観光立国は遠い

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http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=40071&reminder090304_03

>総務省は3月3日、国土交通省と法務省に対して、入国審査の待ち時間の短縮や宿泊施設での外国語対応の充実などについて改善を勧告した。

総務省の人々は、海外旅行をしたことないのか?
母国語が使えるかどうかで、旅行先を選ぶ観光客なんて、いったいどれだけ居るんだよ。
ましてや、入国審査の時間によって旅行先を選ぶ観光客なんて、皆無だろ。

例えば、リピーターが多い観光地としてラスベガスが有名だけど、ラスベガスに行きたい人間は、アメリカの入国審査で1時間待たされようと、母国語が通じなかろうと、ラスベガスに行きたいんだよ。

パリに行きたい人間は、現地で日本語はおろか、英語を無視されようと、パリに行くんだよ。

外国語対応と入国審査時間改善てのは、観光客の意見と別個の、勝手に役人が立てた、無意味な達成目標じゃないか。そんな、役に立たない目標を掲げて達成したって、観光客は増えない。

http://www.soumu.go.jp/s-news/2009/090303_1_bs.html
http://www.soumu.go.jp/s-news/2009/pdf/090303_1_bs06.pdf
このPDFの、P116を見たら分かる。
訪日前の日本の印象と訪日後の日本の印象の変化だ。

なんと、ほとんどの否定的イメージは、1%前後しかない。物価が高いことに対する11.1%というのが最大だし、訪日後に最もイメージが悪化した言語障壁だって、たった4.5%だ。この結果を普通に考えたら、外国人旅行者は、ほとんど日本に否定的なイメージが無い、ということになる。逆に、95.5%の外国人は、否定的な言語障壁が存在しないと回答しているに等しいのではないか?
にもかかわらず総務省は、無駄な改善目標を達成しろというわけだ。正に、お役所仕事ではないか。
恐らく、観光庁をかかえる国交省は、そんなことは分かっているだろう。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/
(写真の中心あたりに、中田が写ってる!)

そもそも、こんな評価だって存在する。
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/03/02/024/index.html
http://www.wanderlust.co.uk/article.php?page_id=2403
97.42%が満足し、日本が1位だ。そりゃ、英語は使える場面が多いから、英語圏からの旅行者の満足が高いのは当然かもしれない。しかし、それにしてもだ。

よく考えてみよう。日本に来る観光客は、ほとんど満足して帰国しているけれど、リピーターにならないのだとしたら?

答えは、「一度で満足できちゃう程度の観光資源しかないから」ではないか?

いや、そもそも、リピーターを増やそうとかいう以前に、未訪問の外国人に、訪日しようと思わせることから失敗してるのであって、年間1000万人を目指すなら、リピーター対策なんて後回しで十分なのではないか?

初訪日を増やすため、海外で日本のアピールに失敗してるのは、外務省だ。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/shingikai/koryu/h18_sokai/05hokoku.html
http://beauty.oricon.co.jp/news/63622/full/
そして、仮に100歩譲ってポップカルチャーの宣伝に成功しているとして、それで日本にやってくる外国人は、地方都市に行くはずがない。行くはずがない地方都市に言語障壁があろうと、そんなの関係ねーのだ。縦割りとは恐ろしい。

>国際観光ホテルの登録施設で、調査に対して2007年に外国人旅行者を受け入れたと答えた1560件のうち、22.9%が外国語による接遇を「行っていないし、行う予定もない」と回答した。また、外国語による施設の案内表示や情報提供の有無を聞いた質問では、「行っていないし、行う予定もない」が 20.9%であった。

それはそれで、認定方法に問題があるのかもしれないが、政策の目標である「外国人観光客年間1000万人」を達成する上では、些細な問題に思うわけだ。何しろ、そこに不満を持って帰る外国人は、4.5%なのだから。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2009/pdf/090303_1_bs05.pdf
P44で、台湾の旅行業者から指摘されてることは、確かに問題だ。
外国人観光客を受け入れることに否定的な、地方の宿泊施設は、確かにあるだろう。たまに、外国人の宿泊を断ったりして、問題にもなっている。しかし、望まない業界に押し付けてどうする。地方が差別的だったりすることだって、いきなり改善は不可能だ。

もっとも、調査そのものが古いのであって、今の不況の中なら、受入れに前向きな業者は増えている可能性も高い。こういった古い調査を今頃使うこと自体、どうにかしているのだが...

あぁ、観光庁よ、縦割りを崩して、ガンバレ。

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このページは、ranpouが2009年3月 4日 20:25に書いたブログ記事です。

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