの旧製品のメディア本体と、「エコキャンペーンお申し込み兼ソフトウェア廃棄に関する誓約書」(以下「申込書兼廃棄誓約書」)をアドビにご提出いただく必要があります。
<--

というので「申込書兼廃棄誓約書」を見てみると...

-->
【 ソフトウェア廃棄に関する誓約書 】
本状は、エコキャンペーンのお申込みと同時にお客様の旧アドビ製品をアドビへご返却されたことを条件に、お客様の旧アドビ製品に対する使用権が直ちに終了および取り消されることを確認するのもです。お客様は当該旧アドビ製品をご利用のコンピュータより速やかに削除し、当該旧アドビ製品から作成した複製物をすべて廃棄しなければなりません。当該旧アドビ製品またはその複製物の第三者への転売・譲渡・寄贈・配布はできません。お客様が本状に署名し、本状と当該アドビ製品をアドビへ返却し、アドビがそれを受領後、アドビは当該旧アドビ製品とシリアル番号の「廃棄」を行います。お客様がアドビ製品のエンドユーザー使用許諾契約書に基づき当該アドビ製品を使用する権利は、お客様が本状に署名し、本状と当該旧アドビ製品をアドビへの送付を完了した時点で終了します。
<--

なんだ、やっぱり使用権の終了・取消しと書いてある。
で、PCからアンインストールしろと。

そんなの守るユーザーが、現実に何割いるのだろうか。

それに

>当該旧アドビ製品またはその複製物の第三者への転売・譲渡・寄贈・配布はできません。

これって、下取りと関係なく、そもそも利用許諾だけなんだから、最初から禁止してるはずではないか。下取りに出さなけりゃ、転売することが許されてるかの解釈が可能な書き方は、ちょっとオカシイ。

更にFAQを見ると、驚き。

-->
Q3. 対象バージョンのPhotoshopやIllustratorを所有していましたが、すでにCS2などにアップグレード済みです。このキャンペーンに応募できますか?

A3. 旧バージョンからアップグレードを継続いただいているお客さまへの感謝の気持ちを込め、上記お手続きまたは製品登録内容を確認した上で、ご応募を可能とさせていただきます。なお、アップグレード版をご購入いただくのが一番お得な選択となりますので、まずは上記価格をご参照ください。ご不明な点はアドビストアコールセンターまでご連絡ください。
<--

既に旧バージョンをアップグレード元として、新バージョンを安価に購入していても、同じ旧バージョンを下取りに出せて、もう1本新バージョンが買えると...

これが意味することを考えてみる。


まずアドビは、アップグレードで新バージョンを入手しているユーザーもが、今でも旧バージョンを活用しているという事実を認識しているということだ。

以前は、アップグレード版をインストールしたら、旧バージョンと併存を禁じて、旧バージョンを使いたいボリュームライセンスユーザーは、インストールの都度アドビに申請しろという無茶な利用許諾条件を押し付けていた会社であることを考えると、感慨深い。

しかし、どうして旧バージョンが活用されているのか、どうして新バージョンが受け入れられないのかという、ユーザー側の理由に耳を傾けるのではなく、どうにかして旧バージョンを捨てさせたいわけだ。


そもそも、旧バージョンから新バージョンにアップグレードしているユーザーが、どのシリアルの旧バージョンからアップグレードしているか、アドビは把握していない。

アドビはかつて、シリアルナンバーなどユーザー情報のデータベースに不具合が生じたことがあったが、いつのまにか、アップグレード版購入者のユーザー登録に、旧バージョンの購入者であることの証明を要求しなくなった。インストールの段階で、旧バージョンのシリアルが要求されるが、それがアドビに管理されているわけではない。

もっと言えば、ユーザー登録を必須とせず、登録したい人は任意に登録すれば?という態度に変わった。旧バージョンをユーザー登録せずとも、新バージョンへのアップグレードが可能な、吃驚するほどルーズなユーザー管理姿勢に移行した。

膨大なシリアル情報のデータベースの管理を放棄したのか、管理コストを削減したのか知らないが、アドビが正規ユーザーを軽視する姿勢だけは、昔から一環している。

だから、上記FAQの答えは、別にアドビが寛容なのではなく、そもそも制限できない、というのが実際のところだろう。


では、どうしてアドビが、こんな必死のキャンペーンまでしなければならなくなったのか、売上げのプレスリリースを見たら分かったので、グラフにしてみた。(昨年もグラフにしているので、手直ししただけだが。)

adobe2009_4.jpg

2009年第4四半期、なんと純利益がマイナスに転じた。

adobe2009s.jpg

もちろん、通年なら真っ黒に黒字だ。しかし、四半期とはいえ赤字というのは、営業部門が必死になるには十分な理由だろう。

ただし、この時期アドビは、Omnitureを買収している。この点を考慮すれば、不振は一時的なものかもしれない。かつてのマクロメディア買収前後の売上げに比べれば、遥かに上だからだ。

ところが、当時より純利益は遥かに下回る。最近のアドビは、利益率が極端に下がっている点が興味深い。

もしかするとCS4は、アップグレードユーザーばかりで、利益率の高い新規ユーザーが、ほとんど開拓できなかったのかもしれない。

不況の影響もあるだろうが、独占したプロユース市場が飽和気味で、新規ユーザー増加が見込めないのか?とか、色々想像してしまう。

そういうタイミングで、あえて年末にOmnitureを買収し、新規市場開拓に出たというなら、戦略としては納得だ。今まで散々蓄えてきたろうし、2008年末には、事実無根の「売上げ不振」を理由とした、600人のリストラを発表している。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20384723,00.htm
2009年の不振は、2008年末時点で予測済みだったわけだ。
(「事実無根」というのは、2008年末はまだ、過去最高の売上げだったからだ。)

自らは先にスリム化し、不況のタイミングで他社を買収して事業拡大。
上手い。上手すぎる...


しかし、ユーザー側から言わせてもらうと、事業拡大してまで余計な機能は要らんから、軽くてバグの少ない安定したソフトを希望したい...
http://www.omniture.com/jp/company/adobe_faq
-->
アドビ システムズがOmnitureを買収した理由は。
アドビ システムズの事業目標は、あらゆるユーザーの、アイデアや情報の関わり方に変革をもたらすというものです。アドビ システムズのコンテンツ制作ツールやユビキタスクライアントと、Omnitureのウェブ解析、計測、最適化テクノロジーを組み合わせることにより、すべてのデジタルコンテンツプラットフォームおよびデバイスを通じて、魅力的な体験やEコマースの未来を変革することのできるソリューションを提供することが可能になります。
<--




てへ!
今後も、現場が要望しない機能テンコ盛りな予感。

天下のアドビ様が、ユーザー目線に立ってくれることなんて、あり得ない話でしたねーーー
ちゃんちゃん!

蛇足:
>アドビはこのキャンペーンを通じて発生した利益の1%を、植林や里山保全に関する人材育成を行っているNPO団体に寄付します。
>ご購入の際にはパッケージやメディア不要で資源を節約でき、かつ送料無料で価格もお得なダウンロード版をぜひご活用ください。

価格がお得なのは、送料分の630円分だけだそうで...普通、節約したメディアやパッケージ分、ダウンロード版は販売価格を安くするものだろ?
何で販売価格は同じで、送料なんて当たり前の部分削れてるからって、お得とか言ってるの?
ユーザー側の資源節約が、丸々アドビの利益になるのに、何がエコだよ。

CS4の発売前後くらいからの販売方針とか、物凄くエグイ売り方をする会社になったと感じている正規ユーザーは、多いはずだ。時期的に考えると、クレイグ・ティーゲルが日本法人の代表取締役社長になったせいか?

追記:
やっぱ皆さんご不満のようで。
http://d.hatena.ne.jp/seuzo/20100207/1265518232


http://jp.techcrunch.com/archives/20090720youtube-experimenting-with-3d-web-videos/
http://japanese.engadget.com/2009/07/22/youtube-3d/

ちょっと話題になってる。

HD立体もOK
http://www.youtube.com/watch?v=UTOwV5IJq48&fmt=22
ここに動画を埋め込むと分からないので、リンク先の動画の下を見て欲しい。
3Dの表示方式を選べるようになった。

Googleの「20%の自由時間」を利用して開発したというのが、面白い。

今後は、3Dシアター向けのCG作品をYouTubeでプロモーションするのは、ありかもしれない時代だ。

なお、一般人に3Dの需要があるかといえば、実はYouTubeに限らず、こんなWebCamも存在する。

http://wiredvision.jp/blog/takamori/200907/200907281520.html

ちょっと高いかな...

日本なら、こんなウォーリーみたいなカメラじゃなくて、せっかく目が2つあるのだから、「萌えキャラ」や「ゆるキャラ」の大きめなフィギュアにでもして、PCの上にキャラが座っているように見える製品でも作った方が、売れる気がするw

いつの間にか公式サイトがオープンしてた。
http://yonapen.jp/

来週あたり、IMAGICAで公式スタッフ試写とか。

法科大学院の授業で行けませんが...公開されたら、劇場行きますんで。


かっちょいー

| コメント(0) | トラックバック(0)

スゴイ計算されてるね

現場で見たい

時々前を電車のパンタグラフのようなものが通り過ぎるのが、またいいw

こういう一瞬の、固定して展示や保存ができない作品というのは、ライブの貴重さを教えてくれる。ネット経由じゃ、本当に凄さの何分の一しか伝わらないのだろう。

そもそも、これを映し出してるプロジェクターとか、画面の反対側でコントロールしている側も、スゴイ気になるけれど(^^;

河野太郎GJ

| コメント(0) | トラックバック(0)

「殿堂」という箱モノ
国産比率と法令遵守を条件に
レンタル倉庫でも借りろ

↑今まで何度も取り上げてきた、例の「殿堂」という文化庁天下り国営マンガ喫茶の件、河野太郎氏が反対してくれた。

http://www.taro.org/blog/index.php/archives/1066
http://www.taro.org/blog/index.php/archives/1067
http://www.taro.org/blog/index.php/archives/1070

素晴らしい。前に、国籍法改正の時も、一番正しく理解して改正に賛成していたが故に、無知なネトウヨ酷士様から総攻撃を食らってたけど、今回も一番よく理解して反対したが故に、賛成派の文化を創ってない人々からの反論が、氏のmixiの日記版に連なってる模様。

間違いなく、河野さん、あなた正しいですよ。
アニメ、CGの制作側の人間として、応援します。
自分らの仕事が、文化庁の役人の天下りのネタに利用されるなんて、真っ平です。

文化庁は、作った箱に、誰が作品を提供するのか、考えてないでしょ。
117億円には、作品を買い取る金は含まれず、当然に徴収でもできると思っているのだ。そうなら、応じる作家や作品のリストでも見せてみろ。

例えば、手塚作品なら手塚治虫記念館、長谷川町子なら長谷川町子記念館と、既に著名な漫画家は、それぞれ記念館があり、町おこし的な要素もある。にもかかわらず、殿堂に著名作家の目玉作品を集められるとは思えない。

運営は民間に委託を想定してるそうだけど、どこの会社?信用できるの?

しかも、映画が殿堂の対象から除外されている以上、日本の有名な劇場アニメなどは、所蔵されない。映画抜きのメディア芸術なんて、詐欺みたいなものだ。


今、観光庁が、ポップカルチャー戦略の外務省と、産業育成側の経産省と連携して、パリでこんなことをやってる。
http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=41245
縦割りの壁を越えての連携は、素晴らしい。

で、何で文化庁の名前が無いの?
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000021.html

観光立国を目指す日本にとって、地方の観光資源は重要だ。地方都市に漫画家等の記念館が点在することは、外国人観光客の足を運ばせるネタになる。しかし、お台場に殿堂を作れば、逆効果でしょ。

ヲタクな外人は、そんなものが無くとも、アキバ目当てに東京には来る。
なので、殿堂を地方に作るなら、まだ国家戦略として一貫性を感じる。
一貫性が無いのは、文化庁だけ縦割り維持してるから?と聞きたくなる。

外国人へのアピールなら、見るべき観光資源を近くに集めてはならない。一度の来日で、観光資源を消化させないことが重要だ。また日本へ行きたい、次はあっちの地方都市へ行ってみよう、と思わせることができるかどうかだ。

お台場なんて、呼ばなくたってヲタク外人はコミケで来るって...orz

http://maruko.to/2009/04/post-25.html
これの続報なのだが...

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/04/news104.html
--
同施設については、民主党の鳩山由紀夫代表などが国会で、「"国営マンガ喫茶"は不要。税金の無駄遣いだ」などと痛烈に批判。先行きが不透明になっていた。
--

兄ポッポ、GJ

--
漫画の原画は作者が個別に管理しているので、捨てられたり、なくなったり、海外の収集家に買われて流出していることも多い。このままでは100年後に漫画の資料が残らない。ハコモノ行政という批判もあるが、漫画の原画を保存するにはハコモノが必要
--

酷いな里中満智子。

作品の価値を理解する収集家に買われるのは、何か悪いことなのか?
日本人だって、外人の芸術作品を買いまくってきたじゃないか。
自分の作品を海外の収集家に売っちゃいけないのか?

とりあえず、理由から察するに、
レンタル倉庫で十分としか思えない。
あなた、自宅の倉庫が手狭なだけじゃないの?

マンガ原画の保存状況なんて、グラフにしてるけどさ、意味ないよ。
保存されてない理由は、価値が無かったからだよ。あと、出版社が返さずに紛失とか。その程度の、ゴミみたいな扱いの時代が、長かったんだよ。セル画だって、昔はただで、撮影終わったらお持ち帰り自由とか、そんな程度だったのさ。マニア(≒ヲタク)が買いあさって、価値が出たのさ。

なのに、今になって、収集家を批判するか?
収集家が市場価格をつけなけりゃ、客観的な評価なんて、存在しないんだぜ?
何で、価値があるか分からないものに、税金を投入する必要がある?
どっかに、国内の芸術家の作品を国が管理してるところでも、実在するのか?
あ、北朝鮮なら有り得るか?

文化は、消費されることに価値があるんだよ。

100年後に残したいなら、どっかの洞穴で、壁画でも描けば?


大体、里中満智子が有識者として加わって賛成してるものは、ロクなものが無いように感じるのは、気のせいか?
いつも、文化庁の代弁者みたい。

そもそも、自分の作品を、"殿堂"に引き渡すことに合意するような人間は、どれくらいの割合でいるのさ?
誰が、"殿堂"に保管する作品の認定をするのさ?
同人誌の原画も保管するか?
エロは?

日本の文化っつったら、浮世絵の時代から、エロだよな?
18禁マンガは、後世に評価が上がる文化かもしれないぞ?(苦笑)

まさか、国家認定の漫画家とか、作品を制限するるもりじゃあるまいな?

--
予算があるなら、ハコモノではなく、苦しい生活の中で創作活動を行っている現役の漫画家やアニメーター支援に使うべきという意見もある。里中さんは「漫画家の生活は確かに厳しく、見返りは必要」としながらも、「労働と文化は問題が異なる」と反論。漫画家やアニメーターの生活は、社会保障で解決すべき問題とした。
--

流石有識者だ。
他人は労働者で、自分は文化人かよ(大失笑)

3DV Systems

| コメント(0) | トラックバック(0)

http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20394169,00.htm?tag=nl
またイスラエルか...ってのはおいといて。
結局、どうコンパクトにモーションキャプチャするかって話で、これだけじゃ、記事にするような話題なのか、さっぱりだ。

と思ったら、こっちはまだ記事として読める。
http://japanese.engadget.com/2009/05/05/xbox-360-3dv-zcam/

狭い家じゃゲームできない時代が...という不安はおいといて、3DV Systemsのものならこれだ。
http://www.mbel.co.jp/product/56_3dv.html
とっくに国内代理店が存在するくらいだから、実は、結構古い製品だ。

http://www.100shiki.com/archives/2000/08/z_3dv_systemscom.html
こんな、2000年の頃から画期的だ画期的だと言われつづけ、全然普及しなかった。

何故だろう?

よほど、技術先行で営業が下手な会社なのだろうか。ユダヤにしては珍しい?
http://www.3dvsystems.com/

世の中のヴァーチャル系の技術は、イスラエルの軍事技術の民間転用だったりするのは珍しくないので、ユダヤ様々だけど、この製品もそういう関連はあるかもしれない。民間に売れなくてもOKみたいな。(未確認)

しかし、視点を変えれば、やっとこの製品が普及する前提が、整ったのかもしれない。高性能なゲーム機が手軽に存在してこそ、リアルタイムな画像処理が一般家庭でできる時代になったのだ。一昔前は、カメラを接続した先の、コンピュータが高額で、システム全体で見たら、業務目的でしか実現不可能な価格帯だったはずだ。

なので、今更、前世紀から存在する3DV SystemsのZCamがスゴイわけではない、と言うことを理解した上で、スゴイのは高性能ゲーム機の普及による既存デバイスの利用可能性の拡大にある、というところがもっと取り上げられても良い。一般家庭の居間に、一昔前のスパコンが転がってる時代になったのだ。

物事の順序を理解していないと、本当に何がスゴイのか理解できない典型みたいな話かもしれない。そこに気付けば、上記の百式の2000年の記事のように、色んな可能性があるはずだ。

ところで、1997年の最新技術は、以下のようだった。
http://maruko.to/old_home/siggraph/la2.htm

感慨深い...

中国のヲタ

| コメント(0) | トラックバック(0)

http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/9571d1a26dae756e767342a117b410fd

ここを見てたら、コメント欄にチルノの話が出ていたので、並べてみた。

これが元で

踊った人がいて


日本各地で集団で踊ってる動画がアップされたところまでは、多分いつものことだった。

ところが、それが中国に波及し、以下の状態。

これは別?

胡錦濤の親日路線はよく理解しているけれど、もちろんこういうのは自然発生なわけで、中国の変化というものを実感する。

色々と舵取りの難しい、問題は山積の国だが、江沢民の反日路線時代じゃ絶対に無理なことが、今はできる国になってきたというのは、間違いなく良いことだと思う。この路線が、次の指導者に引き継がれるかが、心配なのだが...

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009050400166


流通先を確保するというのは、麻生総理が発表した愚策の内容に沿ってるのだろう。
しかし、アニメ産業が抱える問題は、販路拡大ができないことではない。

流通先を確保したところで、制作現場が潤うことはない。新たな利権が生まれ、制作しない誰かが私腹を肥やすだけだ。

アニメ産業というのは、制作現場の貧困状態が有名だが、人件費的な理由から既にアジア各国に生産拠点が移転している産業という、アパレル業界と類似した状況にある。そして、国内の制作現場の人材空洞化が深刻化している。有名なアニメ監督の年齢を見れば高齢者ばかりで、若手の監督でメジャーな人物が皆無なことからも、如実に現れている。

人材育成の妨げとなっている中間搾取構造を排除し、産業構造の健全化をしなければ、絶滅しかねない産業だ。経産省は、下請法の観点からアニメ産業にメスも入れてるから、分かってるとは思う。

ファンドに真の産業支援の意味を持たせるなら、制作過程でコンプライアンスを遵守し、下請法に反したり、非常識な中間搾取をせず、かつ、国内での制作比率が一定割合以上の作品に限定して支援すべきだ。

そうしないと、利益は中間搾取者の懐へ、仕事はタイ、韓国、中国に流れるだけになる。

天下りしか考えない文化庁とは、違うところを見せて欲しい。

WIRED VISION主催のトークセッション
『グーグルの権利覇権と情報流通革命』
骨董通り法律事務所の福井先生ということで、面白そう。

骨董通り法律事務所には、法科大学院のエクスターンシップで大変お世話になったばかり。丁度その時、事務所のメルマガでGoogleの問題を取り上げた直後で、ひっきりなしに問い合わせの電話が殺到していたのが印象的だった。

http://www.kottolaw.com/column_090210.html

http://www.kottolaw.com/column_090323_2.html

コンテンツに偏りがちのエンタメロイヤーとは異なり、クリエイターの創作活動に対する理解の深い先生です。

http://lawandpractice.jp/contents/special/lpro/kotto/legal_p10_1.html

もし、参加を迷ってる人が、参加費で悩んでるなら、きっと損しないので行った方が良い。

http://diggindeeper.blog43.fc2.com/blog-entry-832.html
http://www.asahi.com/showbiz/manga/TKY200904090145.html

最悪だ・・・

どうしたら、そんなクダラナイ箱モノに117億も税金を浪費する方法を思いつくんだ?
何が「政府の新経済対策の一つ」だ。かんぽの宿と同じじゃねーか!
出来上がったら最後、それを維持するのに、ずっと税金が必要になるじゃないか!!

>センターではアニメなどの映像作品を鑑賞したり、マンガを読んだり、ゲームを体験したりできる。

そんなの、東京ならどこだってできるじゃんか...

「ジャパン・クール」だ?
「ジャパニメーション」と同じで、日本でしか通じないんだろ?
「クール・ブリタニア」の名前だけコピってるだけだろ?

いいかげん、文化の名の下に天下り先を開拓して税金投入するのやめろよ文化庁!!
文化庁の役人個々人の懐を潤すために、アニメだのマンガだの使うなよ!!
天下りはJASRACだけにしてくれ。

まだ、117億で、5・6本でも継続して作品に投資してくれた方がマシだ。
コンペは、代理店抜きなら10本作っても十分おつりくるぜ?
受注条件は、制作会社を国内に限定し、海外への下請けや外注は、極力制限しても良い。あと、制作過程でコンプライアンスを遵守させることは、必須条件だ。経産省とも連携すれば、
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20390487,00.htm?tag=nl
これのガイドラインを生かした成功例にさせても良い。

で、もちろん、外務省のポップカルチャー戦略と連動させる。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shingikai/koryu/h18_sokai/05hokoku.html

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/koryu/pop/kawaii/

そしてそして、観光庁とも連携して...


まあ、実際のところ、NFB(カナダ国立映画制作庁)とか、少しは真似して欲しい。あっちは、今年70年目だぞ?
http://blogs.yahoo.co.jp/sabumasa/27759487.html

もちろん、NFBは興行的には失敗してる

でも、本当に素晴らしい作品を多数輩出していることは、ちょっとアニメに詳しい奴なら誰だって知ってる。文化庁さんよ、アート系なら尚更だぜ?
日本なら、成功させる方法もあるかもよ。
え?制作費に使われたら、天下りが美味しくないって?

本当に最悪だ・・・

>5/6追記
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200904/2009042801059

-->
 文化庁は28日、アニメ、漫画、映画などの作品を展示するための美術館「国立メディア芸術総合センター」(仮称)を新設する構想を発表した。東京・お台場が候補地で、来場者数の目標は年間60万人。2009年度補正予算案に建設費用117億円を計上しており、11年度の完成を目指す。
 有識者による検討会が今回まとめた構想では、延べ床面積約1万平方メートルの4-5階建てとなる見通し。館内にスクリーンを備え、常設・企画展示などを行う。将来を担う人材を育成するため公開講座も実施するという。
 運営は独立行政法人国立美術館が外部に委託する。年1億5000万円程度の入場料を見込むほか、企業の協賛金、関連グッズ販売、イベント会場としての使用料で運営費用を賄う予定。
<--

ということで、場所はお台場だそうだ。問題は、運営が、独立行政法人国立美術館ではないことが明らかとなった点だろう。独立行政法人国立美術館が、謎の外部へ委託する。

外部ってどこだ!?
検討会とやらの有識者って誰だ!?

その1
その2
その3

前回から間が空いてしまったが、前回の民事訴訟法的なポイントについて松本氏の側から見てから、最後にパチンコ裁判の和解を取り上げる。

前回、著作者裁判とPSソフト裁判がほぼ同時期に係属し、互いに統一的に解決されるべき争点を含んでいたことから、主観的追加的併合や、弁論の併合の可能性があったと指摘した。しかし、松本氏を著作者と思っていた可能性すらある東北新社としても、著作権を西崎氏から譲り受けた際の経緯の不適切さから、松本氏のみが著作者であったら困る状況にあっただろうとも指摘した。だから、互いに西崎氏と敵対しながら、共同訴訟関係になれなかったのだろうと。

どちらの裁判の訴訟物も、判決の効力が他に影響するようなものではないので、必要的共同訴訟(民訴40条)とならないのは当然だが、どの当事者の主張した著作者も異なったので、通常共同訴訟にすらできなかったわけだ。

各当事者の主張した、宇宙戦艦ヤマトの著作者:
・西崎氏:自分
・松本氏:自分
・東北新社:ウエストケープ及びオフィスアカデミー

しかし、そうであるなら、松本氏が著作者裁判を提起したこと自体に疑問が生じる。先に係属していたPSソフト裁判で、両当事者が、自らの主張と異なる者を著作者だと争っていたのであり、どちらが勝つにしても松本氏には受け入れられない裁判だったはずだ。自らの事実上の利益に反する。この場合、松本氏は、PSソフト裁判に独立当事者参加(民訴47条)すべきだったのではないか。

-->
独立当事者参加:民訴法47条1項
訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
<--

互いに矛盾した理由を元に判決が出るかもしれない2つのタッグマッチ(PSソフト裁判、著作者裁判)を平行して行うのではなく、バトルロイヤル(独立当事者参加)で三者が一気に決着を着けるべきだったはずだ。松本氏の弁護士が、PSソフト裁判の存在を知らなかったはずはない。何しろ、松本氏の訴訟復代理人弁護士は、PSソフト裁判被告のバンダイビジュアルの訴訟代理人弁護士でもあったのだから。

おや?

独立当事者参加となった場合、バンダイビジュアルと松本氏は対立関係に立つ。何のことは無い。この弁護士では、そもそも独立当事者参加など、不可能だったわけだ。敵対する当事者同士の弁護など、同時にできないことは言うまでもない。

両立し得ない事実の主張をしているクライアントを同時に抱えて2つの訴訟を受任していたという事実だけでは、どのように関わるようになったのか経緯が不明なので、安易に批判はできない。単に、気持ち悪いとは思う。

しかし、影響が無い建て前とはいえ、同じ裁判長裁判官で同時期に係属している訴訟で、矛盾する主張をすることが、少なくともクライアントの為に最適とは思えない。弁護士倫理的には、ギリギリセーフなのだろうか...

あまり深入りしてはいけないような気がしてきたので、これ以上触れない。
とにかく著作者裁判は、独立して提起された点からして、民事訴訟法的に不適切だったのではないか、という指摘に留めておく。


さて、最後のパチンコ裁判に移ろう。

東北新社は、平成16年6月、パチンコ機「CRフィーバー大ヤマト」およびパチスロ機「大ヤマトS」等の製品が、東北新社が保有するアニメーション映画「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を侵害しているとして、パチンコ機を製造販売した株式会社三共のほか、株式会社ビスティ(パチスロ機製造販売)、インターナショナル・カード・システム株式会社(PS2用パチンコシミュレーションゲーム製造販売)、および株式会社アニメーションソフト(「大ヤマト」の許諾元(旧:株式会社ベンチャーソフト))を相手方として、東京地裁に損害賠償請求等を提起(平成16年(ワ)第13725号)。
http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=1274

これに対し、アニメーションソフトの補助参加人として、松本氏と、氏が代表取締役の零時社が参加。つまりこの裁判は、「東北新社v.s.松本氏」というのが、本当の構図だ。三共、ビスティ、インターナショナル・カード・システムら3社担当の弁護士が2名、アニメーションソフトの弁護士が4名なのに、補助参加人の松本氏らの弁護士は12名もいる。

また、この訴訟が係属後、三共らは「CRフィーバー大ヤマト2」等も製造販売したため、翌年、それらの著作権侵害(及び不正競争防止法に基づく請求)を理由に同様の訴訟が東北新社から提起され、三共、ビスティ、フィールズが被告になったが、これは先の訴訟と同日に同じ裁判官らによってほぼ同じ判決がなされているので、特に触れない。
http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=1275

訴訟提起段階での、東北新社の奇妙な点は、松本氏原作の「大ヤマト」そのものには、何も請求していない点だろうか。松本氏からの許諾で、被告アニメーションソフトが製作した、OVA「大ヤマト零号」のDVD販売に関しても、何も請求していない。つまり、「大ヤマト」そのものが「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を侵害したかどうかは、争われていない。そこから、更に許諾を受けて製造販売された、「大ヤマト」の遊技機等が、著作権侵害と言われたのだ。どうやら東北新社は、「大ヤマト」そのものは「宇宙戦艦ヤマト」とは無関係の著作物という認識を持っているか、翻案された著作物だとは認識していても存在を認めているか、単に松本氏とは争いたくなかったか、ということだろう。当事者と争点を増やしたくなかっただけかもしれないが、松本氏との直接対決を避けようという姿勢だけは、いつも一貫しているのかもしれない。

しかし、「大ヤマト」原作者として松本氏は、これを静観はできなかったのか、結局は弁護士12名を従えて補助参加した。一見、尤もな気もするが、よく考えると補助参加する利益が松本氏にあったのか、大いに謎だ。

-->
民訴法42条:補助参加
訴訟の結果について利害関係を有する第三者は、当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。

<--

松本氏は、被告アニメーションソフトの補助参加人となったのだが、訴外の第三者として傍観していてアニメーションソフトが敗訴したところで、松本氏に対して法律上はおろか、事実上の影響すら考え辛い。判決の効力は、訴外の松本氏に及ばないし、パチンコ裁判の争点に関連する事実のうち、原作者として許諾を与えた側に、事実上利害関係が生じる点が無いのだ。

民事訴訟法的には、補助参加した場合の参加者への判決の効力は、一つの論点である。現在の判例・通説は、「参加的効力説」というのをとっている。この説では、敗訴した場合の判決中の理由にも、補助参加人は拘束される。しかし、勝訴したからといって利益となることなど、ほとんどない。後日、勝訴した理由と矛盾する理由で、被参加人(この場合はアニメーションソフト)から何か不利益な請求をされるリスクを回避できる、という程度である。「あの一緒に戦った裁判で、そんな事実は否定されたじゃないか!」という感じだ。

しかし、ライセンス許諾者側の松本氏は、勝訴した場合にアニメーションソフトから何か請求されるような関係に無いのだ。何か請求される可能性がある場合とは、アニメーションソフトが敗訴した場合しか想定できない。松本氏が許諾した著作物に瑕疵があった(他人の著作権を侵害していた)等の理由で、損害賠償を求められるケースだろうか。この場合、参加的効力説からは、補助参加人は敗訴の責任を被参加人と共同して負担させられるので、損害賠償から免れなくなるという不利益しか生じない。参加せずに傍観していれば、アニメーションソフトが敗訴したところで、その裁判は松本氏に一切関係無いので、後に損害賠償請求訴訟を提起されても、前訴の敗訴理由などに拘束されずに一から争える。一体、松本氏が補助参加した理由は、何だったのだろう。どんな利害関係が成立するのか。

補助参加とは、当事者から異議が出なければ、裁判所は利益の有無などの要件を満たしているか、わざわざ判断しない。自ら不利益を負いに来る者を、当事者らが受け入れるなら、反対する理由はない。

実は、松本氏は、被参加人のアニメーションソフトが唯一責任を追及された、共同不法行為成立の可否について、何も言わなかった。本当は、補助する意思など無いとしか思えない。この視点から、被告らと補助参加人が、どの争点にどう応じたかの違いを見ると面白い。三共、ビスティ、インターナショナル・カード・システムの3被告は、全ての争点に応じている。しかし、アニメーションソフトと補助参加人は、利害関係が異なることが明確なのだ。

東北新社が著作権を有するかどうかという根本的な争点に、アニメーションソフトは争った形跡がない。沈黙は、自白とみなされる(民訴159条1項)。しかし、翻案権は有しないと争っている。対して松本氏は、映画製作者はオフィスアカデミー又はウエスト・ケープだったとして、西崎氏は製作者ではないので著作権を有せず、その西崎氏から著作権譲渡を受けたとする東北新社の著作権を否定。しかし、翻案権に関しては、「不知」と陳述した。不知の陳述は、一応否認との推定を受ける(民訴159条2項)が、争ったという効果は弱い。この争点について、アニメーションソフトが使った証拠は、正に松本氏が東北新社と交わした合意書であったのだ。その合意書の当事者の松本氏が、補助参加しながら不知の陳述しかしなかったというのは、補助しないどころか、険悪な関係すら想像してしまう。

逆に見ると、アニメーションソフトは、映画製作者がオフィス・アカデミー又はウエスト・ケープとは主張せず、翻案権は西崎氏に留保されていると主張したので、西崎氏は著作権者であった必要がある。つまり、映画製作者は西崎氏であって欲しいのだ。しかし松本氏は、そもそも西崎氏が映画製作者とされることが我慢できないので、西崎氏に翻案権が留保されること自体を認めたくないのだ。何しろ、西崎氏との和解で、どうせ手足を縛られているのだから。

アニメーションソフトは、松本氏と東北新社で交わした平成11年1月25日の合意書を生かせれば、OVA「大ヤマト」が「宇宙戦艦ヤマト」っぽくても、製作を正当化できる。三共らの遊技機を保護する以上に、自らの作品もいつ訴えられるか分からない立場であり、西崎氏から東北新社への著作権譲渡時に、翻案権が留保されたと主張することは、価値があるのだ。

東北新社への譲渡契約について、合意書3条によれば
-->
ヤマト作品に登場するキャラクター(人物,メカニック等の名称,デザインを含む)を使用し新たな映像作品(ただし,キャラクター使用以外の行為でヤマト作品の著作権を侵害しないものに限る)を制作する権利は西崎に留保されていること。
<--
と確認しており、同4条2項では、
-->
乙(東北新社)は,甲(松本氏)がヤマト作品に関連する新作の企画を希望する場合,これに全面的に協力する。ただし,甲は,乙に対し事前に企画内容の詳細を通知し,説明する。
<--
と規定されている。つまり、許諾を得る関係には無いというものだ。

同じ合意書は、別の争点でも活用される。それは、東北新社が、三共らの製品について、宇宙戦艦ヤマトの著作権を行使できる立場にあるかという争点だ。この争点は、上記の翻案権の存否に関する争点と背中合わせだが、ここでは松本氏も同じ合意書を用いて主張している。三共らの製品は、守ろうという姿勢のようだ。しかし、アニメーションソフトの主張との差が明快だ。アニメーションソフトは、同じく合意書の3条と4条を使ったが、松本氏は3条を使わず、4条のみを使ったのだ。西崎氏に翻案権が留保されていると解釈できる規定は、何が何でも使いたくないのだろう(苦笑)

映画製作者が西崎氏でないとなると、東北新社は譲渡契約を無権利者と締結したこととなり、せっかくの合意書の前提すら危うい。実をとるアニメーションソフトと、名誉のみにこだわる松本氏のスタンスの違いは、明確と言えよう。結局のところ、補助参加などではなかったのだ。補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触してはならない(民訴45条2項)のだ。

-->
45条2項:補助参加人の訴訟行為
補助参加人の訴訟行為は、被参加人の訴訟行為と抵触するときは、その効力を有しない。

<--

結果、正に西崎氏が映画製作者とは認められず、東北新社への著作権譲渡が認められないとする判決が下される。三共らの完全勝訴と言えよう。しかし、アニメーションソフトや松本氏にとって、この勝ち方がプラスになったのか怪しい。負けた東北新社は、当然控訴した。

なお、東北新社が負けたのは、主張がお粗末だったからで、訴訟の経緯を見れば妥当な判決だ。合意書4条2項に対する東北新社の反論は、酷いとしか言いようがない。

「丙4合意書は,丙4合意が成立するに至る経緯からすれば,原告と補助参加人P1との友好協力関係全般についての精神的,営業政策的観点から作成されたものであり,丙4合意書4条2項も,法律的な意味はない。」だそうだ。

精神的、営業政策的観点から、松本氏をだまくらかしたということだ。そんなことが、よく自ら主張できるものだ。こういった、信義に反するようなことを言うから、勝てないのではないか。

また、遡ればPSソフト裁判の際、著作者人格権侵害を主張する西崎氏に対して、東北新社は西崎氏が著作者ではないと争った。その際、ウエストケープ及びオフィスアカデミーが著作者だと主張したのだ。法人が著作者となる場合とは、職務著作(著作権法15条)の場合しかないことは、「その2」で書いた。ところがパチンコ裁判では、西崎氏が映画製作者だったとするために、ウエストケープ及びオフィスアカデミーは実体のないダミー会社だったと主張したのだ。著作権譲渡契約書に、両社が製作者として表示されていた事実について、何の根拠も示さずに「ダミー会社だから、実態は西崎氏個人が製作者だ」と主張したのだ。ダミー会社だったのなら、正に西崎氏は著作者だったということではないか。まあ、相手が異なれば既判力は及ばないので、訴訟戦略上は、裁判毎に矛盾した主張をするのも自由だ。しかし、過去に自らが利用した証拠で負けるというのは、因果応報というものだ。

控訴の結果は、「その1」で書いた通り、訴訟上の和解(和解3)だ。またしても和解だ。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081215/trl0812152023017-n1.htm

http://www.tfc.co.jp/news/detail.php?reg_id=203

-->

 本和解は、被控訴人らのうち一部の者が東北新社に対して和解金2億5000万円を支払うことを内容とするものです。なお、本和解成立の前提となる当事者間の合意により、本和解金の趣旨等を含むこれ以外の事情について説明することはできませんので、ご理解頂きますようお願い申し上げます。
 東北新社は、日本のアニメーション史に残る不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を正当に保有する会社として、今後も同作品の権利ビジネスを積極的に展開していく意向です。

<--

この発表から想像できることは以下だ。
・被控訴人らのうち一部の者
→アニメーションソフトは、既に一審判決前に解散してしまった会社なので、どう考えても和解金など出せまい。判決と異なり、実効性のない和解など、するはずが無い。すると、必然的に三共ら遊技機メーカーのことだろう。
・本和解金の趣旨等を含むこれ以外の事情について説明することはできません
→和解金の趣旨が、損害賠償金ではない、別の何かかもしれない。
・東北新社は、日本のアニメーション史に残る不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を正当に保有
→著作権譲渡契約の経緯を正当化できたかは怪しい。正当化できたなら、その根拠を公表することが、東北新社にとって最大の利益のはずだ。正当化でき、和解金の趣旨が損害賠償金なら、誰も隠すべき理由がない。堂々と発表しただろう。

wikiでは、東北新社が控訴審で、著作権の包括移転契約の正当性を証明する証拠を提出したとも書かれている
しかし、その情報のソースが示されておらず、にわかに信じられない。

つまり
・著作権取得を論理的に正当化はできないが、著作権者であることを相手方には認めてもらった。
・引き換えに、損害賠償請求は諦め、何か別の、公にすると都合の悪い趣旨で和解金を得たかもしれない。

2億5千万円を損害賠償以外で出費したとしたら、それが支払側にプラスになるケースとは何だ。何かへの出資だろうか...

想像しても無駄だが、いずれ作品が発表される段階で、何かしら明らかになると面白い。


ところで、著作者裁判とPSソフト裁判で、飯村裁判官の下した判決が確定していたら、どうなっていただろうか。もしくは、PSソフト裁判に松本氏が独立当事者参加して、3者に既判力の及ぶ判決が確定していたら、どうだったろうか。西崎氏が著作者であり、東北新社は翻案権の制約を受けない包括的な著作権者であり、それを松本氏も争えないという既判力だ。明らかになっている事実関係を客観的にみて、最も妥当な結論だろう。単純に三共らに既判力が及ばずとも、パチンコ裁判を避けられた可能性もあるかもしれない。そうすれば、とっくに「復活編」は実現していたかもしれない。

ヤマトの訴訟の歴史を振り返ると、先のことを考えず、その場その場で都合の良いように和解し、和解内容を明らかにせず、権利関係を不明確にして無駄な争いを増やしてきたように見えてならない。

パチンコ裁判での東北新社の敗訴は、何にも増して、最悪だった。破産廃止決定された法人に著作権が残っていたとすれば、さぞ、旧債権者らを喜ばせたことだろう。三共らは、東北新社の著作権を否定できたところで、どれ程の価値があったのだろうか。裁判所は、清算人を選任して宇宙戦艦ヤマトの著作権を換価させ、その配当は、旧債権者らに追加配当されたことだろう。そして、新たに著作権者となる者と、三共らの新たな戦いの幕が...否、そうなることが分かっているなら、三共が自ら著作権者となる可能性もあっただろう。それは、宇宙戦艦ヤマトという作品にとって、幸せだったろうか。

作品を生かすも殺すも、権利関係を明確にすべくアドバイスする、弁護士の責任だ。ヤマトと比べ、僅か5年後の作品であるガンダムとの作品数の差、世界の広がりの差は、比較せずにはいられない。もちろん、作品が多ければ良いわけでも、世界が広がれば良いわけでもない。しかし、法的問題が生じる作品と、生じなかった作品の差は、確実に存在する。マクロスも然りだ。

望むべくは、「その1」で示した懸念が、杞憂であって欲しい。和解の内容が、西崎氏にとってマイナスでないことを祈るばかりだ。過去の争いを水に流し、東北新社、西崎氏、松本氏が協力して「復活編」を素晴らしい作品に仕上げてくれれば、ファンにとって最上の喜びとなろう。不安と期待を込めて、待つしかない。「その1」から読んでくれた方は、是非とも不安と期待を共有していただきたい。

最後に、和解後最初の、東北新社許諾による、藤商事によるパチンコ遊技機のサイトへリンクする。
http://www.cryamato2.com/

素晴らしすぎるクオリティではないか。


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090401/327640/
http://www.atmarkit.co.jp/news/200904/02/sgi.html
http://www.sgi.com/company_info/newsroom/press_releases/2009/april/rackable.html
http://www.rackable.com/news/pressrelease.aspx?prid=672

まあ、最近は、何やってる会社か全然分からず、どうして再生したのか謎でしたが、やはり不況のせいですかね。2度目の破産とは...しかも、RACKABLE SYSTEMSなんて、初めて聞いたメーカーだ。日本と違って、あちらにはこういうメーカーって沢山ありますね。それが、懐の深さかもしれない。

しかし、感慨深い。

http://japan.cnet.com/svc/nlt2?id=20390980

先日、サーバトラブルで、たまたま若手のCGデザイナーに、電話でLinux端末にコマンドを打ってくれと指示したら、とんでもなく役に立たなかった。CUIで作業することは、何か特殊技能かと思っているようだった。昔のデザイナーは、皆SGIのワークステーション上で、コマンドも多用して仕事してたんだと説明しながら、ジェネレーションギャップを感じてしまった(苦笑)

入社した当時、INDYやO2で仕事することは、憧れだった。今のCG業界は、間違いなく、SGIがあったから存在する。新人として入社した当時、CG制作は、全てSGIのワークステーション上で行なっていた。WindowsPCの上でCGなんて、無理だと思っていた。しかし今では、誰もがPCでCGを作っている。そして、誰もPCに憧れなんぞ、いだかない。

もう少し、道具を愛せないかな?


その1
その2
その4

西崎原告が、バンダイ、バンダイビジュアル、東北新社らを訴えたPSソフト裁判一審(東京地判平成13年7月2日)において、西崎氏の請求は以下であった。
--
1 被告らは,別紙物件目録1及び2記載の各ゲームソフトを複製,譲渡又は貸与してはならない。
2 被告らは,原告に対し,連帯して金1億円及び内金3000万円に対する平成11年9月15日から,内金7000万円に対する平成12年5月23日から各支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
--
http://tyosaku.hanrei.jp/hanrei/cr/3276.html
http://members.at.infoseek.co.jp/just1bit/yamato/rights/trials.html#2

主な争点は3つ。
1:宇宙戦艦ヤマトの著作者は誰か
2:著作権譲渡契約に、翻案権譲渡と、著作者人格権に基づく請求の放棄が含まれたか
3:著作者人格権侵害に基づく請求をすることは、信義則違反か

このうち、著作者については、3つの訴訟を通して全てで争われている共通の争点だが、PSソフト裁判での裁判所の判断は以下。
「原告は,アニメ作品の制作等を業としていたが,昭和49年から58年に掛けて,テレビないし劇場用映画である本件各著作物を制作,著作した(なお,本訴において,被告らは,本件各著作物の制作過程について,反証を全く行っていないが,このような弁論の全趣旨に照らして,上記のように認定した。)。」

西崎氏の著作者人格権を否定したい東北新社らは、この点にろくな反証をしなかった。著作権譲渡契約時の添付書類の記述と、作品中のクレジット表記のみから、ウエストケープとオフィスアカデミーが著作者だ、としか反証しなかったのだ。著作者を本気で争うのなら、裁判所の言うように、制作過程に関する西崎氏の主張を潰す必要があったはずだ。「書いてあったから著作者だ」などという反証は、とても本気の反証ではない。

後のパチンコ裁判では、裁判所こそがそのような理由を使う。しかしこの時点では、この裁判と平行して係属していた、「その2」で取り上げた著作者裁判を無視できない。タイムラインにまとめてみた。


PSソフト裁判と著作者裁判は、僅か1ヶ月程の時間差で始まり、共に、同じ著作物の著作者人格権侵害が争われていたのだ。

両方の当事者であった西崎氏の代理人弁護士は、どちらも共通の面子の6名だし、PSソフト裁判のバンダイビジュアルの代理人弁護士は、著作者裁判の松本氏の復代理人弁護士を務めている。しかも、同じ東京地裁民事第29部であり、裁判官は3名中の2名が重複し、その一人は両訴訟に裁判長裁判官として関わった飯村敏明氏だった。

これだけ重複していながら、同じ争点を含む訴訟を別々に争い、別々に和解し、他方の和解内容に一方の当事者が苦言を呈するような状況とは、一体なんだ?

二当事者間で係属している訴訟に、第三者が新たに共同訴訟人として参加する、主観的追加的併合という方法がある。しかし、これは最判(昭和62年7月17日)が否定しているので、難しい。それでも、問題の早期解決を本当に望むのであれば、主観的追加的民訴法152条によって、弁論併合の申し出でを促し、裁判は一つにされても良かった。裁判官は、訴訟経済を無視した当事者らの茶番を、どう思っていたのだろうか。

「反証を全く行なっていない」などと括弧書きしたのも、皮肉かもしれない。何しろ、仮に東北新社らの反証が認められてしまえば、間違いなく2つの裁判は矛盾してしまう状況だったのだ。併合もせずに別々に争いながら、手抜きな反証を見せられたら、裁判官だって「何やってんの、あんたら?」と言いたいところだろう。

もしもPSソフト裁判で東北新社らの反証が認められ、ウエストケープ及びオフィスアカデミーが著作者となり、著作者裁判では西崎氏が著作者と認められていたなら、民事訴訟法的には全く問題なく、矛盾した事実認定に基づいた判決が、同じ裁判官から出るところであった。松本氏が著作者と認められていた場合も同様であることは、後述する。

せっかく矛盾しない判決がなされたが、共に控訴審段階で和解に至り、飯村裁判官の苦労?も無に帰するのだが、その結果が後のパチンコ裁判で影響することなど、因果応報である。


ここで、東北新社の真意を想像するのに、西崎氏が著作者人格権侵害を訴える元になった著作物の、PSソフトの表記を確認してみよう。
>(C)松本零士/東北新社・バイダイビジュアル
何故か松本氏の名前が...

もしもこれが、
>(C)東北新社・バイダイビジュアル
であったなら、西崎氏の気持ちも違っただろう。

当時の東北新社は、松本氏を著作者の一人と真に信じていた可能性もあるようだ。以下は、本エントリー「その1」にいただいたコメントから訪問した、「9の部屋」さんのサイトだ。
http://www.newyamato.com/main3.htm
http://www.newyamato.com/main3_tfcem.htm

(C)表記自体は、無方式主義のベルヌ条約加盟国である日本では、そもそも法的な意味はない。そんなことを書かずとも著作権は保護されるのであって、(C)表記をするのは、それに意味があるという誤解に基づく単なる慣行である場合が多い。(万国著作権条約のみに加盟する無方式主義の国(かつてのアメリカ)で著作物を保護する場合には、意味がある。)

別に、松本氏が著作者であろうと、映画製作に参加している以上著作権は映画製作者に帰属している。誰であろうと、著作者人格権侵害などと騒がないでくれれば良い。しかし、松本氏のみが著作者で、西崎氏もウエストケープもオフィスアカデミーも著作者でないとなると、西崎氏との著作権譲渡契約の記載に反してしまい、よろしくない。東北新社としては、ウエストケープとオフィスアカデミーという法人も著作者であって欲しいが、その為には、西崎氏が著作者的に関わり、それが職務著作として法人に帰属している必要がある。ところが松本氏は、"自身のみ"が著作者だと言い出してしまった。

この矛盾が、主観的追加的弁論併合をされなかった理由の一つではないだろうか。収拾がつかない。収拾をつけるということは、松本氏と完全に敵対することを意味するが、まだこの段階ではその気もない。東北新社としては

著作者:ウエストケープ及びオフィスアカデミー(+松本氏)
著作権:西崎氏から、東北新社へ譲渡

としたいが、PSソフト裁判と著作者裁判からは、どう頑張っても合一的にこの結論は導けない。

東北新社がそんな状況に置かれたのは、遡れば、西崎氏から東北新社への著作権譲渡契約の記載が不適切だったからに他ならない。(西崎氏が著作権者でありながら、法人が著作者であるという記述があり、その関係が生じるには、法人から著作権が西崎氏個人に譲渡されたこと以外にない。しかし、著作権を法人が個人に譲渡することなど、何か特段の事情でもなければあり得ない話だ。にも関わらず、その西崎氏個人から著作権譲渡を受けたことで、後のパチンコ裁判一審での敗訴につながる。)

さて、前置きが長くなったが、PSソフト裁判の和解を見てみよう。
●和解2:平成16年5月28日 PSソフト裁判 訴訟上の和解
http://web.archive.org/web/20070515052223/http://www.enagio.com/release/old.html#040712
--
「宇宙戦艦ヤマト・復活篇」発進 2004.7.12
かねてより、「宇宙戦艦ヤマト」のゲームに関する著作者人格権問題で、係争状態にりました西崎義展(本名:弘文)(株)東北新社、(株)バンダイ、バンダイビジュアル(株)の三社は、5月28日、 東京高等裁判所民事法廷において西崎義展の控訴取り下げによる和解が成立しました。
この和解調書の中で、西崎義展が「宇宙戦艦ヤマト」の著作者である旨を公表しても反意を唱えない事が確認され、三社は了承しました。
 
これにより、西崎義展が新作の制作を 全面的に委託している(株)エナジオは、劇場用アニメ「新宇宙戦艦ヤマト 復活篇」(仮題)の 制作について、「宇宙戦艦ヤマト」の著作権者である(株)東北新社と協議に入りました。
--

この和解については、上記の西崎氏側の発表しか情報源がない。東北新社側は、和解について何も発表しなかったようだ。これを、裁判外の和解だと評しているブログを散見するが、その根拠は不明だ。

・法廷で
・控訴取り下げ
・和解調書が存在

ただ、これは矛盾も感じる。控訴した西崎氏が控訴を取り下げたなら、単に一審確定で西崎氏敗訴なので、和解ではないように思える。しかし、法廷で和解が成立し、和解調書が作成されている以上、訴訟上の和解であることは間違いない。実務は、和解を広く認めているであろうから、控訴取下げを条件とした訴訟上の和解というのも可能であるかもしれない。しかし、論理的に民訴法に反しない解釈としては、訴えの取り下げを控訴取り下げと混同して発表したのかもしれない。

和解条件として判明しているのは、「西崎義展が「宇宙戦艦ヤマト」の著作者である旨を公表しても反意を唱えない」ことのみで、「新宇宙戦艦ヤマト 復活篇」に関する東北新社との何らかの約束を得たであろうことは推測するしかない。そのためには、前後の動きが重要だろう。

「その2」に書いた通り、著作者裁判での西崎氏と松本氏の「和解1」の内容は、東北新社にとって想定外であったことが伺える。そして、PSソフト裁判一審では完全に苦境に陥っていたはずの西崎氏の立場が、著作者裁判の「和解1」で蘇った。松本氏側は、「和解1」に則り、宇宙戦艦ヤマトとは別物作品として、OVA「大ヤマト零号」のDVD発売を開始する。DVD第一巻の発売が3月31日、第二巻が5月10日と続き、5月28日にPSソフト裁判は和解(和解2)する。そして6月、三共ら松本氏側を相手取ったパチンコ裁判を、東北新社は提起したのだ。

東北新社は、和解1の前は松本氏に宇宙戦艦ヤマトの続編を作らせようとしてきた。しかし、和解1の後は、完全にコントロールの利かななくなった松本氏を、間接的に牽制する必要性を感じ始めた。ベンチャーソフトなどと組んで「大ヤマト零号」なぞ作ってしまう松本氏よりも、どうせ獄中でろくな活動ができない西崎氏に、著作者だと公表するくらい許してやる方が、遥かにマシだ。しかも西崎氏は、正当なヤマトの続編しか作る気が無い。元々、著作者人格権侵害などと言ってこなければ、西崎氏と争うべき理由などなかったはずだ...

そして、7月12日のエナジオのニュースリリース後の動きは以下だ。
7月20日:2006年の復活編公開が、新聞メディア等で取り上げられる。
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_07/g2004072003.html
http://web.archive.org/web/20040720055515/http://www.asahi.com/culture/update/0720/003.html
7月24日:蚊帳の外におかれることが正しいのに、松本氏にコメントを求めた、事情を知らない間抜けな記事が出る。
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_07/g2004072406.html
7月26日:松本氏が復活編に無関係であることが正しい証拠ととして、1年前の「和解1」の全てをエナジオが公表。
http://web.archive.org/web/20070515052223/http://www.enagio.com/release/old.html#040726


西崎氏としても、和解に価値があった。PSソフト裁判一審判決からは、自分が復活編を製作できる勝算は低い。しかも、最初の覚醒剤事件の刑期は満了したが、その後の銃刀法違反事件の上告が棄却され、5年6ヶ月の実刑が確定してしまった。獄中からできることは限られるし、(C)表記から松本氏の名前が消えるなら、PSソフト裁判で著作者人格権侵害を争い続ける意義も減少した。東北新社は、復活編について協議してくれるというし、松本氏に許したことと、三共らの作ったパチンコ遊技機の実際は、かなりかけ離れ、和解1に反する内容にもなっているようだから、パチンコ裁判を提起するなら敵ではない。

おいおい、歌が、まんま、宇宙戦艦ヤマト言うとるやんけ!

後は、東北新社がパチンコ裁判で請求認容判決を得るのを待って、復活編を...のはずだったろうか。ところが2006年、東北新社は三共らに負けてしまったのだ...


その1
その3
その4

ヤマト関連訴訟という場合、重要なのは4つあり、更に著作権に関する物となると3つある。そして、その3つ全てが、一審の終局判決後、控訴審段階で和解が成立している。2つ1つは裁判外の和解、1つ2つは訴訟上の和解だ。
http://members.at.infoseek.co.jp/just1bit/yamato/rights/history.html
上記サイトで、PSソフト裁判、著作者裁判、パチンコ裁判と表現されているものだ。

訴訟提起の順番としては、PSソフト裁判、著作者裁判、パチンコ裁判なのだが、和解の順番としては、著作者裁判、PSソフト裁判、パチンコ裁判だったので、まずは著作者裁判の和解から取り上げる。

★和解1:平成15年7月29日 訴えの取下げによる裁判外の和解★
著作者人格権の所在、つまりは著作者は誰かを争った、松本原告v.s.西崎被告の一審判決(東京地判平成14年3月25日)は、西崎氏の完全勝利だった。「映画の著作物」たる一連の8作品(最初のTVシリーズから、劇場版の完結編まで)のモダンオーサーは西崎氏であることが、詳細な事実認定から明らかにされた。この裁判は、現著作権法16条(映画の著作物の著作者)の適用による事例判断をした初めての事案として、著作権法の世界では有名な事件だ。松本氏は控訴した。

ところが翌年、完全勝利だった西崎氏が譲歩する内容で、裁判外での和解が成立した。これによって、訴訟係属そのものが遡及的に消滅した。民事訴訟法292条(控訴の取下げ)が準用する262条(訴えの取下げの効果)によって、取り下げられた訴えは、最初から係属していなかったものとみなされる。一審判決は、ヤマトの実際の権利関係とは離れて、純粋に著作権法を学ぶための事例としてしか、意味を持たなくなったのだ。しかし、一審の終局判決の後に訴えを取り下げた者は、もう同じ訴えを提起できない。再審の禁止(民訴法262条2項)という効果のみが、当事者に残った。

なお、何をもって同じ訴えと見るかは、実は法的には厄介な問題ではある。訴訟物が同一であれば、原則として同一の訴えとみなされるが、後訴の提起時に訴えの提起を必要とする合理的事情が存在すれば、同一の訴えとはみなされない(最判昭和52年7月19日、百選(3版)99事件)。よって必ずしも、この問題が再審できないわけではない、とだけ付言しておく。

この和解内容については、一時期その全文が、西崎氏の息子が代表取締役を務めるエナジオのホームページで公表されていたが、現在は削除されてしまっているようだ。しかし、Internet Archiveには、残っていた。
当時のニュースリリースページ
和解書PDF
確認書PDF

ぼかされているのは、氏名・住所などの部分だろう。また、和解書における「別件映画」とは、過去の宇宙戦艦ヤマトの8作品(TVシリーズから、劇場版の完結編まで)のことであろう。

この和解には、西崎、松本両名以外に、株式会社ベンチャーソフトという会社が加わっているので、少し触れておく。この会社は、平成11年7月23日設立の株式会社レイジ・マツモト・アソシエイツが、同年12月14日に商号変更して生まれ、平成12年1月の松本氏の誕生パーティと共に設立発表されている。
http://homepage1.nifty.com/akk-yihitk/reishi.htm
http://yasai.2ch.net/venture/kako/987/987922146.html
(香ばしい...少し懐かしい部分も(苦笑))
翌平成13年、江守商事と共に、ヴィームを設立(平成16年11月解散)。
http://www.emori.co.jp/ir/enpri_report_46/03.html
そして、平成17年12月1日にはアニメーションソフトと商号変更し、翌18年6月19日解散した。

この解散の煽りを食らったのが、OVA「大YAMATO零号」だ。

その後、紆余曲折あって、やっとDVD-BOXが発売されたが、一般市場向けには、なんと昨年10月24日に発売されたばかりだ。時期的に、東北新社のパチンコ裁判の和解を前提にしていたことは間違いないだろう。
http://www.daiyamato-box.com/

つまり、和解書に出てくる「大銀河シリーズ 大ヤマト編」という松本氏側のヤマトは、結果的に「大YAMATO零号」となった。しかし、ベンチャーソフトが作ろうとしていたのは、本当は別のヤマトだった。
http://web.archive.org/web/20020206062040/http://www.venturesoft.co.jp/news/newsrelease/2002/y20020125-1.htm

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88

何故、松本氏が小学館で連載していた「新宇宙戦艦ヤマト(グレートヤマト)」ではなく、「大YAMATO零号」になったのかは、和解書の第5項を読めば分かる。松本氏&ベンチャーソフトは、過去の宇宙戦艦ヤマトと無関係な作品しか、西崎氏に製作を許されなかったのだ。だから、過去のヤマトと無関係な新作として、「大YAMATO零号」を作った。

しかし、この和解の遥か前の平成11年1月25日、松本氏は東北新社との間で、「宇宙戦艦ヤマト等に関する合意書」を交わしていることが、パチンコ裁判の中で判明している。
合意書の4条には、以下の記述がある。(甲=松本氏、乙=東北新社)
--
1項
「甲は,乙の対象作品に関する上記の権利の行使が円滑に行われるように,全面的に協力する。」
2項
「乙は,甲がヤマト作品に関連する新作の企画を希望する場合,これに全面的に協力する。ただし,甲は,乙に対し事前に企画内容の詳細を通知し,説明する。」
--

つまり松本氏は、自らが正当な著作者であったかどうかなど関係なく、著作権者たる東北新社との間で、既に宇宙戦艦ヤマトの二次的著作物たる「新宇宙戦艦ヤマト」を作る際の、何らかの協力関係を築いていたのだ。この合意の4日前、平成11年1月21日に、西崎氏の覚醒剤事件の控訴が棄却されている。ベンチャーソフトは、正にその合意のできた年に設立された会社であり、レイジ・マツモト・アソシエイツは設立1ヵ月後に、松本氏と、「新宇宙戦艦ヤマト」の映像化等の契約を締結している。

西崎氏の有罪が確実となった時点で、著作権者たる東北新社は、松本氏と組む選択をしたのだろう。ダークなイメージの西崎氏ではなく、松本氏が著作者である方が、新作の宣伝には適している。つまり、西崎氏は、東北新社から切り捨てられたのではないか?

遡れば、平成9年12月に、西崎氏は最初の覚醒剤取締法違反で逮捕され、翌10年3月公開の劇場作品「銀河鉄道999エターナル・ファンタジー」に、最後にほんの少しだけ、宇宙戦艦ヤマトそのものが出ていた。(この映画は大外れだったが、デジハリ時代の知り合いが就職先でCGを担当していて、煙のパーティクル表現のレンダリングが重くて重くて大変だと聞かされていたが、案の定、煙というよりエクトプラズム?というような、酷い煙になっていた。)これは、松本氏の意向に沿った作品だが、東映アニメーションの劇場作品にヤマトを出すには、どう考えても、著作権者たる東北新社の許諾を得たはずだ。

つまり、西崎氏のイメージダウンと反比例する形で、イメージの良い松本氏がヤマトの新作を作ることを、著作権者たる東北新社はバックアップしてきた経緯が見て取れる。

にもかかわらず、和解によって、松本氏による宇宙戦艦ヤマトの続編製作の道が封印され、西崎氏による復活編の製作が、逆に合意されてしまったのだ。続編を作って欲しい相手がパチモンを作り、作って欲しくない相手が続編を作るという合意だ。とても著作権者として、納得できる結果ではない。

西崎氏からすれば、松本氏が著作者でないという一審判決が出たところで、実は大した意味がなかった。

http://web.archive.org/web/20020401221821/http://www.venturesoft.co.jp/news/newsrelease/2002/y20020329-1.htm

そんなことと無関係に、著作権者たる東北新社が松本氏に許諾を与えて、続編を作らせようという動きが存在する以上、松本氏が続編を製作できない判決が必要だった。しかし、そんな判決は出るはずがない。すると、一見西崎氏が譲歩したかに見える和解内容が、西崎氏にとっては、一審判決よりもベストな答えだったのだ。

この和解に対して東北新社は、プレスリリースで反論した。

http://web.archive.org/web/20031203222016/http://www.tfc.co.jp/news/030806.html
http://members.at.infoseek.co.jp/just1bit/yamato/rights/recon3.html#tfc
東北新社の複雑な心境が読み取れると言うと、深読みし過ぎだろうか?

字面では西崎・松本両者の作品を同等に否定しているのだが、それに伴う行動は起こしていない。
逆に、松本氏が「大銀河シリーズ 大ヤマト編」を製作することについて、「松本零士氏は、株式会社東北新社から新作製作についての全面的な協力合意を得ております」とのベンチャーソフトのプレスリリースがあるわけだ。
確かに、「大YAMATO零号」のDVDが、販売差止請求されたなどという話は聞いたことがない。

更に言うと、松本氏の漫画は、東北新社の著作物の二次的著作物だ。松本氏がその続編漫画を公表するなら、東北新社の許諾が必要だ。小学館のサイトからは、当時からずっと、「新宇宙戦艦ヤマト(グレートヤマト)」の一部が公衆送信され続けている。まさか、こっそり同人誌を作って、無許諾で公開しているわけではないだろう。
http://ginga999.shogakukan.co.jp/yamato/

東北新社は、松本氏に続編を作らせようと、長らく考えていたのだろう。

-----以下、蛇足的だが、和解書と確認書についてもう少し詳しく見たい人のために、著作権法を16、15、29条の順におさらいしておく。

--
16条:映画の著作物の著作者
映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。
--

映画の著作物とは、絵や音楽などの一般的な著作物とは、著作権法上の扱いが異なる。前者の著作者をモダンオーサー、後者の著作者をクラシカルオーサーと呼び、16条でその分担を明確にしている。映画のように、多人数が創作に関わる著作物では、それら全員を共同著作者としてしまっては、何をするにも全員の許諾を求める必要が生じ、実質上著作物の円滑な運用を阻害する。特に映画は、商業目的に製作される場合を念頭に置いており、権利関係の簡略化の要請が強い。そこで、「全体的形成に創作的に寄与した者」のみを、映画の著作物の著作者に限定した。映画の著作物の元となる、原作小説やら音楽やら、アニメなら原画やら、個々の著作物(複製ないし翻案される原著作物)の著作者(クラシカルオーサー)は、映画の著作物の著作者から除外されたのだ。
しかし、モダンオーサーから除外されても、クラシカルオーサーにとって映画の著作物は、自らの著作物の二次的著作物に該当するので、映画の著作者に認められる著作権(21~28条)と同等の権利を持ってしまう。よって、事前の契約によって、これを制限する特約を盛り込むことが、映画の著作物の円滑な利用には重要となる。

例えば、最初の「宇宙戦艦ヤマト」TVシリーズの次に、これを再編集した最初の劇場版「宇宙戦艦ヤマト」が西崎氏によって公開された。この際、松本氏は劇場版に関わっていないのだが、その大ヒットを知り、公開から一週間後になって、西崎氏に対価の支払いを求めた。そして西崎氏は、これを争わずに1000万円支払った。
当事者達が意識していたかは知らないが、松本氏が、映画の著作物たるTVシリーズのクラシカルオーサーであったなら、その二次的著作物である劇場版に対して、この様な請求をすることが可能なわけだ。現在なら、この様な要求をクラシカルオーサーにさせないため、事前に権利行使を制限する特約を盛り込んだ契約書が交わされるだろう。

--
15条1項:職務上作成する著作物の著作者
法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
--

15条1項は、職務著作を規定している。「使用者の発意」「使用者の業務に従事する者」「職務上作成されたもの」「使用者の名義」「契約、勤務規則その他に別段の定め」という要件で、自然人でない法人を著作者とする。これは、単に著作権を法人が得るのと異なり、著作者人格権まで法人が得るので、実際に創作したはずの自然人には何も残らない。

16条でモダンオーサーとなるべき監督やプロデューサーも、所属する映画製作会社の仕事として関わった場合、15条1項で自動的に、著作者としての立場を法人に奪われる(という表現は語弊があるが)。

ところが、フリーランスの監督が、委託されて映画の著作物の製作に参加した場合、15条1項は使えない。そこで出てくるのが、29条1項だ。

--
29条1項:映画の著作物の著作権の帰属
映画の著作物(第十五条第一項、次項又は第三項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。
--

映画製作に参加を約束すると、外部の監督でも、著作権だけは映画製作会社に奪われる。残るのは著作者としての著作者人格権のみだが、映画製作に参加する場合の契約書では、著作者人格権の不行使特約が盛り込まれるのが通常だ。つまり、ちゃんと契約書があれば、本来の著作者は何もできない。契約書がなくとも、映画の著作物の著作権は、全て映画製作会社に集まる。映画の著作物とは、これほど特殊な扱いを受ける著作物なのだ。


----では戻って、和解書の第4項と確認書を見てみよう。
和解書第4項は、西崎氏と松本氏の両名はモダンオーサーで、加えて松本氏は、クラシカルオーサーでもあるという内容だ。そして、確認書の第1項で、クラシカルオーサーの著作権行使を制限している。

8作品のうち、公開当時の表記としては、
1「宇宙戦艦ヤマト」TVシリーズ(昭和49年10月6日~50年3月30日)
2「宇宙戦艦ヤマト」劇場版(昭和52年8月6日)
3「さらば宇宙戦艦ヤマト」(昭和53年8月5日)
4「宇宙戦艦ヤマト2」TVシリーズ(昭和53年10月14日~54年4月7日)
5「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」(昭和54年7月31日)
6「ヤマトよ永遠に」(昭和55年8月2日)
→オフィス・アカデミー
7「宇宙戦艦ヤマトIII」(昭和55年10月11日~56年4月4日)
→東京動画
8「宇宙戦艦ヤマト・完結編35mm」(昭和58年3月19日)
 「宇宙戦艦ヤマト・完結編70mm」(昭和58年11月5日)
→ウエスト・ケープ・コーポレーション
が製作会社のようだが、後の訴訟で提出された東北新社への著作権譲渡契約時の資料では、6・7・8がウエスト・ケープ、1~5がオフィス・アカデミーの著作物を著作者とされていた。異なる理由は知らない。

問題は、西崎氏が映画製作者であったか、法人が映画製作者であったかで、職務著作の帰属が変わってしまう点だ。
オフィス・アカデミーにしても、ウエスト・ケープにしても、西崎氏自身の会社だ(ウエスト=西、ケープ=岬...つまり西崎氏の苗字)。個人と法人が一体的であることが、厄介な問題を生む。

実は、この和解の3ヶ月前に、角川映画著作権確認事件(東京地判平成15年4月23日)というのがあった。
いわゆる角川映画の製作者は、角川春樹氏ではなく、春樹事務所又は角川書店だとされた判決だ。角川春樹氏の主張では、契約書では春樹事務所が映画製作の当事者として記名捺印しているが、同事務所の法人格は形骸化しており、自身と同一であり、契約の主体は実質的に角川春樹個人であるというものだった。しかし裁判所は、法人こそが映画製作者だと判決した。詳細な理由は省くが、気になる人は調べてみると良い。

ヤマトの著作者が誰かという問題も、西崎氏とその個人会社の法人格の問題であり、上記判例は見過ごせないはずだ。しかし、和解書によれば、西崎氏個人がモダンオーサーとされており、映画製作者が自身であったというのが、西崎氏の認識であったことがうかがえる。西崎氏がモダンオーサーであったという前提に立つなら、著作権は当初、西崎氏個人に集中し、その後、法人に譲渡されたかどうかという問題になる。

松本氏は、業務委託を受けている立場なので、モダンオーサーにはなれるが、映画製作者が西崎氏だろうと、法人だろうと、どのみち29条1項で著作権は無いだろう。二人がモダンオーサーである以上、二人から著作者人格権は奪えない。しかし、権利行使を制限することはできる。そこで、西崎氏のみが著作者人格権を行使できるという内容で和解した。


東北新社は平成8年12月20日に、当該著作権を包括的に譲渡された立場だったが、西崎氏個人からなのか、オフィス・アカデミーやウエスト・ケープという法人からの譲渡だったのかが、パチンコ裁判では問題になった。しかし、問題になった原因の一端は、この和解書の記述の曖昧さから、西崎氏の認識にあったのではないかと思えなくもない。

もちろん東北新社のプレスリリースでは、「1996年12月20日に西崎氏本人(氏の関連会社も連帯)から譲渡を受け」という書き方でフォローしている。著作権者の可能性のある者全てが連帯して著作権譲渡した、ということを主張しているのだ。この契約内容も、以下に紹介されている。(素晴らしいですね)
http://members.at.infoseek.co.jp/just1bit/yamato/rights/contract199612.html

ちなみに、この10条はやはり重要に思えるのだが、パチンコ裁判において被告側から主張されたにも関わらず、裁判所の判断には至らなかった。

んーー、長いな...続く...か?

その2
その3
その4

東京国際アニメフェア2009にて、
http://www.tokyoanime.jp/ja/

東北新社によって、宇宙戦艦ヤマトの新作劇場版が、年内公開とアナウンスされた。

http://www.oricon.co.jp/news/confidence/64286/full/
http://animeanime.jp/news/archives/2009/03/post_704.html
http://www.gigazine.net/index.php?/news/comments/20090318_taf2009_yamato/

今年のアニメフェアには、うちの会社は出展していないので、間接的に報道されている事実しか知らないけれど、ヤマトファンの"大きなお友達"には、嬉しい知らせだろう。ところが、ヤマトの著作権を巡る長年の争いを一度でも調べたことがある者なら、決して安心できるような発表ではない。

何故なら、今回の発表された新作のストーリーは、1994年(バンダイビジュアルから発売の宣伝用VHS・LD、「宇宙戦艦ヤマト胎動編 ヤマトわが心の不滅の艦」)から西崎氏が何度も製作しようとしてきた、「復活編」と呼ばれる新作のソレそのものにしか見えないからだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88_%E5%BE%A9%E6%B4%BB%E7%B7%A8

http://www.geocities.jp/space_battle_ship_yamato_200x/yamato.html

http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_07/g2004072003.html

http://www.j-cast.com/2006/10/02003179.html

ニコニコには、当時公表された動画まで上がっている。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4171760


ところが、今回の東北新社の発表に関する報道に、西崎氏の名前が無い。しかし、松本氏の名前はある。

単に、報道に抜けているだけなら良いが、過去にこれだけ話題になってきた人物の名前があれば、記者が書き落とすとは思えない。東北新社のホームページを見ても、まだ新作に関するニュースリリースも無いので、これ以上のことが分からない...


さて、この不安を共有してもらう(自分だけ不安なのは悔しい)には、その問題認識の前提となる、事の経緯を知る必要があるだろう。しかし、はっきり言って、ヤマト関連の醜い争いを一から説明すると大変なことになるので、経緯を知らない方は、2006年末の時点までをまとめられているブログや
http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/ClapHand/eid/411972/cid/25910/

以下のサイトをどうぞ。
http://members.at.infoseek.co.jp/just1bit/yamato/rights/history.html


問題は、東北新社が三共などに負けた一審判決:東京地裁平成18年12月27日

http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=1274

http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=1275

の後だ。なんと昨年末、この訴訟"も"控訴審途中で和解してしまったわけだ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081215/trl0812152023017-n1.htm

http://www.tfc.co.jp/news/detail.php?reg_id=203


しかも、一審で負けた東北新社が、和解金2億5000万円を得るという大逆転の内容に、誰もが驚いたはずだ。



一審判決から後、和解までの間、最初の劇場公開から30周年を迎えたヤマト周辺の動きは活発だった(一審係属中と思われる、TVシリーズ開始から30周年の時と比べて)。

http://lalabitmarket.channel.or.jp/site/feature/yamato_helmet.html

http://lalabitmarket.channel.or.jp/site/feature/deslar_wine.html

DVD-BOXや、関連グッズの発売が続いた。

  平成19年8月     平成20年2月

東北新社の文字もある宣伝ページに、西崎氏のメッセージが写真付きで公開されているのに、松本氏が一切触れられていないのが印象的だった。
http://www.dot-anime.com/tb/yamato/

そして8月、西崎氏自身が、正に今回東北新社の発表しているストーリーと同じ内容で、新作の製作を発表したばかりだったわけだ。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/08/01/13.html

http://eiga.com/buzz/20080804/1

この時点で
>今回は西崎氏曰く「全てがクリアに」なっての再始動だ。

と書かれていたのが気になっていた。和解の結論が予定されていたのだろうか?

しかし、当時の予定では、エナジオが中心となって製作される予定だったわけで、何か西崎氏の想定とは違ったことになっているのではないだろうか?

東北新社の和解は、西崎氏の想定の内か外だったのか、非常に気になる。


実は、ヤマトの著作権問題をややこしくしている理由の一つが、この控訴審段階での和解の繰り返しだ。

和解のもたらした弊害については、次のエントリーとしよう。

今年の末に運行予定の、世界最大のクルーズシップが凄い
http://www.i-net-japan.co.jp/voyager/2008-07-18.html
http://www.cruiseplanet.co.jp/ship_date/dt_rci_oasis.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA

もう、画像とか見ても、スケール感が伝わらないのだけど、22万トンというのは、非常識にデカイ。乗客定員が5400人とか、もうこれは、ちょっとした街だ。5400人を毎日飽きさせない、エンターテインメント・シティなわけだ。以前、7万トンのメガシップでクルーズしたことはあるが、それでも十分に凄かった。その3倍以上とか、もうよく分からない。このオアシス・オブ・ザ・シーズという船は、18デッキまである。もう、そびえ立つビルじゃないかw

クルーズというと、日本人は費用が高いと誤解するけれど、海外のクルーズは安い。オアシス・オブ・ザ・シーズの価格表を見たところ、時期と部屋ランクによっては、7泊のクルーズで、最低で1泊換算すると1万円程度のプランがある。クルーズでは、船上の食事やエンターテインメントが、基本料金に含まれるので、普通に海外旅行でホテルに宿泊し、レストランで食事をする場合と比べても、全然高くない。フルコースの正装でのディナーなどが、この金額に含まれるわけだ。(最新装備の新造船でこの価格だから、既存の一般的なメガシップのクルーズでは、もっと安いプランがいくらでもある。)

しかも、船が移動するわけで、余計な交通費も無しに、様々な国に寄航する。こんなお得な旅はない。この金額は、一室2名の場合の1名分の金額だから、2人なら倍になるけれど、3・4人の場合の単価は、更に安くなる。海外の船籍なので、カジノもあるから、毎日稼げるw

この、動くアミューズメント施設は、逃げ場の無い5400人の乗客と共に移動するのであって、立地条件に相当する条件としては、これ以上恵まれたものはないだろう。そういうところにコンテンツを提供できると、面白い話になる。

この船の初航海の年末には、不況から需要が回復するだろうか?
乗組員が何名か分からないが、動く巨大な雇用施設でもあるだろう。

http://www.oasisoftheseas.com
http://www.oasisoftheseas.com/thumbGallery.php

蛇足:
比較ではないが、こんな船がある。
http://www.residensea.jp
これは、船室を所有する定住型の、マンション分譲型の豪華客船だ。正確には、2072年までの占有権ということになっている。一体、どういう人が住んでいるのだろうか...


Las Vegas

自己紹介

アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうちエンターテインメントカテゴリに属しているものが含まれています。

次のカテゴリはコンピュータです。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.23-ja