野田政権の外交

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「米議員、イラン原油18%削減を 輸入国の制裁回避へ基準 2012/01/20 10:57」47NEWS
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012001001430.html
「日本や韓国、欧州諸国などイラン産原油輸入国を対象とした米国独自の制裁法をめぐり、法案起草の中心となったカーク上院議員(共和党)とメネンデス上院議員(民主党)は19日、ガイトナー財務長官に書簡を送り、制裁実施を回避する条件として、イラン産原油の輸入を価格ベース年間18%以上削減することを基準とするよう提案した。」

18%の根拠が不明だし、妥当なのか分からないけれど、アメリカが妥協し始めている感じがする。

しかし、価格ベースで年18%で良いなら、もっと有効な経済制裁手段がある。
原油価格相場を下落させれば良い(オイw

「世界経済のネタ帳」から、グラフを拝借してみる。
http://ecodb.net/
[世] 原油価格(WTI)の推移(年次:1980~2011年)

イランの原油輸出額は、当然に原油価格と連動している。

[世] イランの原油輸出額の推移(1980~2011年)

アメリカのお陰で、イランの原油輸出額が上昇したとも言える。
2003年:アメリカがイラクに侵攻
2007年:アメリカでサブプライムローン問題
2008年の終わりから一時的に下落したのは、リーマンショックによるものだけど、世界が不安定になればなるほど、結果的には資源に金が集まる。

日本は今まで、過去5年でイランからの輸入量を4割削減したのに、全くの焼け石に水だったわけだ。誰のせいとは言わないけど。
(つまり今回、「価格ベース」ということは、今後更に原油価格が高騰すると、輸入としては日本が何割削減しても追いつかない可能性がある。)

今回だって、結果としてイランの原油輸出額が上昇する可能性はある。輸出量が減っても、価格が上昇するのだから、産油国にはむしろ有り難いか(苦笑)

アメリカは、イランに利する投機マネーによる原油価格高騰こそ、規制すべきだ。
それなら、世界が歓迎するかもよ(笑)
(価格が年18%以上下落すれば、どの国も輸入量を減らす必要はないw)


ところで、一連のアメリカからの圧力に対して、昨年末からの野田政権の対応は、ちょっと面白いと感じている。

「イラン制裁、例外要請=玄葉外相「経済に打撃」-米に懸念伝達」(時事ドットコム:2011/12/20-10:23)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201112/2011122000224
玄葉外相は、「クリントン米国務長官との会談で、対イラン制裁を強めるためイラン中央銀行と取引がある外国金融機関に制裁を科す法律が近く米国で成立することに関し、「イランからの原油輸入が停止すれば、日本経済、世界経済全体に打撃となる恐れがある」と懸念を伝え、日本の原油調達に悪影響が出ないよう邦銀への適用除外を要請した。」

イランは、日本がアメリカの政策に反発したことを喜んだ。
「日本、対イラン制裁について米に警告」
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=23706%3A2011-12-17-09-37-04&catid=17%3A2010-09-21-04-36-53&Itemid=116#.Tu8aTwDOeDM.facebook
「日本、イラン産原油の輸入を継続」
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=23814:2011-12-20-13-13-57&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116
「なぜ日本はイラン産原油への制裁を実施出来ないのか? 」
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=23919:2011-12-23-12-31-47&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116

しかも、日本だけじゃない。
「韓国、イランからの石油輸入増加」2012年 1月 04日(水曜日) 18:11
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=24258:2012-01-04-13-49-42&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116
「韓国の政府筋が、「わが国の精油所は、原油購買契約の延長により、今年は、2011年よりも日量1万バレル多い原油を、イランから輸入することになる」と表明しました。」

増やすのは流石にウソ~ンって感じだけど、韓国もアメリカに抵抗しているのは事実だ。
日本と韓国は、多少は足並みをそろえて抵抗しているのかもしれない。

以前は、アメリカがノーと言えばアザデガン油田の権益放棄して終わりだったのだから、ちょっと感慨深い。
http://maruko.to/2009/08/post-61.html


そして、時期を同じくして、ロシアとの関係が急速に親密になってる。
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/02/61374173.html
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/06/61644216.html
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/15/62301545.html

鈴木宗男が仮釈放で出てきたのは、ただの偶然か?w

この流れの中で、「プーチン首相 日本との間で大規模鉄道プロジェクトを検討中」
http://japanese.ruvr.ru/2011/12/15/62302901.html
こんな話も出てきた。ロシア、前のめり過ぎww

更に、対中貿易で、米ドルを経由しない、元と円の直接決済の話も年末に出た。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0104&f=column_0104_002.shtml

アメリカの顔色うかがってたら、こんなの中国から提案されたって、すんなり前向きに検討なんて難しい。まあ、本気かどうか関係なくて、アメリカ外しの動きを見せることが面白い。(ちなみに、イランとの原油取引は、2007年にイランからの要請で米ドルから円建て決済に各社移行しており、イランは円高の恩恵も受けている。)

で、今年に入っても、ロシアは積極的。
「マトヴィエンコ議長の日本訪問 議連発展に向けて 12.01.2012, 13:31」
http://japanese.ruvr.ru/2012/01/12/63714248.html

そこで、ラブロフ外相の来日を目前に、あえてとった玄葉外相の行動がこれ。

玄葉外相 北方領土を洋上視察(01/14 15:25)北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/343415.html
「玄葉光一郎外相は14日午前、根室管内羅臼町の羅臼港から海上保安庁の巡視船「かりば」に乗り、北方領土の国後島などを洋上視察した。」

急接近しつつ、簡単に妥協しない姿勢を示し、ロシアにも揺さぶりをかけているわけだ。
その結果か知らんけど

http://japanese.ruvr.ru/2012/01/18/64119657.html
ロシアは日本のパートナーとなることを望んでおり、地域問題や軍事政治問題などの国際問題に共通のアプローチをとっていくことを期待している。」

こんなのが「ロシアの声」で読めるとは面白いw
是非、イラン問題では行動を共にしたいですな。


アメリカも流石に、日本が抵抗していることが分かってるので、ガイトナー財務長官を送り込んできた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LXNY3K0YHQ0X01.html
「安住淳財務相とガイトナー米財務長官は12日午前、財務省内で会談し、日本の原油輸入の10%を占めるイラン産原油についてシェアを削減することで一致した。日本側が米側の要請を踏まえ、計画的削減に応じる考えを表明した。」

これを聞いたとき、ありゃりゃと思ったのだけど、官房長官が即効で否定(笑)

「イラン原油対応 引き続き検討 1月12日 20時47分」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120112/t10015228101000.html(魚拓にリンク)
「藤村官房長官は記者会見で、核開発を進めるイランに対し原油などの輸出入を事実上できなくするアメリカの制裁措置に関連して、安住財務大臣が表明した日本への原油輸入量を段階的に減らしていく方針は意見の1つであり、引き続き政府内で対応を検討していく考えを示しました。」

更に加えて首相も否定(爆笑)

「イラン制裁:野田首相「原油輸入減は財務相の個人的表明」 2012年1月13日 20時7分 更新:1月14日 1時6分」
http://mainichi.jp/select/today/news/20120114k0000m010050000c.html
「野田佳彦首相は13日の記者会見で、核開発を続けるイランへの制裁を巡り、安住淳財務相が12日のガイトナー米財務長官との会談で「(原油輸入量を)早い段階で計画的に減らす」と表明したことについて「これまでの経緯と見通しを個人的に話されたと思う」と述べた。」

そもそも、ガイトナーが来るのに枝野経産相が不在で、安住財務相に代役で対応させるとか、そんな扱いをアメリカ様にするなんて、のっけから面白い。
「安住氏「イラン原油輸入を削減」 日米財務相会談 2012/1/12 10:57 (2012/1/12 13:57更新) 」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3E0E2E2958DE3E0E2E3E0E2E3E09F9FE2E2E2E2
「今回のガイトナー長官の訪日にあたっては、枝野幸男経済産業相らが不在であるため、経済閣僚を代表して安住財務相が会談に臨んだ。会談内容を共同声明として文章化することは見送った。」

日本の国益を考えるなら、これを閣内不一致とか攻撃してはいけない。
 代役対応 -> 共同声明の文書化を見送り -> 直後に訂正
仮に政権が素人だからだろうとKYだからだろうと、この場合、究極の先延ばし外交は結果オーライだ。

なかなか世界が積極的に賛同しないので、イスラエルは、業を煮やしている。
「イスラエル首相 一層の制裁強化を 1月17日 9時36分」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120117/k10015320401000.html(魚拓にリンク)
「核開発を進めるイランに対して欧米諸国が制裁を強めようとするなかで、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は、今の制裁措置でも十分ではないとして一層の強化を国際社会に求めました。」


で、本当に驚いたのがこれ。

「イラン制裁の日米実務者協議、邦銀の制裁回避条件は結論持ち越し 2012年 01月 19日 18:04 JST」
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE80I04P20120119
「グレーザー次官補は協議終了後、記者団に対し「今後も協議は継続する」と答えたのみで、協議内容についてのコメントを控えた。邦銀への制裁を回避するために必要な原油輸入の削減幅などの詳細については、来週以降に引き続き協議する見通し。」
「外務省によると18日と19日の2日にわたりのべ4時間弱協議。日本側は原発稼働停止で火力発電への依存度が高まっており原油調達を簡単に削減しにくい日本の状況や、イラン産原油の輸入量を過去5年間で4割削減した実績などを説明。イラン中央銀行と取引を持つ金融機関に対して米金融機関とのドル取引を禁じる米国のイラン制裁法で、邦銀に対して例外規定を適用するよう要請した。」

「親日国・イラン制裁で官民異論百出、日米協議は結論持ち越しへ 2012年 01月 19日 21:20 JST」
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTJE80I00020120119
「18、19日の2日間にわたり都内で開かれていたイラン制裁をめぐる日米政府の実務者協議は、焦点となっていた日本の原油輸入削減幅や邦銀制裁の回避の是非について具体的な結論を出さず持ち越した形となった。」
「イラン制裁については中国、ロシアのみならずトルコも反発を表明。米制裁法の発動でイランが対抗措置としてホルムズ海峡を封鎖すれば、原油価格が急騰しかねず、米国が強硬措置を取りにくい可能性もあるなかで、日本として微妙なかじ取りを迫られそうだ。」


圧力に屈せず結論を出さなかったのは、正直吃驚。
中国が制裁に反対している以上、日本がイランから原油輸入を大幅に減らせば、その分を中国が安値で買い叩けるようになるだけで、アザデガン油田の屈辱を繰り返すことになる。どう考えても、結論先延ばしが正解なんで、本当にこの粘り腰は評価されるべきだ。

そして、この流れで、冒頭のアメリカの18%という数字が出てくる。
野田政権は、内政は最悪な感じがするが、外交はなかなか興味深い。

そういや、こんな話もあったしね。
「資源輸入:国を特定、集中交渉する新戦略...政府指針案 2012年1月5日 15時0分」
http://mainichi.jp/select/today/news/20120105k0000e020164000c.html
「政府が今後5年間の資源、エネルギーの安定調達の指針として4月に初めてまとめる「資源獲得戦略」の原案が明らかになった。産業ごとに必要な資源の種類や量を精査した上で、集中的に働きかける国を特定。首脳や閣僚の交流と、民間の技術協力との連動で、権益確保を図る。自動車など資源を使う側の民間企業が、積極的に権益確保に関与する必要性も明記した。ただ、戦略実現には世界の資源争奪戦を勝ち抜く交渉力が必要で、日本外交の実力が問われることになる。」

単なる偶然ではなさそうだ。
(でも、支持するかどうかはまた別の話だけど(自爆))

■蛇足
ところが、産経が書くとこうなる。
「イラン制裁、戦略なき日本 外務省、対話重視で米と溝」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120119-00000085-san-pol
「米側は対日不信をさらに深めたに違いない。」
「日本側から色よい返事は得られなかったとみられ、グレーザー氏は記者団に「日本が適切な措置を取ると確信している」と不満そうな表情を浮かべた。」
「これで米側が納得するはずもない。」
「米国はイラン制裁の足並みがそろわないことにいら立ちを募らせる。」

アメリカ様の顔色うかがい過ぎwww
どこの国の国益を考えると、こういう記事が書けるのかね?

Be Happy New Year

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2012web.jpg

昨年は、世界的にはビン・ラディン、カダフィー、スティーブ・ジョブズ、金正日と、テロリストや独裁者が立て続けに消え去りました。エジプトも大変だなぁとか。しかし、そんなことすらどうでも良いと思える激震の一年でした。

日本が最悪を迎え、神話は神話でしかなかったと、ある種の洗脳を解かれてしまいました。とっとと昨年と決別し、今年は平穏なタイムラインが描かれると良いのですが。(まあ、そうは問屋が卸さないでしょうが...)

もちろん、決別とはいえ、昨年のことは忘れちゃいけない。
忘れられない。忘れてたまるかー!

ということで、今年は被災地のことを念頭に置きつつ、平穏な一年となることを願ってます。

>蛇足
なお、昨年は某受験を回避したので、今年が2回目の予定です。

Foresightのフォーラムに、「東京電力の料金値上げについて、皆さんはどう思われますか?」というテーマが上がった。
http://www.fsight.jp/forum/11069
コメントしたことを、色々手直しして以下に書いておく。
>注意:1月26日に東京都の動きがあったので、本文下の追記参照のこと。
-----
東電は、電気料金値上げを企業の権利と言ったそうだが、権利を主張するなら、その前に義務を果たすべきだろう。無責任なままの現状で、よくも権利を主張できるものだと驚く。

そもそも、値上げに直ぐさま反対表明すべきは、都民の生活を守るべき東京都。
しかし、東電の大株主で、震災後の株価下落で大損失(震災前、軽く2100円以上だった株価は、現在その十分の一に下落。東京都は42,676千株保有してるから...ギャー!!)を出している東京都にとって、電気料金値上げは株価上昇要因。
これは、都民(というより一都七県の利用者)と東京都の利益が相反している。

震災後、大株主なのに東電の経営者責任を問う発言を控えてきた東京都は、最近になって発送電分離を大阪と共に株主提案すると話題になったが、その目的が大阪とは違う。

東京都が発送電分離を求めるのは、まずは猪瀬副都知事が作りたがっている天然ガス火力発電所のためであり、これは同時に、東電が値上げすればするほど、天然ガス火力発電所建設の必要性を主張し易くなるという関係にある。(そもそも、地震・津波が来たら一発でアウトな臨海部に、天然ガス火力発電所を建設することに躊躇しない理由が不明だが、とりあえずここでは置いておく。)

橋下氏が、発送電分離で電力業界への新規参入を促し、最終的には原発依存度を下げる「脱原発」を目指しており、関西電力と対決しようとしているのとは、東京都のスタンスは全く異なる。

その点を質問されると、猪瀬氏は
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE7BJ00D20111220?sp=true
「脱原発は言う、言わないの問題ではなく、どうやって(福島原発などを)廃炉にしていくかという国民的な課題だ」逃げてしまう。東京都は、脱原発と言って東電の不利益に世論を導くつもりが、全くないということだろう。いつも都知事など、東京は日本のダイナモとか言っているのに、こういう場合だけ「国民的な課題」と主導権を放棄するのは、都合が良すぎる。いつもの論調なら、「国民的な課題」だからこそ、東京都がリーダーシップ発揮すべきなのでは?

まあ、元々都知事が原発推進なのだから、ここで消極的なのは当然ではある。副都知事も、震災直後、危機感がない政府の代わりに大株主の東京都が東電を主導しないのかと問われ、「地域の共同性を再構築する機会」だからと、「いま考えるべきことではない」答えていたくらい消極的だ。(魚拓
加えて、脱原発でこれ以上株価が下落しては、大株主の東京都にとって耐え難いということかもしれない。

本来は、合わせて東京都が大株主として将来の脱原発を主張し、いずれは柏崎刈羽原発の定期点検後の再稼動等にも反対する世論を形成すれば、電力供給が更に確実に減少するので、天然ガス火力発電所に民間の参入を呼び込むにはもってこいだ。しかし、脱原発は言わないのに、「間違いなく収益を上げる」と猪瀬氏に勧誘されたところで、マルチではあるまいし、将来供給不足になるかすら不確実な現状で、新規の天然ガス火力発電所に出資・参入したい民間企業が見つかるのか疑わしい。そんな中、出資者の説得材料として、東電の電気料金の値上げはウェルカムくらいの話ではないだろうか。(本当は、東京都の東電株の損失分があれば、天然ガス火力発電所を自前で建設できたんじゃないかというのは、公然の秘密だ(苦笑))

更に東京都は、東電所有の老朽化した火力発電所のリプレースにも関与しようとしていることを考慮すれば、東電と東京都は、対立を装いつつ、その実は極めて親密な関係にあるのではないか?


いずれにしても、東電の責任追及に無関心な東京都が大株主であることが、東電の無責任を助長している気がしてならない。電気料金値上げ問題も、そういった一連の状況を踏まえた解釈が必要に思える。

>追記:1月27日
Foresightに書いて伝わったのかどうかは知らないが(笑)、正にここで指摘した問題について、1月26日、「電気料金の値上げに対する緊急要望」という形で、やっと東京都に動きがあった。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/01/20m1q500.htm
東京電力に対するものは、以下。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/01/20m1q503.htm


  1. 「総合特別事業計画」策定の前提となる当面の収支見込、電力需給の状況、電源構成、燃料費等負担増の内容、経営合理化の具体的内容、及び中長期的なこれらの方向性などについて、明確な情報の開示を求める。

  2. 健全な競争原理が働くよう、託送料やインバランス料金の見直し等、電気事業への民間事業者の参入促進を求める。

  3. 一律定額の上乗せは、エネルギーの効率利用を阻害するおそれがあることなどから、多様かつ柔軟な電気料金メニューの設定を求める。

  4. 中小企業等に対して、特段の配慮を求める。

この内容は、一言で言うなら、「義務を果たして値上げしろ」というものだろう。震災後の対応の流れからすれば、東京電力の責任に言及した、非常に大きな一歩だと思う。
「都は、大口の電力需要家であるとともに、東京の都市経営に責任を持つ行政主体として、また、東京電力の主要な株主として、今後も要望の実現に向けてあらゆる機会を捉えて行動していくことを付記しておく。」とのことなので、是非とも行動で示してもらえるよう期待したい。特に株主総会などで東京都が大株主としてどう行動するか、注視したい。
都民は、東京都が口だけに終わらないよう、あらゆる機会を使って要望を上げる努力も必要だろう。

ブータン的幸福

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国王帰った今更だけど、一応書いておく。

GNHってのは、確かに良いと思うよ。

だけど、民族の伝統を重んじているとか、日本人に似てるとか、統治が優れているとか、ブータンをヨイショばっかする風潮には、疑問を感じる。そりゃ、発展に貢献した日本人がいて、感謝されてるとか、耳障りの良い美談だろうけどね。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol79/index.html
米中露と外交関係がない国連加盟国で、日本の常任理事国入りを支持してくれる国なんて、超貴重なのも分かる。

でも、そんなに素晴らしい国なら、なんで国民の1/5もが、難民として流出したのかね?
http://www.ne.jp/asahi/jun/icons/bhutan/
あんな多民族混在地域で、どうやって特定の民族の伝統を重んじる国を実現したのか、その手段も知るべきだ。GNHの判断要素には、文化の多様性も含まれるのだから、どうして文化の押し付けで大量の国民を難民化させてしまったのか、矛盾を感じるのが自然だ。

経緯を知った上で、97%が幸せと答えたという国勢調査の結果を見ると、怖くもある。


え?酷かったのは、過去のことだって?

どうかね(苦笑)
http://www.unhcr.or.jp/html/2011/08/ws110817.html
http://www.japanforunhcr.org/jessica/nanmin/
もしもそんなに褒めたいなら、まず先に、まだ何万人もネパールにいるブータン難民のために、日本も第三国定住先として名乗り出て、ブータンの尻拭いを世界各国と共に手伝ってあげたらどうだ?
ついでに、難民に、幸せか聞いてみたら良い。


もちろん、以前と比べれば、劇的に状況が改善しているし、今の国王はカッコイイよね。東日本大震災にも、義捐金を100万ドルくれたし、本当に有り難い。でも、今の国王が素晴らしいからと、現状だけ強調して賞賛するなんて、不合理にも程がある。

非難されるべきブータンの姿も知り、それでもGNHという思想自体は素晴らしいというなら理解できる。そうすれば、GNHを高めるために、何故か多様性を排除してしまうような矛盾した手法は、当然に否定されるだろう。

だから、ネガティブ情報は、ほんの少し触れるだけでも良い。でも、いくらなんでも、ネガティブ情報が皆無ってのはキモイ。(まあ自分には、今もブータン難民が何万人もネパールにいることを思えば、現状を美化すること自体理解が難しいけどね。)

親日的に思える国なら、何でも美化するという日本の風潮は、トルコへの対応と同じかもしれない(苦笑)


で、更に理解できないのは、ブータンを無批判に賞賛するTVなんかの情報を鵜呑みした上、小国で中国の侵略を受けたとか、一方的に同情のネタにする輩だ。国王が来日したのは、日本が核武装して中国を抑えてくれることを望んでいるからだとかいう寝言も、ネットにはある。

世の中の全ての事象を、中国や民主党政権への批判ネタに直結できる、ある種の妄想壁を持つ人々がいるのは分かるが、ブータンもそのネタに取り込まれてしまっている。そういうことができる人は、さぞかし頭の中で幸せなのかもしれないが、そんなGNHはお断りします。


ところで、97%が幸福と答えたという数字自体、実は単純ではない。
先代の国王は、人は知れば知るほど不幸に感じるとか言っていたそうで、つまり、情報を与えないことが幸せに資する、大海を知らない井の中の蛙は幸せ、という側面がある。
それが読み取れるのが、以下の調査だ。
http://www.sri.or.jp/sri_database/backnumber_kiji/documents/99/99report2_2.pdf
--
ブータンの集計結果を都市部と農村部に分類してみると、満足度の傾向に大きな違いが見られた。純粋に「満足している」と回答した人の割合を見てみると農村部では94.3%であったのに対し、都市部では44.1%と低くなっている
--

1999年にTVとインターネットを解禁し、都市部で情報に接することができるようになったブータン人の満足度は、所詮こんなもんなわけだ。(もちろん、「まあ満足している」まで含めたら都市部だって凄いけど、それなら日本だって...というか、「満足」と「幸福」はそもそも別なので、日本人の多くも、かなり幸せな気がする。)


そもそも、SFネタじゃあるまいし、完璧なユートビアなんて存在しない。
これ、常識だよね?

誰もが幸せだと思っている社会なんて、むしろ非人間的であって、実はその意味の方がユートピア本来の意味に近いかもしれない。異なる文化を排除することで成立した今のブータンは、その本来の意味でのユートピアかもしれないと言ったら、ブラック過ぎかな。

■蛇足
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111128-OYT1T00999.htm
--
政府は28日、ブータンに2億円の無償資金協力を行うことを決め、ブータン政府と交換公文を締結した。
--

こういうあからさまな事は、止めたほうが良い。昭和天皇が崩御した時、大喪の礼に参列した先代のブータン国王は、弔問外交はしなかったというのが美談なんでしょ。普通に、JICA経由の支援を強化すりゃーいいじゃないか。

え?今回はハネムーンだからご祝儀か(笑)


●参考
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bhutan/kankei.html
--
ブータンにおける外交上の主要な懸案事項は,ネパール系ブータン難民問題である。1980年代,ブータン政府は,ゾンカ語の普及やブータン式の服 (「ゴ」,「キラ」とよばれる)の公式の場での着用義務付け等国家のアイデンティティー強化のための施策を進めた。これに反発して,1990年秋,南部 ブータンにおいて一部ネパール系住民による反政府デモが展開され,反政府活動グループと警官隊との衝突で死傷者が出る事件も発生した。1991年に入り事 態は一応沈静化したものの,ネパール系ブータン難民がネパール国内に流入した。2007年11月より第三国定住プロセスが開始され,2011年8月まで に,約5万人の移住が完了した(内訳:米約4万2千人,カナダ約2400人,豪約2千人等)。難民の第三国定住プログラムとしては世界最大規模となってい る。キャンプ内には,約6万2千人の難民が残っており,このうち約4万7千人が第三国定住を希望している。2011年4月にティンレイ首相がネパールを訪 問し,2003年から中断していた両国政府による難民帰還に関する協議再開に合意した。
--
 ブータンは国防政策の柱として,国境保全,空港警備,治安維持以外にインドとの防衛協力関係維持を掲げており,ブータンの全国防予算をインドが負担してい る他,インドから資金・装備・訓練の支援を受ける等インドとは特殊な関係にある。また,ブータンには1個大隊規模(約700名)のインド陸軍将兵が常駐し ており,主要なインド陸軍部隊として,インド軍事訓練チーム(IMTRAT)がティンプーに,軍事訓練学校と陸軍病院がハに所在している。また,パロにも インド軍駐屯地が存在し,夏季にはインド本国から派遣された部隊が山岳地訓練を行っている。将校の教育は全てインドで行われており,下士官・兵の教育 も,IMTRATが管理運営するブータン内の軍学校で行われている。この他,部隊訓練もIMTRATの指導を受けている。さらに,ブータン軍は,年に 3~4回,インド陸軍部隊と共同訓練を行っている。
 山岳地形のブータンは意図的に部隊を中隊毎に分屯させており,そのほとんどは,ブータン・中国国境沿い及び重要防護施設の哨所に配置されている。各哨所には,インド陸軍兵士も5~6名ずつ配置されており,ブータン軍を指導している。
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ちょっと気になる話題だったので、更新。

「政府、ハリウッドにアニメ・玩具セールス 国策会社設立」asahi.com:2011年11月3日3時7分
http://www.asahi.com/culture/update/1103/TKY201111020748.html
-->
日本のアニメや玩具などのコンテンツをハリウッドで映画化するプロジェクトが、今月スタートする。政府が9割を出資するファンド「産業革新機構」が60億円を出資して10月に設立した新会社が日本に利益をもたらすため、ハリウッドに素材を売り込む。
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朝日新聞デジタルに加入してないので、記事の続きは見てないけれど、この国策会社とは
http://maruko.to/2010/04/post-83.html
この時に「コンテンツ海外展開ファンド」と言われていたやつだろう。

「株式会社 All Nippon Entertainment Works」の設立については、アニメ!アニメ!ビズでも、3ヶ月前に書かれていた。
http://www.animeanime.biz/all/118161/

産業革新機構のホームページを見てみよう。
http://www.incj.co.jp/investment/deal_022.html
以下のPDFの4ページ目参照
http://www.incj.co.jp/PDF/1313377374.01.pdf
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【案件の意義(投資インパクト)】
●本邦コンテンツをグローバルに展開、結果としてグローバル市場からの収益を最大化した上で国内に還元し、グローバル市場で大きな収益を上げる革新的事例を創出し、文化産業からの次世代の国富獲得に貢献する
●国内コンテンツ業界の人材を育成し、グローバル市場における事業化ノウハウを蓄積。また、関連する各種ビジネスを日本勢が獲得することにより、国内産業のグローバル水準でのオペレーション能力を育成、日本の人材及びコンテンツ業界がグローバルビジネスの一角を占めることをめざし、全体のエコシステムを進化させる
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これ自体は、特に悪い事業とは思わない。
最後の「エコシステムを進化させる」ってのは意味不明だけど、どっか別の案件の資料でも流用して作って消し忘れたか?(苦笑) ←知らんかった。エコシステムって正しい使い方なのだね(自爆))
何故なら、昨年「クール・ジャパンのマヌケ」で書いた「コンテンツ海外展開ファンド」への苦言に、一部応えてくれたような内容だったからだ。

前提として、日本のコンテンツ業界が、グローバル展開に力不足であることを認めている点は重要だ。リメイクを通じた人材育成で、ハリウッドの流儀を身に付けるというのは、つまりは産業育成だ。これが成功した先に、初めて、オリジナル作品の自力でのグローバル展開なんて可能性が開けるのではないか。

記事が浅いから、誤解するだろうが、短絡的に否定しても何も始まらない。
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1320260613/
http://ceron.jp/url/www.asahi.com/culture/update/1103/TKY201111020748.html
http://ceron.jp/url/www.asahi.com/showbiz/manga/TKY201111020748.html

そら、政権批判とか、誰でも簡単にできる上に共感も得やすいから、楽だろうけどさ。

実は、産業革新機構使ってコンテンツ海外展開ファンド創設するって酷い話は、麻生政権時代にできている。(「クール・ジャパンのマヌケ」書いた時、忘れてたけどね(自爆))
http://maruko.to/2009/05/post-31.html
前提として、俺たちクールだから、販路拡大のファンド作って海外の制作会社に出資すりゃ売れるとか大きな勘違いをしていたので、この頃のスキームだったら、日本のコンテンツ産業は空洞化して終わり。

それが、リメイクの過程でハリウッドのノウハウを学ぼうという姿勢になったのだから、同じ産業革新機構経由でも、単なる資金提供目的のファンドとは全然違う。人材育成を明確に目的にしただけでも、大きな進歩。一見残念なのは、制作する現場への支援が見えない点だけど、この辺に関しては別の事業がいくつか存在するので、分けて考えているのかもしれない。まあ、分けられると、制作現場としてはガッカリなんだけど。

それから、朝日の記事でもう一つ誤解されている部分がある。
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まず、映画化を目指す日本の素材の権利を取得したうえで、米国のプロデューサーらと脚本作りや監督、俳優の選定などを進める。当初3年で権利10件、30億円の投資を見込んでいる。
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素材の権利を、何故All Nippon Entertainment Worksが取得するのか。
(この部分も、自民党時代と同じ。)

答えは、日本のコンテンツ特有の欠点の一つが、製作委員会方式で権利者がウジャウジャいることだからだろう。こんな面倒なことは、ハリウッドではやっていない。それが、この会社を通せば一社で権利処理できることで、あらゆる展開がスムーズに進められるようになるわけだ。この辺は、エンタメ系の弁護士あたりが思いつきそうな話だ。

今までは、リメイクしたくても、交渉せにゃならん会社が沢山あって、誰の許諾を得れば良いのか分からない場合などもあった。法律にはないが、窓口権というのを製作委員会のメンバー各社が持っていて、誰もがリメイクに協力的とは限らない。その一部が倒産したり、担当者が退職して引継ぎされてなかったりすると最悪で、後からどんな問題が生じるのか恐くて手が出せないとか。まあ、とにかく、ハードルが高いわけだ。リメイクの話なのだから、ある程度古い作品が対象だろうが、もっと古い作品だと、そもそも著作権の帰属レベルで、国内でも裁判だらけだったりするしね(苦笑)

それに、All Nippon Entertainment Worksが「権利を取得」すると言っても、条件付きの使用許諾の類ではないだろうか。オリジナルの権利者が、自らに不利な条件を簡単に飲むはずないので、単純に権利を失うような契約を前提にしているとは考え難い。ということで、そんなに目くじらたてる問題ではないだろう。


ところで、それにしても出資の仕方が迂遠ではないかと思うかもしれない。
実は、経産省のクール・ジャパン戦略推進事業には、北米向けにコンテンツ系のものが存在しない。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/overseas_projects.htm
流石に、俺たちクールとか言いながら、ノウハウ教えてくださいとは言えない。
でも、経産省がやるとしたら、確実にクール・ジャパン戦略推進事業の枠組みになってしまう。

クール・ジャパンと距離を置いて推進すべきという意味で、こういうアプローチをすること自体は、ありでしょ。望ましいとも言える。だから、あんまり国策会社とか強調しない方が良い。それこそ、こっそりやるべき事柄だ。

そんなわけで、All Nippon Entertainment Worksを頭から否定はしないのだけど、できればお願いしたいことがある。

そのリメイク作品のVFX、日本のCG制作会社とか絡ませて欲しい。
どのみち、将来日本に制作の仕事が回ってこないような話なら、意味ないしね。
間違っても、違法でも安価だからと、アジアのどっかの国にばかり仕事ふるようなスタイルは、学ばなくて良いから。
国産比率と法令遵守を条件に...とまではいかずとも、ハリウッドのVFX仕事の下請けでも、参加できるようにしてもらえませんかね?(^^;

まあ、All Nippon Entertainment Worksが天下りの隠れ蓑だったりしたら、最悪だけどね(苦笑)
目的は良くても、手段が杜撰でろくな結果が出なけりゃ、ちゃんと批判しよう。
怪しけりゃ、河野太郎とかが叩いてくれることに期待しつつ(笑)

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