最近、いくつかの場所で、映像制作やコンテンツ産業の在り方みたいな議論を目にしたので、自分も思うところを述べておきたいと思う。まとまりもなく、とりとめもない話をつらつらと...


■パチ仕事と映画、アニメ仕事
日本のアニメ、CG業界の特徴の1つに、パチンコ・パチスロ産業への依存というのがある。これは、旧作品の権利を持つ会社が、パチメーカーにその利用許諾を与えるという意味での受け身な話ではなく、パチンコ・パチスロ化する際に発生する映像制作案件を受注するという形での、純粋な映像制作仕事としての能動的・発展的関係の話だ。パチスロ台の液晶画面で流れる映像も、CG制作会社の立派な仕事なのだ。パチメーカーは、CG制作会社に、とてもまともな対価を支払う、お得意さんである。

対して、公知の事実として、日本のアニメの現場の貧しさについては、今更説明を要しないだろう。これは、実写系でも映像制作現場一般の話として、ある程度共通する部分もあるかもしれない。CG制作会社は、アニメだろうと実写だろうとゲームだろうとCMだろうと、コンピュータで作る映像なら、何でも受注できる会社が少なくない。しかし、アニメや映画仕事を受注する場合、元請けでもなけりゃ、まともにやって黒字にするのはかなり困難。その手の仕事の発注元は、映像制作にまともな金を払う気がないことが少なくないが、同時に、赤字で受注する制作会社も後を絶たない。需要と供給が、制作コスト割れしたポイントでバランスが保たれている。

この差が生じる理由は簡単だ。かつて、多くのCGデザイナーやプログラマは、パチ仕事をヨゴレだと思って避けていたが、映画仕事に参加するのはステータスなんで、若い頃はタダでも働きたい仕事だった。著名な劇場作品でも、学生上がりの未経験者を、インターンシップと称してただ働きさせているケースは後を絶たない。映画仕事を受注した会社は、学生の夢を食い物にしてでも活用しないと、赤字が拡大してしまう。

ある程度の規模の制作会社になると、有名な劇場作品に参加するのは、求人のために必須となる。同時に、劇場作品への参加を夢見て入社してきた社員たちの、モチベーションを維持する必要もある。だから、会社の宣伝、イメージアップのため、劇場作品を一定数受注し続ける。

すると、優秀な人材を確保するための赤字映画仕事と、会社経営を維持するための黒字パチ仕事とのバランスが、とても重要となる。黒字にしたいなら、パチ仕事ばかりやれば良いと思うかもれいないが、イメージの悪い会社に人材は集まらないので、両立させなければならない。特にデザイナーは、転職が頻繁で、フリーランスになってしまう人も多いので、一定規模で能力の高いデザイナーを雇用し続けるには、会社が魅力的でなければならない。更にパチ仕事は、ノウハウも必要で、守秘義務の厳しさもあり、映画仕事のように安易に学生を使うこともできない。

これが10年前なら、映画の赤字を埋めるのはゲーム仕事だった。アニメ業界からゲーム業界への人材流出も、当時のトレンドだった。しかし、ゲーム機の性能が向上し、リアルタイムの描画能力が高まった結果、ゲーム向けの映像制作仕事が激減した。憧れの仕事と収益の上がる仕事が合致していた時代は、ゲーム機の性能向上によって終わり、ゲーム仕事に代わって黒字仕事の柱となったのが、ヨゴレのパチ仕事だったわけだ。(念のため言っておくが、自分自身は、パチ仕事をヨゴレとは思ってない。十分に、素晴らしいと思ってるが、その理由は後で。)

みんなが憧れる映画仕事は、ヨゴレのパチ仕事によって、一部支えられてきた。
そしてやっと、パチ仕事のイメージが改善してきたのは、ごく最近の話だ。


■ダメな仕事
と・こ・ろ・が、パチ産業は、いわゆるコンテンツ産業の市場規模が計算される場面などでは、何故か除外されている。政府の発表する資料などでも、パチ業界は存在しない前提で、コンテンツ産業が語られる。20兆円産業のパチを無視して、それより遥かに小さな残余の業界をまとめて、コンテンツ市場の在り方が議論されている。そんな議論の価値が低いのは、言うまでもないだろう。

しかし、映画業界の権利者な方々は、自分たちのコンテンツが、実はパチのおこぼれで作られてる部分があることを知らないかもしれない。そんな人々にいくらヒアリングして資料が作られても、現実を全く反映しないのは当然だ。(対してパチ業界は、映画やゲームで培われた映像制作のノウハウの恩恵にあずかっている。)

各業界の権利者団体は、別個独立で、他業界を知らないかもしれない。しかし、映像制作現場のレイヤーで実際に様々な業界からの映像仕事を受注している各CG制作会社は、実は共通なので、複数の別個独立の業界のリスクが、映像制作現場のレイヤーで担保されてるのだ。逆に言うと、担保できてしまっているから、いつになってもダメな業界はダメなまま、なのかもしれない。

--追記
パチンコ業界は、警察庁が監督官庁であり、コンテンツ振興を扱う経産省からは手を出せないのかもしれない。
--

ダメな業界の仕事というのは、単に金がないだけではなく、コンテンツ制作過程が非合法だったりもする。映画仕事では、著名な監督が、ごく当たり前に、著作権侵害や制作に必要なソフトウェアの不正コピーを現場に指示する。例えば、各社に散らばった100名程度のスタッフで、監督のイメージする映像を共通認識して完成を目指すには、コンテだけじゃ足りないので、監督のイメージに近い既存の映画作品から、シーンやカット毎にリッピングして、関係スタッフに配られたりする。何十人もに違法DVDコピーで配られることもあれば、主要な制作会社のサーバーにリッピングした作品が蓄積されたり、海外の外注先に配布されたりする。(もちろん昔は、VHSの大量コピーだった。)

スタッフは、必要に応じてPCで参考作品の映像を見て、監督のイメージを共有しようと努力しながら、自分たちの作品を制作する。スタッフの人数分、何十作品ものDVDを買うなんて真面目なことは、誰も考えない。何しろ予算の少ない仕事だ。他人の作品を参考にする事自体は合法でも、参考にする手段が非合法なのに、それに文句を言う映画制作関係者は、ほとんど存在しない。リスペクトしてれば良いと思ってる。

劇中で表示される文字などに至っては、どこかからフォントを違法コピーしてCD-Rに焼いてきて、ポンと渡され、「この文字でよろしく」みたいなこともある。

自分がかつて在籍したCG制作会社では、そういう非合法な制作手法を排除するのが、自分の仕事の一つでもあった。受注仕事では、違法行為を指示してくるのがクライアントであり、これと衝突することは極力避けなければならない。現場にウルサイと思われつつも、自分たちの仕事を合法とするため、いつも苦労した。

CG業界とアニメ業界の垣根が崩れ、旧態依然としたアニメ制作会社と共同作業するようになると、本当に最悪な場面に出くわした。アニメの会社は、ソフトウェアを買うものだと考えていないところが大半だ。金の無い業界の常識とは、そういうものだ。それでも、一緒に仕事をする以上、不正ソフトを使わないでくれと、相手の会社の責任者と話をしたりもした。「そんなことしてると、メーカーの監査が入りますよ」と脅しても、「そんなのは追い返すから大丈夫だ」と、まるで気にするのが馬鹿みたいに言われる業界だった。

不正を排除しようという意識を持たない会社が大半だが、そうして違法に作られた自分らの作品の権利だけは、絶対に守られるべきだと信じて疑わない、不思議な業界。それが、映画やアニメの業界だ。極論ではなく、一般論として、日本のアニメ等で、その制作過程全体において完全に合法性が担保されている作品は、皆無と言って良いだろう。中には、「うちの会社に不法行為はない!」と言いたい会社もあるだろうが、下請けや、人件費が安価だからと仕事を投げる、アジア各国の外注先の制作会社が何をしているかは、見て見ぬふりだ。フリーランスのデザイナーに発注する場合も、その個人が、自宅でどんなソフトをしっかりと買い揃えているか、クラックされた不正ソフトを使用していないかなど、発注側は誰も気にしない。結局、安く受注する会社や個人を便利に使うことで、不法行為を押し付けている。


■パチの良さ
対してパチは、完全に合法的な仕事を求められる。発注元が、何度も納品物をチェックする。高い金を出すだけでなく、合法的なコンテンツの制作にこだわる会社が多い。例えば、CGではテクスチャー画像をいくつも使用するが、パチ仕事では、作中で使用した全テクスチャーの著作権チェックがされる。テクスチャー一覧を提出すると、先方の法務部がチェックしたりする。テクスチャー画像は、ロイヤリティフリーの素材集などを買って利用することが多いが、素材集の発売元の会社が無くなっていると、テクスチャー差し替えの指示を出されたり...

そんなことは、かつてのゲーム仕事でも、要求されなかった。


フォントも、遊技機で合法的に使用できる、業務用フォントの契約を求められる。一度、先方がフォントの種類決定を後回しにして、仮のフォントで納品することを現場レベルで合意し、後に先方が差し替える話になっていたのに、先方の法務部に伝わっておらず、「不正なフォントで納品し、損害を与えた」と、損害賠償に発展しそうな時もあった。本当に、合法的なコンテンツにこだわる業界だ。(様々な著作権関係の裁判経験から、パチ業界は学んでいるのかもしれない。)

そういう仕事をしつつ、一方で、自堕落な映画やアニメの関係者に接すると、合法的なパチの仕事を受注できる会社というのが、とても誇らしいと感じるようになったのを覚えている。

しかしながら、パチに代替する黒字仕事が登場する前に、もしもパチ仕事が激減すると、経営が傾くCG制作会社も少なくないだろう。パチ業界は、最近持ち直したような話も聞くが、ちょっと前は市場規模が縮小傾向で、先行きに不安があった。そこで待ち望まれてきたのが、カジノ解禁だ。


■需要創出としてのカジノへの期待
カジノに期待するというと、どうやら、カジノのゲームマシンの仕事に期待をしているのではないかと、大きな誤解をしている人がいる。それは、あまりにもカジノを知らなすぎる。

もちろん、既存のパチメーカーは、海外のギャンブルマシンの供給も行っているので、既存のパチメーカーとの関係の延長で、カジノ向けのマシンの仕事も、期待が大きい部分ではある。CG制作会社から、パチメーカーへ転職し、海外カジノ向けの機種に関わってるなんて人もいる。

しかし、十数年前、自分がまだデジハリの学生だった頃から、SIGGRAPHとラスベガス旅行はセットだった。カジノとは、エンターテインメントの総合産業であり、当時からデジハリの杉山校長は、本場を見ろと学生に教えていた。

ラスベガスは、いたるところにコンテンツが溢れ、輝いていた。遊園地でもないのに、スタートレックのライドものや、ショー、シアターがホテル毎に存在し、どこもかしこも映像仕事の宝の山に見えた。街中の巨大スクリーンが、無数の映像を消費していた。

カジノを解禁するとは、単にギャンブルを解禁することではなく、ギャンブルを中心とした一大エンターテインメント都市を構築し、街中のいたるところにコンテンツ需要が生まれるということだ。合法化の暁には、これらの仕事を、国内の会社が受注できる制度を担保することは、必須だろう。その際、受注した仕事を海外に下請けに出すようなことを一定数制限すると、更に良いかもしれない。

これを、ゲーム、アニメ、映画などと、コンテンツの下流の権利者レイヤーの縦割りでしか業界を評価していないと、上流の制作現場レイヤーの重複に気がつかないので、カジノの魅力が理解できない。

CG制作会社に、「あなたの会社は、アニメ業界ですか?映画業界ですか?ゲーム業界ですか?それともCM業界?」と質問するのが、どれだけ愚問か分かるだろう。1つの会社で、実写合成だって、アニメだって、博物館の展示映像だって、何でもやってたりするのだ(もちろん、それぞれの専業の会社もあるが、そういうところは業界と運命を共にするしかない。)。だから、カジノ解禁で需要が創出されると、パチ依存の現状の偏りを緩和する方向に作用するだろう。それが、間接的に映画やアニメを支えることにつながる。


■制作サイドの改善
もちろん、個々の業界がそれぞれ健全化を目指すのは大事だ。しかし、日本のアニメ系の会社は、プログラマはゲーム会社にいるものだと、勘違いしてる感じがある。アニメの制作会社で、プログラマを重視して雇用している会社は、ほとんど無いのではないか。それが、Pixarに永遠に追いつけない原因だ。道具は、自分たちで作るものだという認識が、文科系アニメ制作会社には抜け落ちてる。なんせ、ソフトウェアは不正入手するのが当たり前だと思ってるのは前記の通りなんで、それを作るのに人件費をかけるという発想がないのかもしれない。プログラマが雇えないのか、雇う気がないのかは別にしても、そういう会社が淘汰されるのは、ある程度仕方のない話だ。

不正を行わずに、プログラマも雇わず、道具をひたすら真面目に買う側にいる会社もあるだろう。プラグイン一つ自給せず、必要なら買えば良いと。それはそれで、黒字を維持できるなら良いのだけれど、かなり非効率なので、小規模な会社でしか無理ではないかな。

理科系CG制作会社は、まだ、映像制作におけるプログラマーの重要性は、理解している。デジハリ時代のクラスメイトなども、インハウスのツールで海外に対抗しようと、ゲーム会社の出資でCG映画専門の大規模な制作会社を立ち上げた奴もいる。そういう会社が成功するよう、心から声援を送りたい。でも、映画ばっかじゃ飽きないの?とは思う。

専門化せず、つまみ食い的に、多様な業界の映像需要に応えられる会社というのが、時代の変化にも生き残れ、社員も飽きずに在職し続けられる、ノウハウのある楽しい職場なんじゃないかなと、個人的に思っている。

ノウハウがなければ生き残れないし、生き残った会社にしかノウハウは残らない。
焼畑農業みたいな業務スタイルの会社は、どうぞご自由にご退場ください。
...とか言ってみるテスト。


■風が吹けば桶屋が儲かる的なナニカ
このブログは、観光立国に関わるものを時々書くけれど、それは、観光立国にはカジノが必須だと考えており、カジノが認められればコンテンツ産業が潤うと考えているからだ。そして、JALを批判するのは、観光立国をインフラ面で妨げているのがJALだからだ。

航空行政が健全化し、LCC+地方空港による安価な観光インフラが整備され、普天間基地跡地だろうと、夕張だろうと、お台場だろうと、カジノが解禁され、観光立国となることが、日本のコンテンツ産業の活性化と合法化(カジノにまつわる仕事は、非合法であってはならないので、不正を厭わない旧態依然とした制作会社は受注できない仕組みも必要)につながる可能性というのに、大いに期待してる。


そして自分は、そういう時代に法律分野で貢献できたらという思いで、職を辞して法科大学院にいる。今回の日弁連の会長選にはガッカリしたし、今年はどうあがいても合格できそうにないけど、新司法試験は三振するまでチャレンジする所存。ギャンブル人生ですわ(涙)


■蛇足1
みんなの党の柿沢議員は、都議時代にお台場カジノ構想に深く関わり、カジノ推進に積極的だし、ショートショートフィルムフェスティバルにも関わってて、映像産業に興味も持ってる。かつ、みんなの党は観光立国も重視している。こういう話に興味持ってくれないだろうか?

■蛇足2
経産省が、コンテンツ振興策についての意見募集をしているので、またちょっと違う話を書いてみた。
「レンダリングサービス等におけるテンポラリライセンス」
https://open-meti.go.jp/ja/idea/00786/

■蛇足3
「ハリウッドVFXの仕事を日本で受注するための支援」で、このエントリを紹介。
https://open-meti.go.jp/ja/idea/00131/
関連して、こちらにも紹介されてます。
http://shikatanaku.blogspot.com/2010/02/vfx_9898.html

みんな、なんとかしたいんだよね。

フォーサイト3月号が届いた。気になったのは、「危機に瀕する日本の知的発信力」という中東研究で有名な池内恵氏の記事で、相次ぐ外交・国際政治分野の雑誌の休刊が、研究者の発表の場を奪い、研究機関の水準が保てなくなり、国際的な発言力を維持できなくなる、という趣旨の問題提起をしていた。権威の高い雑誌を作り上げ維持していくことの大変さと重要さを訴えていた。

外交フォーラム」は外務省が一定部数を買い上げて採算を取っていたが、「事業仕分け」で予算が打ち切られ、3月号で終刊。

アジア経済研究所の学術誌「現代の中東」も1月号で停刊。

日本国際研究所の学術誌「国際問題」も予算カットで紙版の発行を止め、賛助会員だけのWeb版に。(ただしこれは、印刷製本版配本サービスが始まるようだ。)

そして、「フォーサイト」も4月号で休刊。

これだけ立て続けに、外交・国際政治分野の雑誌が消えれば、そりゃ心配になるのは当たり前だ。

しかし、紙媒体にこだわらずに、紙媒体以上の発表の場として、Web化を模索することは、最早避けられない話だろうと、読みながら思った。


そしたら、何とその3月号に、4月号で休刊が決まっていたフォーサイトが、夏からWeb版でスタートすることが決定したとのお知らせが!

http://www.shinchosha.co.jp/info/emergency/foresight2.html
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/201003/monthly.html

超ウレシイですw

散々嘆いた甲斐があったか?
http://maruko.to/2009/12/foresight.html

Web版についてのアンケートが始まったので、早速答えた。
http://www.shinchosha.co.jp/ssl/foresight/enquete/

-->
Q13. ウェブ版「フォーサイト」にどんな機能・サービスを期待しますか?
  PCでWeb上で記事を見る分には、過去記事検索は当然に必須だろう。しかし、単に過去記事を検索できるというより、異なる号同士、異なる筆者の記事でも、関連性のある記事をジャンル・時系列で体系的に表示して欲しい。単なる検索では、Googleでキーワードで検索するのと同じになってしまう。記事の体系的な見せ方こそ、雑誌の編集の視点であり、それは過去記事の見せ方にも必要な視点だと思う。
 号単位の編集ではなく、サイト全体で過去記事も時系列で編集し、その視点を読者に提供するようなイメージだ。フォーサイトで提供される記事を受け身で読むことと、Googleで検索して情報を能動的に探して読むことは、情報に対する接し方が全く異なる。
 例えば「中東」の情報を得たいという場合に、Googleで自分の見識の範囲で思いつくキーワードで検索し、たどり着けるサイトというのは、自分の能力に依存した限られた結果であり、自分の興味の範囲内の情報しか得られない。それに対し、フォーサイトで「中東」のページを見る場合に期待するのは、フォーサイトの視点で提供された情報に受け身で接する機会を得ることであり、自分の検索能力では辿り着けない記事を読めることに、金銭的価値を見出す。
 ただし、一度契約したら、それ以前からのユーザーと全て等しく記事に接することができるのは、継続的に契約する意欲を失わせる。そこで、そういったサイトの利便性は共通に確保するとしても、継続的に契約する者へのインセンティブとして、少なくとも読者契約期間内の記事に関しては、 eBookJapan等の専用ソフト上でも良いので、ダウンロード保存可能にして欲しい。

 また、やはり継続的契約のインセンティブとして、フォーサイトクラブセミナーの在り方を考え直して欲しい。契約中の読者のみ、セミナー会場からの Ustream生中継を見れるようにし、Twitterでハッシュタグを使い、セミナーを同時に遠隔地から見ている読者同士のつぶやきを共有できると面白い。
 読者のつぶやきをフォローしている、読者でないTwitter利用者は、何の中継を見ているのか興味を持つだろうから、フォーサイトの宣伝にもつながるだろう。
 類似のサービスとして、記事もしくはジャンル毎に、ハッシュタグを決め、契約者からしか見えていない記事に関するTwitter上での読者同士のつぶやきを推奨すると面白い。つぶやきに興味を持った人が、元記事を読みたくて読者契約するかもしれない。読者同士としても、他人がどう感じているか知ることも、また、関連した情報を持つ読者のつぶやきから新しい情報に接する機会を得ることも、面白い。

 携帯や電子書籍端末への対応は、特定の端末に限定せず、広くやって欲しいが、端末によって選択的に価格設定をしても良いのではないか。

 なお、有料サイトとして、ある程度の閲覧制限は必要だろうが、完全制限ではなく、個人の外部ブログ等から、記事の一部引用、トラックバックを可能にしてもらえると、ブロガーとしては有り難いです。
-->

という感じで。

期待してます!!

アドビが、アップグレード版の購入に使えない、世代の古い旧バージョンのままのユーザーに対して、下取りキャンペーンを始めた。
http://www.adobe.com/jp/joc/store/eco/

でもアドビは、ライセンスの利用許諾をしているだけで、ソフトウェアの所有権は譲渡してないのに、下取りって言い方、おかしくない?

-->
本キャンペーンにご応募いただくには、お持ちの旧製品のメディア本体と、「エコキャンペーンお申し込み兼ソフトウェア廃棄に関する誓約書」(以下「申込書兼廃棄誓約書」)をアドビにご提出いただく必要があります。
<--

というので「申込書兼廃棄誓約書」を見てみると...

-->
【 ソフトウェア廃棄に関する誓約書 】
本状は、エコキャンペーンのお申込みと同時にお客様の旧アドビ製品をアドビへご返却されたことを条件に、お客様の旧アドビ製品に対する使用権が直ちに終了および取り消されることを確認するのもです。お客様は当該旧アドビ製品をご利用のコンピュータより速やかに削除し、当該旧アドビ製品から作成した複製物をすべて廃棄しなければなりません。当該旧アドビ製品またはその複製物の第三者への転売・譲渡・寄贈・配布はできません。お客様が本状に署名し、本状と当該アドビ製品をアドビへ返却し、アドビがそれを受領後、アドビは当該旧アドビ製品とシリアル番号の「廃棄」を行います。お客様がアドビ製品のエンドユーザー使用許諾契約書に基づき当該アドビ製品を使用する権利は、お客様が本状に署名し、本状と当該旧アドビ製品をアドビへの送付を完了した時点で終了します。
<--

なんだ、やっぱり使用権の終了・取消しと書いてある。
で、PCからアンインストールしろと。

そんなの守るユーザーが、現実に何割いるのだろうか。

それに

>当該旧アドビ製品またはその複製物の第三者への転売・譲渡・寄贈・配布はできません。

これって、下取りと関係なく、そもそも利用許諾だけなんだから、最初から禁止してるはずではないか。下取りに出さなけりゃ、転売することが許されてるかの解釈が可能な書き方は、ちょっとオカシイ。

更にFAQを見ると、驚き。

-->
Q3. 対象バージョンのPhotoshopやIllustratorを所有していましたが、すでにCS2などにアップグレード済みです。このキャンペーンに応募できますか?

A3. 旧バージョンからアップグレードを継続いただいているお客さまへの感謝の気持ちを込め、上記お手続きまたは製品登録内容を確認した上で、ご応募を可能とさせていただきます。なお、アップグレード版をご購入いただくのが一番お得な選択となりますので、まずは上記価格をご参照ください。ご不明な点はアドビストアコールセンターまでご連絡ください。
<--

既に旧バージョンをアップグレード元として、新バージョンを安価に購入していても、同じ旧バージョンを下取りに出せて、もう1本新バージョンが買えると...

これが意味することを考えてみる。


まずアドビは、アップグレードで新バージョンを入手しているユーザーもが、今でも旧バージョンを活用しているという事実を認識しているということだ。

以前は、アップグレード版をインストールしたら、旧バージョンと併存を禁じて、旧バージョンを使いたいボリュームライセンスユーザーは、インストールの都度アドビに申請しろという無茶な利用許諾条件を押し付けていた会社であることを考えると、感慨深い。

しかし、どうして旧バージョンが活用されているのか、どうして新バージョンが受け入れられないのかという、ユーザー側の理由に耳を傾けるのではなく、どうにかして旧バージョンを捨てさせたいわけだ。


そもそも、旧バージョンから新バージョンにアップグレードしているユーザーが、どのシリアルの旧バージョンからアップグレードしているか、アドビは把握していない。

アドビはかつて、シリアルナンバーなどユーザー情報のデータベースに不具合が生じたことがあったが、いつのまにか、アップグレード版購入者のユーザー登録に、旧バージョンの購入者であることの証明を要求しなくなった。インストールの段階で、旧バージョンのシリアルが要求されるが、それがアドビに管理されているわけではない。

もっと言えば、ユーザー登録を必須とせず、登録したい人は任意に登録すれば?という態度に変わった。旧バージョンをユーザー登録せずとも、新バージョンへのアップグレードが可能な、吃驚するほどルーズなユーザー管理姿勢に移行した。

膨大なシリアル情報のデータベースの管理を放棄したのか、管理コストを削減したのか知らないが、アドビが正規ユーザーを軽視する姿勢だけは、昔から一環している。

だから、上記FAQの答えは、別にアドビが寛容なのではなく、そもそも制限できない、というのが実際のところだろう。


では、どうしてアドビが、こんな必死のキャンペーンまでしなければならなくなったのか、売上げのプレスリリースを見たら分かったので、グラフにしてみた。(昨年もグラフにしているので、手直ししただけだが。)

adobe2009_4.jpg

2009年第4四半期、なんと純利益がマイナスに転じた。

adobe2009s.jpg

もちろん、通年なら真っ黒に黒字だ。しかし、四半期とはいえ赤字というのは、営業部門が必死になるには十分な理由だろう。

ただし、この時期アドビは、Omnitureを買収している。この点を考慮すれば、不振は一時的なものかもしれない。かつてのマクロメディア買収前後の売上げに比べれば、遥かに上だからだ。

ところが、当時より純利益は遥かに下回る。最近のアドビは、利益率が極端に下がっている点が興味深い。

もしかするとCS4は、アップグレードユーザーばかりで、利益率の高い新規ユーザーが、ほとんど開拓できなかったのかもしれない。

不況の影響もあるだろうが、独占したプロユース市場が飽和気味で、新規ユーザー増加が見込めないのか?とか、色々想像してしまう。

そういうタイミングで、あえて年末にOmnitureを買収し、新規市場開拓に出たというなら、戦略としては納得だ。今まで散々蓄えてきたろうし、2008年末には、事実無根の「売上げ不振」を理由とした、600人のリストラを発表している。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20384723,00.htm
2009年の不振は、2008年末時点で予測済みだったわけだ。
(「事実無根」というのは、2008年末はまだ、過去最高の売上げだったからだ。)

自らは先にスリム化し、不況のタイミングで他社を買収して事業拡大。
上手い。上手すぎる...


しかし、ユーザー側から言わせてもらうと、事業拡大してまで余計な機能は要らんから、軽くてバグの少ない安定したソフトを希望したい...
http://www.omniture.com/jp/company/adobe_faq
-->
アドビ システムズがOmnitureを買収した理由は。
アドビ システムズの事業目標は、あらゆるユーザーの、アイデアや情報の関わり方に変革をもたらすというものです。アドビ システムズのコンテンツ制作ツールやユビキタスクライアントと、Omnitureのウェブ解析、計測、最適化テクノロジーを組み合わせることにより、すべてのデジタルコンテンツプラットフォームおよびデバイスを通じて、魅力的な体験やEコマースの未来を変革することのできるソリューションを提供することが可能になります。
<--




てへ!
今後も、現場が要望しない機能テンコ盛りな予感。

天下のアドビ様が、ユーザー目線に立ってくれることなんて、あり得ない話でしたねーーー
ちゃんちゃん!

蛇足:
>アドビはこのキャンペーンを通じて発生した利益の1%を、植林や里山保全に関する人材育成を行っているNPO団体に寄付します。
>ご購入の際にはパッケージやメディア不要で資源を節約でき、かつ送料無料で価格もお得なダウンロード版をぜひご活用ください。

価格がお得なのは、送料分の630円分だけだそうで...普通、節約したメディアやパッケージ分、ダウンロード版は販売価格を安くするものだろ?
何で販売価格は同じで、送料なんて当たり前の部分削れてるからって、お得とか言ってるの?
ユーザー側の資源節約が、丸々アドビの利益になるのに、何がエコだよ。

CS4の発売前後くらいからの販売方針とか、物凄くエグイ売り方をする会社になったと感じている正規ユーザーは、多いはずだ。時期的に考えると、クレイグ・ティーゲルが日本法人の代表取締役社長になったせいか?

追記:
やっぱ皆さんご不満のようで。
http://d.hatena.ne.jp/seuzo/20100207/1265518232


最近、小沢問題関連で、検察批判の声が増えてる。

これに関して、数日前にTweetしたけれど、無反応だったので、ちょっとまともに書き起こしてみる(苦笑)

確かに捜査機関の捜査手法には、問題が多い。従来から弁護士会などが問題視している点は、今後も改善を強く働きかけるべきだろう。しかし、全てを「検察権力の暴走」などと単純化して非難する人々は、重要なことを忘れてる。

令状主義の我が国では、逮捕状も勾留状も、発布するのは裁判所である。

例えば、石川議員の逮捕や勾留を非難してる人は、その必要があると認めた裁判所については、どう思ってるのだろう?

本当に、理由らしい理由が無いのに勾留されてるなら、悪いのは、勾留請求などをした検察よりも、それを認めた裁判所だろう。検察がいくら暴走しようと、裁判所がまともなら、根拠なく国民を逮捕・勾留なんてできない仕組みになってるのが、刑事司法のタテマエ。元々、権力は暴走するのが当たり前だから、それを防止する仕組みが制度に埋め込まれているのだ。

弁護人は、逮捕・勾留中の依頼者の釈放のため、勾留理由開示請求や勾留取消のための準抗告を申し立てることができる。しかし、それが認められるかどうかだって裁判所次第だ。


ところが、この国の刑事司法の問題点は、検察と裁判所が仲良しってところにある。
刑事訴訟は99%以上の有罪率。だからこそ、裁判員制度への期待も大きいわけだ。


だから、捜査手法を非難したい人は、検察の暴走を非難するより、暴走させないためにある裁判所の機能不全こそ非難すべきだろう。(ま、今回の件で実際に機能不全なのかは、知らない(^^;)


更に、捜査情報リークの問題に関しては、刑事事件だけの問題じゃない。記者クラブ問題など、マスコミが元々抱える、情報操作一般の問題だ。政治や政策の問題なんかでも、官僚等が意図的に情報リークして、マスコミを操って世論を操作するのは、日常茶飯事ではないか。記者は、提供された情報と異なる記事を書けば、以後締め出され、その会社全体が干されたりする可能性もあるわけだ。

そういう、日本の報道全般の問題を、今回たまたま検察だけ狙い撃ちするのは、「木を見て森を見ず」ではないか?

要はマスコミは、情報戦の一方の道具に成り下がらない手法を確立すべきだ。刑事事件に限らず、政治や政策の話題でも、「関係者」のリーク情報を垂れ流さずに済むように、自己批判すべきだ。


個人的には、多少行き過ぎた世論の力で、今までの刑事司法の問題点の一部(取調べの可視化とか)でも解消できちゃったら、それはそれで望ましいとも思ってる。きっと、刑事訴訟専門の弁護士などは、シメシメと思ってるかもしれないw

しかし、過度の検察不信が裁判員裁判に与える影響なども、気になる。
捜査機関の権威が必要以上に失墜することは、それはそれで望ましくないだろう。

間違っても、今後一切検察が政治家を起訴できなくなるような事態は、非常に困る。検察の高い鼻をへし折るくらいは構わないが、彼らが再起不能になるまで殴り続けてはいけない。権力と権力の均衡は、絶妙なバランス感覚が求められるだろう。


日本の国際緊急援助隊(通称JDR)25名は、ハイチ地震から5日以上たって、やっと現地入りした。阪神淡路から15年の1月17日、TVで特番が流されていた時点では、まだハイチに到着していなかったので、TVを見ると複雑な思いがした。
「緊急」って意味、なんだっけ...

残念過ぎる対応の遅さに、疑問を持つのが当たり前だ。
四川の時は、あんなに対応が速かったじゃないか。

それが、外務省のカリブ室の担当一人の資質が原因なら、残念を通り越して、情けなさ過ぎる。
http://blog.asaikuniomi.com/?day=20100115
上記ブログには驚いた。


しかし、昨日の外務大臣の会見現場からのある記者のTweetによるとこうだ。
http://twitter.com/kamematsu/status/7938044491
つまり、元々PKO部隊が行ってる治安の悪い国だから、武器を持っていけない現行法で丸腰でいきなり救援に行かせられなかったから、ということだ。これは問題だ。

すると、他国の救助隊等は皆、武器を携帯していたのか?

アイスランド外務省の広報官は「我々は日本と同じ地震国で経験がある。財政が厳しくても、助けを求める声に応じるのは当たり前だ。」と言ってるそうだが、今回地震から24時間足らずで現地入りした彼らの救助隊は、武器を携帯していたのだろうか。是非聞いてみたいものだ。

しかもJDRは、ハイチに直行せず、JALのチャーター機でマイアミまで行って、アメリカで訓練中だったとかいう自衛隊機に乗り換えてハイチ入りしている。"偶然"自衛隊機を使えて良かったね。TV的には、良い宣伝になった?

でも、マイアミで時間無駄にしないで、直行便チャーターしなさいな。
出発までに時間かかったのに、まだマイアミで、ハイチでの治安状況、安全確保対策等を確認していたなんて説明、誰が信じますかいな。
あ、例の外務省のカリブ室の一人が、ここでも手際が悪かったのですか?(苦笑)

アイスランドの救助隊を運んだのは、アイスランド航空のチャーター機で、帰りには80人の外国人をパナマに脱出させている。他国は民間機ですよ?

あ、まさか、我が国のナショナル・フラッグ・キャリアは、債務超過でハイチまで飛べませんでしたか?
アイスランドなんて、国全体が債務超過なのに(苦笑)

そりゃJALといえば、かつてイランなどからの在外邦人救出ですら、危険だからとフライトを拒んだ会社として有名だけど...まさか今回も断りましたか?


我が国の外務大臣の発言が問題だと感じるのは、現行法を諸悪の根源にしている点だ。
法律があるから、人命救助できなかったとなれば、法律を改正しろという世論が形成される。では、「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」で可能なこととは何だろう。同法3条2項によれば、自衛隊が派遣できるのだが...

JDRには本来、救助チーム、医療チーム、専門家チーム、自衛隊部隊の4構成があり、その役割の違いは、以下のJICAのサイトに説明がある。
http://www.jica.go.jp/jdr/about.html

ところが今回派遣されたのは、現時点でまだ医療チームのみだ。
その医療チームは今、現地でスリランカ軍に護衛してもらっている
http://www.jica.go.jp/information/jdrt/2009/100119.html
スリランカ軍も、護衛なんて頼まれなけりゃ、救援活動手伝えるだろうに...なんだか申し訳ない気持ちになる。

他国の軍隊に護衛を依頼するほど危険なら、そもそも自衛隊部隊も一緒に送りなさいな。たとえ武器が携帯できなくとも、自衛隊部隊がこの場面で無用という第一判断は、どうやって導き出されたのさ。法律を非難する前に、法律で最大限可能な活動を最初からしなさいな。何日も何日も検討時間を費やしたのだろ?


そして、自衛隊部隊派遣の話がやっと出たのは、18日になってのことだ。
「【毎日jp】ハイチ大地震:自衛隊派遣準備を指示 防衛相」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100119k0000m010066000c.html
この対応の遅さは、最早人災。法律のせいにしなさんな。


さて、整理してみよう。

1、異常なまでのJDR派遣の遅れ
2、パフォーマンス的な自衛隊機の使用
3、それに続く自衛隊派遣の決定
4、法律で可能な最大限の選択をせず、武器を携帯できない法律のせいで対応に時間がかかったかの発言をする外務大臣


この状況で逆算的に、迅速な対応を可能とするにはどうしたら良いかと考えれば、「自衛隊に武器を持たせて海外派遣できるようにすべきだ」、ということになる。

なんのことはない。これは、自衛隊法改正の議論だ。まさかこの場面で使われるとはな...

かつては、邦人救出に手間取って政府が批判される場面で、「だから自衛隊法改正を」という世論が形成され、2006年の改正で緊急時の在外邦人輸送が本来の任務になったばかり。対応が遅れた事実+法律が悪い、となると、法改正は楽なのだ。

まさかと思いたいけれど、外国人の人命を政治に使いなさんなよ...


しかし、外務大臣の説明が信用できないのは、訳がある。
http://twitter.com/uesugitakashi/status/7937782751
http://twitter.com/uesugitakashi/status/7937836417
自衛隊派遣を選択した後なのに、外務大臣自身は、駐日ハイチ大使と支援について確認してないってのは...

外務大臣は、自衛隊派遣の前に、駐日ハイチ大使と直に会うことくらい、すべきなのではないか?その必要もないの?

追記:
「【毎日jp】ハイチ大地震:治安の悪さ、自由な救出活動阻む」
http://mainichi.jp/select/today/news/20100121k0000m030039000c.html?inb=fa
他国の救助隊も、PKO部隊の警護を受けていることが分かった。つまり、自衛の手段など、他国の救助隊も準備していなかったということだ。それでも、迅速に現地入りしたのだ。我が国が無駄に時間を浪費している間に、後から治安が悪化したというのが、実際のところだろう。

言うまでもないけれど、現地で頑張ってるJDRの医療チームの方々や、これから派遣される自衛隊部隊の方々も、個人的には何も非難する気は無い。問題は政治。

少数意見

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喪中なんで、新年の挨拶はナシってことで、新年一本目をどう書くべきか迷ったけれど、たまには法科大学院の学生らしいネタの紹介を(自爆)

以前、朝日のGLOBEが良いと書いた。
http://maruko.to/2009/12/globe.html

実は、上記のJALの前の特集が、「日米最高裁 少数意見が社会を変える」だった。
http://globe.asahi.com/feature/091102/

これも、凄く良い特集だったので、取り上げてみる。


ここで言われている「少数意見」とは、最高裁の判決文に、一見オマケのように追記されてる補足意見や反対意見のこと。判決文に反映された多数の裁判官の意見ではなく、採用されなかった少数派の意見。

実は、これの重要性は、法科大学院に入った当初、ほとんど理解していなかった。憲法の授業で先生に重要と言われても、全然ピンとこなかった。「なんで?採用された多数派の判決文だけ読めばいいじゃん。それでも膨大で、読むの大変なんだから...」という感じ。

多分、世間一般の感覚としても、判決に採用されない少数派裁判官の意見の重要性なんて、気にする人はいないだろう。

もっと言うと、民主主義一般における少数派の救済の仕組みなんぞ、考えたこともなないかも。


上記特集の中の誰かのインタビューにも出てくるけれど、民主主義と立憲主義は、時々矛盾する。民主主義だけに任せると、いつの間にか少数者は抹殺される。だから、基本的人権を尊重する立憲主義が必要になる。それが、我が国の採用する立憲民主主義。

ところが、立憲民主主義の要である最高裁だって、裁判官の多数決だ。そこでも採用されないのが、この特集の「少数意見」。これが、社会を変えることがある。つまり、立憲民主主義の要の中の要、というところだ。

何十年前の「少数意見」が、現在の「多数意見」に変わる瞬間が、立憲民主主義が機能した瞬間とも言える。「少数意見」とは、未来のあるべき姿を予見していたりするわけだ。


そういう視点で、この年始に、上記記事を熟読することをオススメする。

なんでかって?

先月、最高裁の裁判官は3人交代した。2人が定年、1人が亡くなったからだ。
あと半年で、更に3人が定年を迎える。
たった15人の最高裁で、短期間に6人もメンバーが交代するわけだ。

今年は、かつての「少数意見」が「多数意見」に変わる瞬間を、目にするかもしれない...

フォーサイトが、20周年の節目となる来年4月号で、休刊が決まった。
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/
編集長が語る今月のフォーサイト
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/201001/monthly.html

とてもショックだ。


(1)厳しい出版状況に直面する中で、全社的な事業の再編、特に雑誌部門の見直しが避けられなくなったこと
(2)二十年間の健闘はあったものの、今後の収支改善の見通しが立たないこと
(3)インターネットの普及で、国際政治経済情報を扱う月刊誌の役割が大きく変化したこと

この3点が、休刊理由だそうだ。
http://www.shinchosha.co.jp/info/emergency/foresight.html

かつて、「ウェブ進化論」の梅田望夫が「シリコンバレーからの手紙」を連載していた雑誌であることを思い起こしても、ひとつの時代が終わるかのように、感慨深い。進化に追いつけなかったわけだ。

我が家では、母親が創刊号からの読者だった。
その影響で、自分も読者になった。

社会人になってから、他に定期購読していた雑誌といえば、「エイビーロード」しかなかった(オイ!)自分にとって、フォーサイトによってもたらされる情報は、常に貴重だった。

一人暮らしを始めてからは、たまに実家に帰った時に目を通す感じだったが、今年は公式の読者ブロガーとなり、毎月献本してもらって、記事をブログで取り上げてきた。しかし、結局読者増加には貢献できなかったわけだ。


どうやら、現在の読者数は約2万2千人程度だとか、某所で目にした。

値上げしてでも存続してほしかった読者も、少なくないだろう。
存続のために必要であったなら、一冊千円が二千円になったって、自分は買っただろう。
店頭販売のない雑誌を定期購読する読者なのだから、普通の雑誌の読者とは思い入れが違ったのではないだろうか。

印刷と配本にコストがかかるなら、PDFでダウンロード販売でも良かった。同じ編集部で、有料でWeb化してくれれば良かったのに...
(ちなみにエイビーロードも、インターネットの普及によって情報の即時性が求められるようになり、月刊誌の存在意義が問われ、無料でWeb化した。)

冗談みたいだが、今月号に「米既存メディアに吹きすさぶ寒風」という記事があった。この2年で、米メディア界では4万7千人が職を失ったという話だ。ここに書かれている、メディアが経営を悪化させた3つの理由は、恐らくフォーサイトの休刊理由の(1)と(3)にも関係する。自戒の念を込めての掲載だろうか?(苦笑)

1、不況による広告収入の激減
2、収入源になっていた求人広告や不動産情報が無料のネットサイトに奪われた
 (既存メディアよりも、広告効果が分かりやすいため重用される)
3、読者の生活習慣の変化

特に「3」が重要だ。
携帯電話などで短いニュースを「見る」ことに慣れた人々は、新聞で深く「読む」ことをしなくなったというのだ。

記事は、その結果として、地方紙の衰退で記者の減った各地の州都で、既に州政府の腐敗が目立つようになったという。そして、権力の監視という、民主主義の存立に必須の伝統的メディアの役割をどう守るか、様々な事例が紹介されていた。


しかし思うに、日本での「3」の変化は、ちょっと違うのではないか?
例えば、政治的なニュースに興味すら示さなかった層が、短くとも、ネットでニュースに「触れる」ようになったとも見える。mixiなど利用していると、興味がなくともニュースが目に入るようにサイトが作られているから、言葉足らずのニュースを鵜呑みしたり誤解したりして日記を書いている人々を多々見かける。そして、2ちゃんであれ、まとめサイトであれ、興味を持った個別の事案について、日本のネット利用者は、「読む」ことを嫌っていない気がする。少なくとも、twitterで政治家と直接つぶやける現在、一方通行の伝統的情報メディアのみの時代より、民主主義が進歩してる気がする。mixiも2ちゃんもtwitterも利用しない人は、既存メディアに依存したままだろうから、「3」は該当しないかもしれない。

問題は、「チラシの裏の落書き」と、「価値ある情報」の違いを、見分けられない人が少なくないだけだ。世の中には、買うべきニュースソースがあることを知らない層が、増えたかもしれない。そういう意味で、日本にも「3」が該当すると思うし、そういう意味で、フォーサイト休刊理由の(3)も正しいとは思うが、解釈は逆だ。インターネットの普及で、国際政治経済情報を扱う月刊誌の役割が大きく変化したが、だからこそ「重要度が増した」と思っている。

インターネットの普及で、有象無象の情報が氾濫している今こそ、フォーサイトの視点で、月刊誌ペースで深みのある情報を提供するメディアが必要だと感じる。しかしそれが、紙媒体である必要は無い。


ちなみに今月号では、アフガニスタン、イラン、イラク、アメリカ、ロシア、中国、北朝鮮といったいつもの記事もさることながら、以下の記事を集めた『「王室」の研究』という特集が良かった。
-->
・女性が担う欧州王室の未来 三井美奈
・2つの民族間で揺れるベルギー王室の挑戦 大野ゆり子
「王制論議」が示すタイ社会の地殻変動 樋泉克夫
・ハシム家とサウド家「2人のアブドラ」 三井美奈
・両陛下カナダご訪問に見る「皇室外交」の意味 西川恵
-->

加えて、歴史作家が連載する「国際人のための日本古代史」では、『遷都1300年「平城京」で起きた聖武天皇と藤原氏の暗闘』だ。

こうして、現代における各国の王室の状況と、皇室外交のあり方を特集しつつ、はるか昔の政治の道具そのものだった天皇に関する史実も読んだ上で、小沢の問題発言についての記事も読める。

いやはや面白すぎる。こんな雑誌が休刊とは、本当に残念だ。

世の中、即時性を要する情報と、そうでない、短絡的では困る情報があるのであって、インターネット時代であろうと、月刊誌のペースで情報発信する媒体の存在意義は、十分にあると思う。ネットは、読者の情報収集能力に依存した情報を得るには適しているが、自ら日常的な興味の範囲外について、多重的かつ多様な情報を吸収するには、信頼できる編集部の視点に一定程度依存できる雑誌は、大変有り難い。Googleの検索結果とは違う。

また、そういう情報は、毎日大量に得られることは望まない。一ヶ月に一度、フォーサイトが届くのは楽しみだったし、届くと興味の有無に関係なく、一気に読破した。ネットでは、毎日情報が氾濫していて、そこから取捨選択し、無駄な情報を排除するのに必死だが、月刊誌に接する場合、情報への自分の接し方は、180度異なる。

民主主義には、両者が必要なんじゃないか?


ところで、フォーサイトの場合がどうだか知らないが、大半の出版社には、「紙」の流通に関する異常なピンハネ構造があって、出版コスト削減を阻んでいる。もしかすると、ピンハネだけではなく、Web化で「紙」が無用となること自体に抵抗してたり...と想像したくなる。

旧態依然とした二重三重の「卸」が、仕入れや納入の実態なくして、利益だけ取っている場合が多いそうだ。出版社は、印刷会社から紙を購入すれば、効率的で安価にできる。ところが、そうしている出版社はごく少数派。大半は、製紙会社から二次三次卸を経由させた紙を、印刷会社に納入して使う。そして卸は、実は出版社自らが設立していたり、何故か出版社毎に特定の「卸」が独占していたりして、そこには出版社の創業者一族が名を連ねていたりする。営業努力なしに常に黒字の、優良企業だ。

どこの世界にも、かつては存在意義があったのに、今は無用な長物と化してしまった既得権益団体のようなものがあるものだ。そういう仕組みの効率化こそ、先に着手されるべきだ。しかし現実は、淘汰されてはならない情報誌から、インターネットの影響を言い訳に、淘汰されてしまう。インターネットは悪くないのに...


さて問題は、今後だ。
読者数の多い雑誌は、買う価値を感じない。
学生時代、サブカル雑誌と化したガロをレジに持っていった時の心理に似ているw

あ...だから、自分の買う雑誌は、軒並み消えていくのか?(自爆)


フォーサイトと多少近い雑誌に、「選択」がある。上記の紙流通の問題は、実家になぜか届けられた、「選択」の試供本に掲載されていた。興味深い雑誌だ。しかし、フォーサイトと違って、各記事の執筆者が無記名なのが気持ち悪い。


困ったな...

12月1日、無所属の参議院議員だった川田龍平が、みんなの党に入った。
これは同時に、民主党からの誘いを断ったことを意味する。

その決断の理由としては、民主党が圧倒的多数の状況で、議員立法を原則禁じたというのが大きいようだ。今まで、超党派で議員立法を呼びかけたりして頑張ってきたけれど、現状それが困難になってしまっている。圧倒的多数の衆院だけでなく、参院だって、あと1議席で民主が過半数だから、そんな大半の議員が議員立法に協力できない状況で、無所属議員のままじゃ、可能な活動が極端に減ってしまったようだ。だからといって、民主党に入ったところで、議員立法が許されないことに変わりはない。せいぜい、いい面の皮にされ、しがらみに雁字搦めにされて終わりだろう。

民主に限らず自民も含め、大政党の医療政策は、医師である議員が中心になって作っていて、当事者である患者の目線を基本とする彼の発想では、常に疑問を感じていたことも理由にあるようだ。

だから彼は、みんなの党に入って、来年の参院選で二桁以上の仲間を当選させるよう頑張って、議員立法など議員として本来の活動が可能となる可能性を選んだのだろう。

これが絵空事でないのは、参院選は、比例代表が全国単位だからだ。みんなの党は、先の衆院選で、資金不足が理由(なんせ癒着してる支援団体とか無いから、金が無いw)で、比例区で当選できたはずの2議席分の票を無駄にし、民主と自民に1議席ずつプレゼントしただけでなく、立候補者を立てられなかった比例区からは、「投票したいのに」という声に応えられなかった。それが、全国単位なら、ちゃんと票を生かせるわけだ。


加えて、彼が無所属の限界を感じたのは、厚生労働系の委員会に参加させてもらえなかったこともあるらしい。HIV感染者として薬害エイズ訴訟を戦った彼だから、当然、厚生労働分野で頑張りたかったけれど、あの手の委員会は、議席の多い政党でないと参加させてもらえないらしい。そういう意味でも、みんなの党として参院選で二桁以上の仲間の当選を目指さなければならない理由がある。


更に彼は、薬害問題の原因の根幹が、政・官・民の癒着構造にあって、天下りなんて正に薬害の原因そのものだと考えている。だからこそ、天下り根絶を含めた「脱官僚」(この言葉は「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10入りしたが、その受賞者は鳩山由紀夫じゃなくて渡辺喜美)の重要性を具体的に理解し、これに本気のみんなの党の政策に、非常に共感できたのだろう。天下り根絶が大嘘だった民主党では、絶対にダメだったわけだ。


非常に理に適った判断であり、同時に決断力がある行動に思える。

患者目線での厚生労働分野での活動の場を、是非獲得してほしいものだ。



朝日のGLOBEで、JALに関する特集がかなり良くできてる。

実家は朝日を取っていて、ちょっと前に折込版のGLOBEを偶然手にしたのだけれど、そこのJALの特集がよくできていた。そしたら、Webだけの記事もあると書いてあって、紙面からWebに読者を誘導する上手い企画だなと思った。

「第28号 日本航空 再び翔べるか」
http://globe.asahi.com/feature/091123/

紙面の記事と同じものに加え、Webのみのインタビューがいくつもアップされてる。

で、このインタビューの載せ方がまた良い。
色んな立場の専門家に、大体似た質問をぶつけているから、それぞれの答えを比較できる。誰かの意見だけを正論とするのではなく、相互に反対のことを言ってる専門家のインタビューをそのまま掲載している。

これは、限られた紙面ではできない、Webならではのリッチな掲載方法だ。情報を選別せず、素材を列挙し、読者が比較判断できるようになっている。

短絡的になりがちな新聞の欠点を、雑誌的な編集方針をWebで実現することで補っている。(JAL以外の記事は、まだ読んでないけど)

ということで、早速RSSをブックマークしたのだけど...結局これで、Webだけで全部読めちゃう。これじゃ、最終的に新聞の読者拡大にはつながらないように思う。やはり、最終的にはWebを有料化していくための布石だろうか?

まあ正直、これだけの記事なら、金を出しても良いと感じた。


ちなみに、Webだけのインタビュー記事で、自分の意見と完全一致したのはこれ。
『第5回「必要なのは消費者利益に資する航空会社。日本の会社である必要はない」』
(塩谷さやか 桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授)
http://globe.asahi.com/feature/091123/side1/05.html
キレイな人だからじゃありません(自爆)


更に言うと、リンクに関する方針も良い(著作権法的観点を含め)。

現在、「ヨミウリ・オンライン」は、個別記事へのダイレクトリンクを認めていない。
「毎日jp」は、記事の掲載期間が原則1ヶ月しかないから、リンクしても...
「asahi.com」は、リンクは原則自由でも、リンクしたことを連絡しろという無茶振りだった。

しかし、このGLOBEは太っ腹だ。やっと、実情にあったリンクポリシーが示された。

「リンクについて」
http://globe.asahi.com/siteinfo/link.html

これで安心してリンクできるw
「記事見出しから当該記事ページへリンクを設ける場合も同様」ってことで、記事見出しの複製を認めている点は、著作権法的には一応論点だったりする。

あ、そういえば先月、
http://maruko.to/2009/10/hub.html
「読売と朝日で、雁首そろえてこのレベルだ。」と批判してしまったけれど、GLOBEのような報道姿勢もあると知ったので、ちょっと認識を改めます(^^;

北監視を主目的とした偵察衛星「光学3号」が、H2Aロケット16号機で無事打ち上げられた。成功自体は喜ばしい。しかし、偵察衛星の運用に関する説明が、どうもおかしい。

http://mainichi.jp/select/today/news/20091128k0000e040022000c.html(2009年11月28日 毎日)
-->
03年11月にH2A6号機の打ち上げに失敗し1組2基を失ったが、06年9月に光学2号機、07年2月にレーダー2号機の打ち上げに成功。これにより「2組4基」態勢が確立。だが同3月にレーダー1号機でトラブルが発生、現在は「2組3基」の変則態勢で運用している。政府はレーダー3号機を11年度に打ち上げる予定で、成功すれば「2組4基」態勢を回復できる。
<--

2003年3月28日、H2Aの5号機で打ち上げられたのが、「光学1号」と「レーダ1号」だ。そして、2007年3月25日、「レーダー1号」は故障して使えなくなった。

2003年11月29日、指令破壊したH2Aの6号が、「光学2号」と「レーダ2号」を同時に打ち上げようとして失敗したやつで、424億円が一瞬で消えた。今から、丁度6年前の話だ。

しかし、これら偵察衛星の耐用年数は、どれも5年だ。
どうして、最初から1年前には耐用年数を迎えることが分かっていた衛星に関する、打ち上げ失敗や故障を理由に、いまだに運用計画が達成できずにいることの正当化理由につながるのだ?

一切の打ち上げ失敗や衛星故障がなくとも、1年前の2008年11月には、全ての衛星の代替衛星打ち上げが予定されていたのでなければ、この偵察衛星計画は最初から破綻していたことになる。

内閣衛星情報センターは、2003年中に「2組4基」の運用を前提にすることで、天候などに左右されず(昼間は光学衛星夜や曇りならレーダー衛星)、地球上のどの地点でも1日1回撮影できることを目的としていたのだろ?

5年の耐用年数の衛星で。

それが、6年経過した今でも達成できていないなら、計画の杜撰さを現す以外の何者でもない。膨大な税金を投入しておきながら、だ。


実際には、打ち上げ失敗した分の代わりに、2006年9月11日に代替の「光学2号」がH2Aの10号で、2007年2月24日に代替の「レーダー2号」がH2Aの12号で、それぞれ打ち上げられた(後者では、光学3号機実証衛星も同時に)だけだった。

一応これで、2007年2月24日~3月25日の約1ヶ月は、「2組4基」態勢が確立したとされているが、実際には打ち上げから軌道調整には時間がかかるので、「2組4基」態勢で運用できたとは信じがたい。官僚は、そういうことは説明しないだろうが。


そして今回、2009年11月28日になって、やっと「光学3号」が打ち上げられたわけだ。2007年3月25日に壊れて「2組4基」態勢を破綻させたのは、レーダー衛星なのに...


何のことは無い。

現在、「2組3基」の変則態勢で運用せざるを得ないのは、打ち上げ失敗や故障の影響ではないわけだ。もし、耐用年数を考慮したまともな計画が立てられていたなら、打ち上げ失敗や故障が一切なくとも、1年前までには第2世代の新規の衛星が「2組4基」打ち上げられていたはずだ。また、耐用年数を超えても衛星を酷使するような馬鹿な計画であったとしても、「2組4基」態勢を目標とするなら、壊れて足りないレーダー衛星を早く打ち上げるべきではないのか?


「2組3基」の変則態勢の内訳は、耐用年数過ぎても運よく生きてる光学1号光学2号レーダー2号(+光学3号機実証衛星の変則4基態勢とも言える)だったのが、今回の打ち上げで、光学2号光学3号レーダー2号で、変則3基態勢になったのだろう。

次の打ち上げ予定は、2011年の(またしても)光学4号(寿命を迎える光学2号の代替)で、同年中に(やっと)レーダー3号が予定されていて、これでやっと2組4基態勢(光学3号光学4号レーダー2号レーダー3号)が確立するという。

2003年の計画から、8年遅れての達成予定だ。

しかし、その時にはレーダー2号が寿命となるわけで、レーダー3号は2号の代替でしかない。またもや耐用年数を無視した計画で、2組4基態勢確立とは片腹痛い(苦笑)

2012年に予定されているレーダー4号が成功して、初めて2組4基態勢が確立するというのが、本当の説明のはずだ。9年遅れました...と。


こんな馬鹿な話があるかと、2001年7月の「宇宙開発委員会 計画・評価部会(第7回)議事録」を見ると...

内藤(内閣衛星情報センター):
現在は、第一世代といたしまして4機の衛星の開発を進めております。第一世代の4機の衛星につきましては、平成14年度冬季及び平成15年度夏季に2機ずつデュアルロンチで打ち上げるという計画でございます。この衛星の設計寿命は5年でございますので、5年後には、この次の世代の衛星を準備する必要がございます。

お、分かってるよね。

安全保障に実用衛星として使う衛星であることから、さまざまなリスク管理に配慮するべきだという御指摘がありまして、次期衛星の中の2機につきまして、次期衛星1と呼んでおりますが、予備機的な性格を持たせて、なるべく短期に開発し、もし万が一第一世代衛星にトラブルがあった場合には、この2機で最低限のバックアップを行おうという構想になっております。

ふむふむ。

次期衛星も全部で4機を予定しておるんですが、次期衛星1で前倒しにした2機を除きます残りの2機につきまして、次期衛星2と呼んでおります。この次期衛星2につきましては来年度から研究を開発いたしまして、第一世代の寿命が尽きると思われます平成20年度の打上げを計画している。

なるほど、平成20年(2008年)度には、第二世代の衛星で「2組4基」態勢が確立する計画だったわけだ。ところが、次期衛星2の内の光学衛星が、今回の打ち上げた3号なわけで、1年遅れたと。

光学衛星につきましては、この衛星を利用する予定になっております各省庁からの要請でありますとか、諸外国の光学衛星の開発動向、さらには、先ほどからお話もありましたが、財政状況等も考慮、費用対効果も考慮いたしまして、次期衛星2では、さらなる高分解能化を目指す必要があるとセンターの方では考えております。

光学衛星は開発に時間がかかるから仕方ない?

なお、レーダ衛星につきましても、同様に諸外国の動向であるとか、費用対効果等も考えた結果、財政動向もありまして、基本的には次期衛星1と同等の性能とすることを考えております。

でも、レーダー衛星は次期衛星1(これが代替のレーダー2号となった)と同等なんだから、時間かからないよね。何でそれが、2011年のレーダー3号まで打ち上げないわけ?

第一世代衛星及び第一世代の予備機的な性格を持ちます次期衛星1につきましては、なるべく短期間で開発をして、実用に供しようということから、非常に短期間の開発で整備を進めておりますが、次期衛星2につきましては、分解能を向上するという目的のために所要の期間をかける必要があろうと思います。先ほどのスケジュール表にもありましたが、6年半は必要であろうと考えています。

へ?
6年半?
この議事録は2001年7月だから、その「来年度から研究を開発」するなら、2002年度から着手で、「6年半」ってことは...2008年11月までの打ち上げなんて、計画通りでも最初からギリギリじゃんか!

何のことは無い。最初からこの計画は、失敗や故障がなく耐用年数通りの運用が成立していても、第二世代が少しでも遅れれば、2008年11月には「2組4基」態勢が破綻する可能性が十分に予測可能だったわけだ。

世間では、そういうの、「無計画」というのでは?(苦笑)


2007年にレーダー1号が故障した時の報道を見た時、
http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/0704/web-news0402-1.html
耐用年数より1年早く故障しただけで、何で「今後約4年間、北朝鮮の軍事基地など「地球上の任意の場所を1日1回以上観測する」構想が実現不可能となった」のか、理解できなかった。計算が合わないじゃんか!と(苦笑)

ところがこの時点で、既に計画は遅れていて、耐用年数通り運用できても2008年~2011年までの3年間は、目標とする2組4基態勢が欠けることが分かっていたわけだ。しかも本当は、それすら耐用年数を超えた運用が前提で、本当に態勢が整うのは2012年というのが事実だった。


もう一度、2001年7月の「宇宙開発委員会 計画・評価部会(第7回)議事録」を見ると、こんなやり取りがある。

八坂特別委員:
次期は2機で運用ですか。」(第二世代のこと)
内藤(内閣衛星情報センター):
次期衛星1と次期衛星2を一応次期ととらえているんですが、この4機で、第一世代と同等な運用が実現できるんではないかと思います。
八坂特別委員 :
だから、ライフが尽きると、また次のを打つとかいう話になって、継続して運用されるんだと思うんですけれども、最終的にはこれは、分解能が伸びるとか、機能的に高くなっていくんでしょうけれども、それに付随して、運用の機数というのは一体どういうふうになるとお考えでしょうか。
内藤(内閣衛星情報センター):
現在、第一世代衛星を打ち上げる段階で、4機という形で進めております。当面はこの4機の枠内でやらざるを得ないんじゃないかと思いますが、さらに先まで行きますと、まだ何も固まっていない状況です

...ということで、初めから計画性ありませんでした(苦笑)


考えてみれば、レーダー1号故障代替レーダー2号の打ち上げが1ヶ月前後していたら、レーダー衛星ゼロの期間が発生していたかもしれないくらい、杜撰な計画だ(^^;;;

これがお咎めなしというのは、本気で国防を考えているとは到底考えられない。
実は、単なる国防利権を食い散らかすのが主目的じゃなかろうな?

頑張ってこれしかできなかったなら、悲しくなる...

予算が足りないなら、その予算でできることを目標とすべきで、実現不可能な「2組4基」態勢を目標に掲げること自体が、計画性がない。

無計画すぎて、当時事業仕分けがあったなら、確実にぶった切られてたのではないか?(苦笑)

参考:
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/090428/keikakuan.pdf
最終ページの「別紙2:9つの主なニーズに対応した人工衛星等の開発利用計画(10年程度を視野)」

蛇足:
事業仕分け自体は、自民党時代から一部の議員が非常に頑張ってやっていたので、民主党の専売特許ではない。要は、いくら事業仕分けを頑張っても、それが無視されてきたことが問題だったので、民主党の事業仕分けも、今後が重要。

先日、以前在籍していた会社のOB会なパーティーがあって、久々にデジハリに行ってみた。

その様子が、杉山校長のブログの最後に、ちょこっと書かれている。外人2人の写真をクリックすると、自分も写っているOB会の集合写真がポップアップで出てくる。

自分はデジハリの3期生(本科ビジュアルサイエンス専攻)で、その設立母体となった研究所というか会社に就職したのだが、なんかは、デジハリでクラスメイトだった。偉くなったなぁ(しみじみ)

しかし、恐らく彼にしても、杉山校長にしても、僕自身については、顔に見覚えがある程度だろう。何故なら当時、秋頃の就職活動の面接で、「VRMLでマルチユーザーでアバターがリアルタイムにインタラクティブに楽しめる仮想空間を作るのに興味があります」と言ったら、「じゃそれを作って持ってこい」と研究所の某所長に言われたからだ。デジハリでは、C言語とPower AnimaterというCGツールを学んだのに、それ以降ひたすら自宅で、VRMLとJavaな日々だった。だから、皆がデジハリに入り浸ってO2で卒業制作していた時間を、ほとんど共有していない。今のデジハリ東京本校が出来た年で、超キレイな教室に引越したのに、その恩恵に預かれなかったのだ。もったいない...

当時、Web3Dなんて言葉はなく、VRML2.0とJava3Dが登場したばかりで、その年の夏のSIGGRAPHでは、Java3Dがケチョンケチョンに言われていた。

Second Lifeなんてまだ無かったが、Diabloにハマり、順調にUltima Onlineにハマった。デジハリと日大理工学部をダブルスクールしていたけれど、大学の研究室のPCでは、これらのオンラインゲームばかりしていた(^^;

そして、その頃の自分は、VRMLとJava3Dはいずれ統合され、マルチユーザーな仮想空間を作る標準言語となるだろうと、無謀にも信じていたのだ。

結果として、独学で就職活動のための作品制作に没頭した。年が明け、研究室の仲間は誰もが就職先が決まっていたが、まだ孤独に作品を作っていた。しかし、何故か不安はなかった気がする。

で、2月か3月かにギリギリ、就職が決まった。その時、完成した作品を見てもらったのが、今度アメリカに移ると書かれている小野さんとの最初の出会いとなった。某所長は、作品を見せた時、「丁度こういうのをやろうと思っていたんだ」と言った。しかしその後、その研究所に就職しても、そんな仕事は発生しなかったのだけど(苦笑)

まあ、色々ありましたが、今は良い思いで...(遠い目)
あの、作品制作への集中力を、今の勉強にも欲しい...(自爆)


蛇足:
ついでなので、もう一つ触れておく。OB会の前日のブログに出てくるIBMの園田さんには、「よなよなペンギン」のレンダリングでお世話になった。というか、お互いに大変だった(^^;;
実験台を兼ねて提供した成果が、少しでもお役に立てていることを祈るばかりだ。

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2666395/4942097
-->
【11月21日 AFP】イエメンの首都サヌア(Sanaa)北東のアルハブ(Arhab)で日本人男性技術者(63)が地元部族民に拉致された事件で、解放交渉にあたっている部族関係者は21日、男性が20日深夜から21日未明にかけて、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の戦闘員に身柄を拘束されたと語った。
<--
http://www.asahi.com/international/update/1122/TKY200911210395.html
-->
イエメンで日本人技師が地元部族民らに拉致・拘束された事件で、AFP通信は21日、部族関係者の話として、技師の身柄が国際テロ組織アルカイダ系武装組織の手に渡ったと報じた。イエメン当局者や在イエメン日本大使館は否定しており、真偽は不明だ。
<--

色々と情報が錯綜している。

そもそも、どうしてイエメンでアルカイダ(アル・カエダと表記した方が良いみたいだけど、アルカイダの方が日本じゃ浸透してるので、ここではアルカイダと表記する)が関係するのか、分からない人も少なくないだろう。

実際は異なる可能性もあるが、しかしながら、アルカイダに身柄を拘束されている可能性が、十分にありえる話であることは事実だ。

フォーサイト12月号が、タリバンやアルカイダ関連の記事が多く、かつそれぞれの記事が異なる視点からのもので、相変わらず面白かった(『次なる火薬庫「イエメン」の現在』、『アフガニスタンに移り始めた外国人テロリスト』、『タリバンとアル・カエダ "主敵"を見極められない米国』等)ので、その辺の浅知恵も交えて書いてみよう。
(今月のフォーサイトは、民主党関係や中国関係、JAL関係...どの記事も外れは無かったのだけど、実は『外交・安保を誤った白村江の戦い  なぜ中大兄皇子は猪突したのか』がオススメ。外交は難しいw)

・なぜイエメンでアルカイダ?
そもそも、イエメンとはどんな国か。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2378883/2837848
単なるロリコン国家...ではないw
アラビア半島で、唯一共和制をとる立憲国家であり、女性にも参政権が認められ、言論の自由もある(大統領個人への批判を除き(苦笑))。しかし、国民の半数近くが貧困に喘いでおり、豊かではない。だからこそ、JICAの委託で、日本人が教育支援事業に従事していた。そして、テロとの戦いでは、アメリカの同盟国だ。

ところがイエメン政府は、北部のイスラム教シーア派武装組織フーシ派とのサアダ戦争にかかりっきりで、もう5年になり、経済は大打撃を被っている。そんな状況で、政府の管理が及ばない地域で、アルカイダが勢力を拡大しているのだ。(フーシ派とアルカイダは、関係ない。)
昨年9月には、首都サヌアでアメリカ大使館が爆破されたが、今年1月にサウジアラビアとイエメンの組織が合流し、「アラビア半島のアルカイダ」を設立。8月には、サウジ王族の副内相の暗殺未遂事件を起こしている。イエメンが安定しないと、アルカイダが活気付き、アラビア半島全体を不安定にするため、今後の注目地域だ。

そんなところなので、日本人が誘拐されれば、アルカイダが関係している可能性も否定できないわけだ。

・アルカイダってアフガニスタンでは?
でも、アルカイダってのは、アフガニスタンで米軍が戦ってる相手なんじゃないの?という疑問を持つかもしれない。

実は、パキスタン・タリバン運動(TTP)が、アルカイダ系の外国人戦闘員約5千人を抱えており、これを最近もアフガニスタンに送り込み、NATO軍の補給路封鎖に動いていた。そして今、パキスタン軍が、TTPを攻撃している。
http://mainichi.jp/select/world/news/20091119ddm007030069000c.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009111702000079.html
パキスタンとアフガニスタンのタリバンは、一見兄弟関係だが、現状は全然違う。アフガニスタンのタリバンは、パキスタン政府の支援を受けて育ち、決別したとはいえ、今も対立していない。しかしTTPは、パキスタン軍から攻撃されているわけだ。以前は、パキスタン軍もTTPとの対立を避けていたが、最近TTPの過激化が酷く、アメリカの圧力もあったが、ついには掃討作戦に出ることになった。つまり、反米で共通していても、タリバンとて一枚岩ではない。

そして、アルカイダは、タリバンがアフガニスタンの政権を握っていた当時は、その支援を受けていたわけだが、今は特に連携が見られないという。これもTTPとの違いだろう。アフガニスタンでは、タリバンがケシ栽培で資金が豊富なのに対し、アルカイダは資金難で、活動範囲を縮小している。

短絡的に考えるべきではないけれど、アルカイダは、アフガニスタンからイエメンに、活動の場を移しているのかもしれない。まあ、そもそもアルカイダは、組織として明確な団体ではないので、移ったというよりも、アフガニスタンでは廃れ、イエメンで流行しだした、ということかもしれない。だからこそ、TTPの支援で、アフガニスタンに5千人を送り込もうと...
この辺は、想像するしかない。

・アメリカはアフガンで誰と戦ってるの?
すると、テロとの戦いをアフガニスタンで展開する米軍は、誰と戦っているかといえば、アルカイダはメインではない。かつてのアフガニスタン政権を担っていたタリバンが、反政府武装勢力として活発化しているのであり、これを潰すにはゲリラ戦に勝利しなければならない。

ここに、アメリカ政府内でも迷いがあり、アルカイダとの対テロ戦に集中するか、タリバンとの対ゲリラ戦に集中するか、一本化できてない。オバマ大統領は、テロとの戦いと言うが、アフガニスタン駐留米軍司令官が4万人の米軍増派を提案しているのは、ゲリラ戦マニュアルに従った計算だそうだ。テロとゲリラの違いは...(ry

・まとめ
まあ、日本人からすれば、アルカイダだろうがタリバンだろうが、テロリストだろうがゲリラだろうが、そんなの関係ねー!かもしれない。

しかし、イエメンで日本人を拘束しているのが、アルカイダなのか、現地部族民に過ぎないのかは、その結果に大きな差が出そうだ。

仮に、当初は接点が無かったとしても、アルカイダがこれを利用しようとする可能性も否定できない。

犯人側が釈放を求める男は、イラクで対米ゲリラ戦に参加し、イエメンで4年前から裁判を経ずに拘束されている22歳ってことで、何歳で戦闘に参加してたのか興味深い。

日本政府は、テロを根絶する気があるなら、アフガニスタン支援だけではなく、イエメン支援の強化も検討した方が良い。そうじゃなきゃ、単なるモグラ叩きになってしまう。まあ、気がついてないだろうけど(苦笑)

父のこと

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しばらく更新に時間がかかってしまったが、10日に父が他界し、ドタバタしている。

なので、全然つっこみネタではないが、父のことを書いてみようと思う。


父は弁護士だったが、自分が弁護士を目指しているのは、父とは関係ない。法科大学院を受験した時も、父には秘密だったし、そもそも父の仕事振りを見て、あんな仕事は嫌だと思っていたくらいだ。

しかし、社会人経験をつむうちに、法の必要性を実感し、父とは全く異なる弁護士を目指し、勉強を始めたのだ。父から法律の勉強を教えてもらうようなこともなく、死の数日前にも、弁護士に向かないと言われた(^^;

ところが、長期間病室に寝泊りし、看病していると、必然的に父の仕事を目にする機会に恵まれた。何しろ父は、個室の病室で、先月末まで仕事を続けていたのだ。携帯電話があれば、大概の仕事は可能であり、顧問先の方々は、父が入院中であることを最後まで知らないままだった。

痛み止めのモルヒネの多用のせいか、意識が朦朧としている時間が増えても、相手から書類が届くと急にシャキッとして、短時間で顧問先への的確な指示をまとめ、ワープロ打ちの指示をしていた。とても教室事例では出てこないような、登記絡みの複雑な問題でありながら、ほとんど金にならない内容で、「こんなのを受任する弁護士は他にいない」と言っていた。逆に、だからこそ、解決の目途を立てようと、自らの死後も顧問先が相手方に騙されないように、将来の争いの火種を摘もうとしていた。寝言でもその仕事の指示が聞こえた時は、「こりゃ敵わないな」と思った。


考えてみれば、父は以前、永田町で1人で事務所を切り盛りしていた。子供の頃は、全く理解していなかったが、隣の部屋は新自由クラブで、隣のビルは自民党本部という立地で、弁護士1人の事務所を維持していたというのは、恐らく並大抵ではない。(仮に自分が運良く新司法試験に受かっても、そんなところに事務所を開く自信はない(苦笑))

しかし、十数年前に大病を患い、完治したけれど、事務所を維持することに不安を覚えた父は、新規案件を受任せず、十年かけて永田町での仕事を片付け、数年前に実家近所に事務所を移した。弁護士というのは、引退することが大変な職業なのだ。

そして更に昨年、そこも閉め、実家に事務所を移した途端、胃癌が見つかり、引越しの一週間後に胃の全摘手術を受けた。その後順調だったが、癌の転移が確認されたのは、この夏の話だ。余生を楽しむのは、これからだっただろうに。


そんな父は、実は検事希望だったそうだ。ところが、検察修習中に担当させられた殺人事件で、子を殺した母に心底同情し、起訴猶予としてしまう。何度もダメだしを食らいながら、殺人事件を起訴猶予とする起案を繰り返し、ついにそれが認められ、実際に起訴猶予とすることと引き換えに、「お前は検事志望を諦めろ」と言われ、弁護士となったというのだ。

事案の概要を聞いたら、自分も涙が出てしまったが、だからといって、それを起訴猶予にするような説得力のある論述は、今の自分にはとても不可能だ。なんと、何十年前の年下の父にも、自分は敵わないのだ。これは衝撃的だ。


極めつけは葬式だ。弁護士は嘘つきだらけだと、同業者が嫌いな父の意思を汲んで、葬式に弁護士が大挙することを避けるため、弁護士会に死を伝えたのも数日後だった。内々でこじんまりと済ませるはずだった。しかし、それでも多数の方に参列していただいた。どこで聞きつけたのか、かつての依頼者の方々にも駆けつけていただき、有り難いお言葉をいただいた。ある刑事事件を起こした元少年で、父に助けられたという今は立派な大人が、会場のロビーで号泣していた。第三者からの父の評価を知ることで、改めて、今更ながら、父の仕事を理解した。


父よ、ちょっと偉大すぎだろ。
もう少し、不出来な息子に超えられそうな部分を残してくれよ。

え?三振ギリギリでの合格を目指しても、父より早いって?
わかった。ちょっとストップしてたけど、勉強再開するよ(自爆)

どうして、こういう嫌がらせをするのか、理解に苦しむね。

みんなの党を応援するしかねーべ。

http://www.your-party.jp/

-->
10月26日からはじまる臨時国会において、鳩山由紀夫総理大臣の所信表明へのみんな の党の代表質問を「手続きが遅い」という理由で民主党および衆議院議長から認めてもらえませんでした。
先の総選挙において比例獲得票数が961票しかかわらない社民党は15分代表質問の時間が設けられています。いったいこの差はなんなのか。怒り心頭の渡辺喜美代表率いるみんなの党の声です。

<--


フォーサイト11月号に、『民主党が抱え込んだ「JAL再生」という地雷』という記事と、『「ジャンボ機の後輪」北海道経済が示す先』という記事があった。

http://www.shinchosha.co.jp/foresight/20th/2009/10/0911cont.html

別個の記事なのに、実は関連性があって面白い。

前者の記事は、今月24日から公開の映画「沈まぬ太陽」の話から始まる。
http://shizumanu-taiyo.jp/

原作はフィクション小説なのだが、そこに出てくる国民航空という航空会社はJALそのもので、あからさまにJALの問題だと分かる内容のため、JALが映画化に何度も抗議文を送っているという、いわくつきの映画だ。ナショナルフラッグ・キャリアの腐敗と、日航機墜落事故を主題とした作品が、JAL再生が問われている今、絶妙のタイミングで公開するそうだ。

記事では、今回JALが経営危機に至った構造は、この小説の物語と、よく似ているというのだ。映画を物凄く見たくなったw

で、記事の趣旨としては、JALの再建計画が一蹴される経緯や、前原大臣が設立したタスクフォースの面子、大臣の目指す方向性を論じつつ、その手法に疑問を呈する。

オープンスカイ政策に唯一乗れない先進国となってしまった日本で、ぬくぬくと保護されて腐敗したJALは、資本注入やリストラで復活などしない。年率4.5%の運用利回りを前提とした、JALの企業年金の重みを、市場の実勢に近い水準に引き下げ、給付を減額しなければ、財務内容は改善しないが、OBがこれに反対する。

更に、JALにとっての経済効率を優先した、路線集約、不採算路線の廃止は、民主党のマニュフェストに反し、地域主権の確立とは矛盾する。地方経済の衰退を、食い止めるのではなかったのか?という感じの論調だ。

もっともそれは、数ある自民党政権の尻拭い(地雷)の一つで、その処理と市場の現実のはざまで、これから長いドラマが始まるというまとめ方。読みながら頷いてしまった。

特に、記事中の、「航空会社の収益力の国際比較」という図表は、JALの情けない立ち位置が驚くくらい分かりすぎて良かった。

同じ執筆者の、フォーサイト2007年7月号の記事が、丁度ピックアップされてホームページで公開されてるので、これも必見だ。今読むと感慨深い(^^;
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/20th/2009/10/76.html

で、後者の記事が、見事に前者の記事とリンクする。
後者は、北海道経済が「ジャンボ機の後輪」と揶揄される所以を紹介して始まる。景気が上向いても、北海道が上向くのは最後、景気が下降する時は、全国に先駆けて北海道が着地する。今、その北海道が、景気の底板を踏み抜こうとしており、これに遅れて全国経済のハードランディングがやってくるか?と。

北海道の観光産業の状況を紹介しながら、阿寒湖のとあるホテルの状況に触れる中で、釧路空港からJALが撤退を検討している話が出てくる。
http://www.newakanhotel.co.jp/access.html
阿寒湖への本州からの入口は、釧路空港だが、女満別、帯広の3空港とも、既に関西便が全面運休だと。

この記事自体は、北海道経済の抱える問題点を取り上げる中で、上記に少し触れるだけなのだが、これを前者の記事とリンクすれば、とても興味深いのだ。

地方経済の衰退と、JALの経済効率を優先した路線撤退との関連の、具体例という感じ。

このブログでも、JALの救済は、国交省の観光立国政策と矛盾するということを書いてきたので、上記二つの記事は、大変興味深く読めた。

こういうレベルの記事を読むと、改めて、以下のような新聞の酷さに苦笑せざるをえない。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20091007-OYT8T00359.htm
-->
日本航空の国内151路線のうち約9割が、今年4~7月の平均搭乗率で採算割れの状態にあることが、6日わかった。全体の3分の1を超える52路線が50%を割り込んでいる。経営基盤であるはずの国内線で深刻な赤字体質が明らかになり、日航が路線リストラの上積みを迫られるのは必至だ。空港整備のための特別会計の見直し論議にも拍車がかかりそうだ。
<--

上記読売の記事は、このブログの2つ前の記事でも批判的に取り上げた。ところが今日は、朝日が同様の記事を大々的に取り上げてる。

http://www.asahi.com/national/update/1023/TKY200910220558.html
-->
日本航空、全日本空輸グループの国内線計274路線のうち、7割超の193路線が損益分岐の目安とされる搭乗率60%を割り込み、「赤字」状態に陥っていることが、4~8月の輸送実績などから分かった。
<--

読売と朝日で、雁首そろえてこのレベルだ。
君らは、新型インフルエンザで観光需要もビジネス需要もズタボロだったこと、知らないのか?
しかも、前年比で何%悪化って、リーマン・ショック前との比較だろ?

この時期を基準に、不採算な事業は撤退すべきというなら、日本の観光産業はみんな店じまいだ。

もし、「JAL再生タスクフォース」とやらが、読売や朝日と同じレベルの思考能力しかなかったら、「観光産業破壊タスクフォース」に改名すべきだが、まさかそんなことはないと、信じている。

やっと生き残っている地方の観光地は、JAL、ANAの安易な撤退を肯定するかの君らの恣意的な記事で、戦々恐々としてることだろう。君らが、JALやANA、国交省とどういう関係か知らんけど、少しは頭使って取材しなさいな、と言いたい。

前原大臣の言う羽田HUB化は、上記2つの記事の言うような基準で路線撤退を認めたら、成立しない。もちろん、同じく前原大臣の言う、観光立国だって無理だ。

観光立国で地方経済を活性化させるには、今、観光産業を苦しめない政策が必要で、安易な路線リストラを避けなければならない。しかし、JALやANAの高コスト体質では、観光立国のインフラは支えられないのだ。このアンビバレンツをどう解消するかという視点からの、まともな考察に基づく記事を書いてみたら?


前原大臣は、韓国の仁川のHUB空港の座を奪いたくて、羽田をHUBにすると言ってるわけだが、成田とWinWinとか言っている。これは、リップサービスでなければ、問題点を理解していない証拠になってしまう。中心軸が二つあるような変形HUBでは、中心軸周辺に住む者にだけ、利便性が増す。スポークの末端である地方からすれば、そんなHUBは不良品だ。

確かに今まで、「成田は要らない子」だった。羽田を活用するのは、正しい。それだけでも大前進とも言える。しかし、仮に現状で、JALやANAに国内の地方空港から羽田に路線を就航させ、HUBの形式が整ったとしても、利用者は仁川経由を好んで使い続けるだろう。

何故なら、問題の根本は路線の存否ではなく、JAL等の国内線運賃が高すぎ点にあり、JALで国内移動するより韓国の航空会社で仁川経由で他国へ旅行した方が安いのなら、結局誰も羽田になど行きたがらない。加えて、一般的な感覚でも分かるだろうが、目的地と違う経由地であっても、外国の空港を短時間でも味わうのは、旅の楽しみでもある。何より、アジア各国の新しい空港は共通して、羽田や成田のような古い空港とは異なり、華やかさ、快適さがある。

つまり、競争相手に勝てるだけの利便性がなければHUBにならないが、JALを生かすなら到底無理な要求なのだ。JALが、LCCとして再建し、安価な運賃を実現するなら話は別だ。しかし、それなら新しいLCCを育成した方が早い。また、成田が国際線で残る以上、地方在住者は、羽田→成田の無駄な移動を強制するのが当たり前と考えていることになる。バスだろうと、高速な鉄道が完備されようと、旅行者の立場なら、その交通費を負担するのもバカバカしいし、旅行の荷物を運ぶ手間は、シャレにならない。HUBにしたいなら、常に旅行者の目線でのサービス構築が必須だが、これが圧倒的に欠けている。

羽田と成田をWinWinにしたいなら、最低限、地方-羽田の空の運賃、羽田-成田の地上の運賃の合計が、地方-仁川より安くなければならない。利便性で負けるのだから、コストくらい勝たなければ話にならない。

JAL救済+羽田HUB化+成田国際線存続=観光立国

ということには、絶対にならない。


ただし、羽田と成田を合わせても、需要を満たさないことは確かだ。というか、それで足りてしまうなら、観光立国にはなれない。将来、茨城空港などの活用は、必須のはずだ。
茨城空港の利活用に関する調査研究

首都圏に空港が複数あること自体は、決して悪ではない。そんな国は、いくらでもあって、成功している例も沢山ある。多少不便でも、安価に利用できれば、十分に需要は喚起される。

ところが、TVなど見ていると、「今」需要が無いなら、地方空港は無駄だと決め付ける、低レベルな情報番組が堂々と朝から放送されていて呆れる。物事を偏った側面からしか見ることができないキャスターたちは、見ていて痛々しい。安易に地方空港が無駄だと報道し、経営努力をせずに怠慢で撤退するJALに有利な情報ばかり流してはいけない。観光立国を目指す日本の「将来」に、本当に必要な空港の重要性を、伝えるべきだ。

この点は、実は前原大臣も分かってないのではないか。HUB AND SPOKE型の路線構築しか知らないのではないかと、最近感じる。HUB化しか選択肢が無いと、誰かに嘘を吹き込まれたのではないか?

LCCの手本といわれるアメリカのサウスウエスト航空は、POINT TO POINT型の航空網で、アメリカの地方空港間を結んで成功している。

日本は、空路などなくとも、鉄道などで東京へインフラが集まっている。だからこそ、鉄道と競合する空路が、存在意義が問われるのだ。対して、地方から地方へのアクセスは最悪で、空路の存在意義はそこにある。つまり、POINT TO POINT型だ。

羽田がHUBになるのは構わないが、POINT TO POINT型のLCCが必要だと、早く気付いた方が良い。地方空港と利用者のWinWinこそ、必須なのだ。


ちなみに蛇足だが、このブログで何度も取り上げてきたカボタージュ問題が、やっと議論に上がってきたのは、興味深い動きだ。

http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=42680

Winny事件についてのブログが、久々に更新されていた。
そしたら、NHK記者による、とんでもない弁護妨害の手紙が公開されていた。

http://danblog.cocolog-nifty.com/attorneyatlaw/2009/10/post-785f.html

手紙の内容の酷さに驚いた。

NHKは、こういう露骨な手法でインタビューに応じさせようとする記者が在籍していることを、組織として把握しているのだろうか?

この記者は、こんな脅し方で、いつもインタビューを得ているのだろうか?

ちょっと、余りに驚いたので、ここで取り上げてしまったが、Winny事件とは別にしても、この種の問題はもっと話題にされるべきだ。

高裁、無罪になって本当によかった。
http://danblog.cocolog-nifty.com/index/2009/10/winny-0ca7.html

全く面識もなく、こんなところから言うのもなんですが、おめでとうございます!


>10/9 追記

そういえば、Winnyといえば、最近こういう状況になってる。

「Lessigが案じた未来がここにあった」
http://maruko.to/2009/09/post-67.html

こういう監視が許されるのかどうかという問題は別にして、Winny利用者は、他者にプライバシーを侵害され、CCIFや捜査機関から監視されている可能性が高いということは、自覚した方が良い。

前原大臣は、国交省の役人から、どんな説明を受けているのだろうか?
どうも、自分が矛盾したことを言わされていることに、気付いてないようだ。

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090927/fnc0909272327003-n1.htm

一県一空港政策のカラクリに気付いた点は、素晴らしいのだが、解決策の方向性がおかしい。

-->
日本航空が地方空港を拠点にした不採算路線の運航を強いられ、それが深刻な業績悪化につながったことを考慮し、空港整備のあり方を改革する。
<--
-->
日本航空も地方空港路線の赤字が経営の足を引っ張る構図となっている。前原国交相はこうした旧空整特会を見直すことで、採算の合わない地方空港の整備を中止する。空港使用料や着陸料の引き下げなどにもつながりそうだ。
<--

なんか、まるで地方空港が悪者みたいな、怪しい風向きの情報操作を感じる。確かに無駄に空港が作られた。だが、地方空港の立場を代弁するとこうだ。
JALじゃなくてもいいんだよ!

飛んでくれそうな航空会社だってあるのに、カボタージュ規制を緩和しようとしないのは、国交省じゃんか!

TVや新聞等の旧メディアの連中は、カボタージュ問題を何故取り上げない?
相変わらず、役人のリークする情報操作をそのまま垂れ流しか?

確かに、JALを基準に考えたら、黒字路線なんてほとんど成立しないだろう。
だけど、LCCが一般化し、バス運賃みたいな航空運賃も珍しくない世界の常識じゃ、JALが赤字という路線でも、黒字にできる可能性大の航空会社はある。LCCで運賃が安くなれば、当然、利用者も増える。

「新幹線や高速道路網の整備などに伴い、国内航空路線の利用者は伸び悩んでいる」とか、平気でそういう無知な記事を書くメディアは、信じてはいけない。伸び悩んでいるのは、JALやANAが高いからだ。そして、世界の航空業界を無視して、高コストな国内の空を守ってきたのが国交省だろ。

東京など、交通機関がHUBのように集中するポイントに生活していると、確かに新幹線や高速道路で、どこにでも行きやすいイメージを持つ。しかし、地方から地方へ移動する場合、一々東京を経由させることを、当たり前だと思ってはいけない。地方分権なんでしょ?

航空路線は、point to pointで地方から地方に移動する時、十分に効率的な交通手段なのだ。少なくとも国交相は、JALの肩を持って、地方空港を赤字の根本のように言うのは、「私は航空政策に無知です」と言ってるようなものだ。そして見事に、JALを守るというのだから、洒落になってない。JALを守るなら、地方にも自由に航空会社を選ばせろ。

7月の記事で、カボタージュの件は触れた。
「JALの件の補足」

その後、
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090202/plc0902021110003-n1.htm
-->
路線の廃止や減便が相次ぐ関西空港を支援するため、国土交通省が海外航空会社に対し、関空発着便に限って国内線の運航を認める方向で検討していることが2日、明らかになった。すでに海外航空各社に打診を開始しており、前向きな姿勢を示す会社もあるという。
具体的には、関空発着の海外航空会社に同じ機材で国内の他の地方へ向かう路線を新設することを認め、国内部分だけ利用することを可能にする。

<--
↑この報道自体が、誤報だったことも、8月の記事に書いた。
「焼け石に水なJALの経営再建方針」

地方の赤字空港を抱える自治体は、国内路線を撤退するJALらの代わりに、海外の航空会社に、国内を経由してもらいたいのだ。例えばこんな感じ。

国内のどこかの空港 → 関空 → 海外

しかし、これをカボタージュ規制が阻む。守るべき日本の航空会社が撤退した路線も、無意味に規制を維持して、海外の航空会社に頼みたい地方の声を無視する。

もちろん、この問題は、国交省だけの問題ではない。以下のブログにも書かれているように、問題は複雑。(上で書いてきたカボタージュとは、正確には以下のブログの「タグエンド・カボタージュ」(シカゴ条約では第8の自由)のこと。)
http://ishikawasanzou.iza.ne.jp/blog/entry/855530/

しかし、JALを守って、日本に本当のLCCが育たないのなら、この先はどうなる?

地方空港は、韓国、中国からの国際線が圧倒的に多い。JALの国内線が撤退した後、例えばその県からアメリカに行こうとしたら、韓国の仁川経由で旅行するのがベストかもしれない。前原大臣は、上海や仁川に、日本の地方空港のHUBになってもらうつもりか?


さて我が国は、小泉政権時代から観光立国を目指すようになり、観光庁を作った。外務省は、ポップカルチャー外交を展開し、海外で日本関連のイベントを展開し、外国人観光客を増やそうと頑張ってきた。2010年に外国人観光客を1000万人、2020年に2000万人に増やそうという目標を掲げてきた。

地方空港が活用され、外国人観光客が地方の観光資源に安価にアクセスできるようになることは、観光立国という政策の観点からも、大大大重要。短期間で高額な金を消費する外国人観光客が地方を訪れることは、地方経済の活性化にダイレクトにつながる。

カボタージュの件で触れた
「JALの件の補足」
にも、その辺のことは書いたけれど、LCCと地方空港がセットになれば、安価な国内旅行の選択肢も増え、安い海外旅行で海外にばかり金をばら撒いてくる日本人の行動様式も変わるかもしれない。小泉政権が、どこまで考えてたのか知らないが、無駄に作られた地方空港は、観光立国では生きてくる。

で、前原大臣は?

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091002k0000m020086000c.html
-->
前原誠司国交相は会見で、2020年に訪日外国人旅行者数2000万人を目指す観光庁の目標について「あまりにもぬるい」と述べ、観光を成長産業の核とするために、旅行者数を上乗せする新たな目標を立てる考えを表明した。
<--

えーとですね、この目標を阻んでることの一因は、JALとかの高コストな航空運賃にあると思いますよ。JALを潰して、日本がLCCの適切な価格競争にさらされる国になれば、海外から安く来られる国になって、きっと観光客増えますよ。高速道路無料にしても、外国人観光客には無意味なの、分かりますよね?

だから、大臣がJALを守ると発表した結果、目標達成は遠のいたのです。
全然、ぬるくない(失笑)

-->
前原国交相は「パリやローマは年に6000万~7000万人が訪れている。日本には観光地が多いのに寂しい限りだ」と指摘。現在ある観光に関する審議会を改組して今月中にも初会合を開き、他省庁と連携して観光政策をさまざまな角度から再検討する意向を示した。
<--

外国人観光客受入れ世界最大のフランスを例えに出すなら、LCCと地方空港のセットで地方経済を活性化させた、その国の政策も、勉強して欲しい。フランスは、150空港があって、何割かをLCCに解放している。

また、観光資源を増やすべきという議論の中に、地方のカジノ合法化の議論も存在する。
日本は、外人に魅力的な観光資源が少ないから、目標達成するには、観光資源作って増やさないと!というのが今までの流れ。
あんまり、不勉強のボロが出るような発言は、繰り返さない方が良い。

外人が、どういう場所に魅力を感じるのかから、事実を教えてくれる側近を増やした方が良い。
http://www.tripadvisor.jp/HotSpotsJapan

大臣の想像する観光地は、ランキング上位ですか?

何でもかんでも前政権の政策を批判すれば良いかの姿勢は、野党のクセが抜けてないように見える。公約に掲げてないことまで、よく調べる前に結論を出す必要無いですよ!

http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=42454

マジで、縦割りや過去の常識を崩さないと観光立国無理なんで、小泉政権が嫌いだったろうと関係なく、良い政策は引き継いで伸ばして欲しい。


フォーサイト10月号に、司法改革関連の記事が2つあった。
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/20th/2009/09/0910cont.html

1つは、会計士と弁護士業界に共通した問題として、資格試験の合格者を増やしたけれど、今になって業界側が減らせと言い出している話。
「不況で方針転換する会計士・弁護士業界の迷走」
もう一つは、再編の始まった法科大学院の、集客合戦の話。
「大再編が迫る法科大学院の「集客合戦」」

前者は、業界の既得権益保護に批判的な内容で、後者は、法科大学院構想に反対の法曹の言い分を紹介しており、偏った印象を受ける。こういう、対照的な記事の載せ方は、フォーサイトのバランス感覚だろうか?

来年の新司法試験受験予定者として、当然、後者につっこみたい(苦笑)

第1回の新司法試験の合格率が48%で、第4回の今年が27%で、ここまで下がったのが、弁護士の就職難や質の低下を受けてのこと、という指摘に対して。


受験生以外知らないだろうが、旧司法試験と新司法試験では、試験問題のレベルが、新司法試験の方がはるかに高い。例えば、今年の旧司法試験の論文試験は、全科目の合計で、問題が6ページしかない。1問の問題文が、10行程度しかないものもある。しかも、読めば一目で、論点が分かるような問題だ。ところが新司法試験は、1科目で10ページ以上なんて、ザラだ。旧司法試験では求められなかった、事例分析能力が問われており、論点を見つけられるかどうかから、試される。

当たり前だが、例えば弁護士は、依頼者が相談してくる雑然とした事実関係の中から、依頼者のかかえる法的問題点を探し出し、解決に導く。旧司法試験は、いきなり法的問題点が問になっているのに対し、新司法試験は、雑然とした事実関係が示され、依頼を受けた弁護士の立場で、具体的な攻撃防御方法を問われたりする。なので、新司法試験の問題文の大半は、前提となる事実関係だ。そこから、法的問題を抽出できなければ、ゲームオーバー。

逆に言えば、難関と言われた旧司法試験は、複雑な事実関係から法的問題を抽出できなくとも、合格できた。そんな能力は、問われなかったからだ。他の違いは、口述試験があったことだろうが、それにしても超難関だったのは、単に合格者数が極端に絞られていたからだと言える。そもそも、受験科目数からして少ない。昔の弁護士は、勉強する必要の無かった法律分野が、新司法試験には増えているのだ。

そして、弁護士の質の低下が叫ばれ始めたのは、新司法試験の合格者が現場に出るより、前からだ。法科大学院構想に反対していた法曹たちが、既に質の低下を訴えていたのだから。

思うに、旧司法試験で合格した法曹のうち、新司法試験で合格できる割り合いは、かなり低いだろう。また、最近の多くの法改正に対し、年配の弁護士などは、すでに追いついていない。改正された法律を知らない弁護士など、少なくない。新司法試験の受験生には必須の法律科目だって、全く学んだこともないなどという弁護士はザラ。そんなものは、依頼者が現れた時点で、勉強すれば良いと言う。もしくは、その分野の仕事が来たら、断る。

質が下がっているというなら、具体的にどの試験で合格した人物が、どういう質を下げているのか、はっきりさせるべきだろう。もちろん、新司法試験の合格者にも、資質に欠ける者がいるかもしれない。合格者数が増えれば、相対的に資質の欠ける人物の数が増えるのも当然だ。しかし、リーガルサービス全体の質の向上という観点から、プラスかマイナスか、第三者が客観的に測定し、論じるべきだろう。質が低下したと、既得権益層から言われても、鵜呑みにすべきでない。

そうした問題意識を前提に、合格率の低下について説明する。


新司法試験第1回とは、その年の法科大学院の卒業生しか受験者がいない。しかし、第2回は、第1回の不合格者と、その年の法科大学院の卒業生が受験する。第3回は、第1回、第2回の不合格者と、その年の法科大学院卒業生が受験する。つまり、毎年卒業生が出る以上、3回不合格で受験資格を失う者が、新規の卒業生数を上回らない以上、受験者数そのものが増加する。しかし、合格者数は、法務省のさじ加減で劇的には増えないのだから、毎年合格率が下がるのは、当たり前の話だ。そんなことは、法科大学院関係者なら、誰だって知っている。確率が下がることは、誰もが予測済み。合格率が7割だとか言われていた頃に、それを信じて法科大学院に入学した学生は、既に三振を終えているか、来年の受験で最後という人が大半だろう。

つまり、少なくとも今年の卒業生あたりは、合格率が3割程度であること自体は、入学前から予測している。全国の法科大学院の学生数と、新司法試験の合格者数の目標値は分かっているのだから、何年も前から簡単に予測可能だ。

だから、学生の側からすれば、合格率の低下自体は、大した問題じゃない。しかし、今年の最大の問題は、合格者数が減らされた、という事実だ。パーセントなんてどうでも良いのだ。

司法試験というのは、新でも旧でも、いわゆる合格基準点というのが無い。何点以上なら合格、という試験ではない。単純に言えば、合格者を何人にするか決めて、得点の上から順に、合格にするようなものだ。だから、合格者数が減ることと、受験者の質の低下は、基本的に関連性がない。質を問題にするなら、何点以上が合格か決めれば良いだけの話だが、そういう合理的な主張が無視されるのは、世の常である。

この点は、今年の合格報道は、どこのメディアも皆、大きな誤解を前提に書かれているような気がする。例えば朝日。
http://www.asahi.com/national/update/0910/TKY200909100334.html
-->
下落傾向が続いている合格率は、前年の33.0%をさらに下回る過去最低の27.6%で、歯止めがかからなかった。
<--

誰か歯止めを考えてたのか?(苦笑)

-->
同省が今年の目安とした2500~2900人も大きく割り込んだ。
<--

割り込ませたのは、誰だ(失笑)


今年と去年じゃ、受験者数は1000人以上増えている。昨年の合格率以上にするには、昨年2065人だった合格者数を、2438人以上にしないと、合格率は上がらない。合格率の低下に、誰かさんが歯止めをかけたかったなら、目安通りに2500人以上合格させれば良かっただけだ。初めから、既得権益層の言い分を入れて、合格者を減らす指示を誰かがしたから、歯止めがかからなかっただけだ。間違っても、今年の受験者の質が低下したことを示す証拠は無い。

一部誤解を生んでいるのは、今年の合格者の最低点が、昨年の最低点より155点低くなった点だ。これを見て、質が低下したと誤解している人がいる。しかし実は、昨年と今年とでは、採点基準が変更され、総合評価の満点自体が下がった。昨年までは、350点満点の短答試験の結果が、そのまま総合評価に加算されていた。これが今年から、半分になった。つまり、短答試験が仮に満点でも、総合評価では175点にしか換算されなくなったのであり、最低点が下がるのは自然な結果だ。
-->
なお、何故採点基準が変更になったかと言うと、短答試験の点数評価が大きすぎて、短答の順位を論文試験でひっくり返すことが、ほとんど困難な試験となってしまっていたからだ。よって、論文試験の重みを増すための措置だ。
<--


つまり、合格者数が減ったのも、合格率の低下に歯止めがかからなかったのも、受験生に帰責性はないし、法科大学院の質に問題がある証拠にもならない。単に、誰かの意向が働いただけの結果なのではないか?

メディアは是非、この受験者に対する裏切り行為を、大々的に取り上げて欲しい。かつ、それがどういうメカニズムで決まったか、はっきりさせるべきだ。そういうことに触れず、フォーサイトの記事も、現職高裁判事の「法曹資格者の大幅増員が質の低下を招く」などという警告を引用し、法科大学院の存在そのものを批判して終わっている。非常に、取材不足な記事だ。

驚くべきことに、フォーサイトのバランス感覚か?と書いた、既得権益批判な前者の記事ですら、試験が易しくなったと勘違いしているように読める。「試験を難しくすべきだ」、「試験が易しくなった結果、質が大幅に低下した」という弁護士の主張を、ぞのまま紹介しているのだ。単に、既存の弁護士が、「競争激化による所得減少を恐れている」のが本当のところだという記事の構成にはなっている。しかしそもそも、試験が易しくなったという指摘自体が、不適切である点には触れていない。

法務省のサイトに、旧司法試験と新司法試験の問題文が掲載されている。

旧司法試験の論文問題
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/h21ronbun.pdf
新司法試験の各科目の論文問題(下の4つ)
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h21-22jisshi.html

新司法試験の問題が、素人でも一目で分かるくらいに、旧司法試験より難しくなっている現実は、見れば分かる。新司法試験は、旧司法試験と比べても、過去に無いほど十分に難しく、これ以上試験を難しくするには、単に合格者数を減らす以外にない。

7割合格なんて夢物語は、とっくに誰も抱いてないけれど、2010年に3000人合格させるために、徐々に毎年合格者数を増やしていくというのは、今年の受験生は信じていたはずだ。まさか、合格者数が減らされるなんて、騙し打ちそのものでしかない。誰か、合格者数決定の過程について、情報公開請求すべきだ。きっとそれも、公法の受験勉強になるから、是非(苦笑)


先月、「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会」なる団体が、活動を開始した。頭文字から、CCIFと呼ぶ。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090817_309042.html

Winnyのネットワークを監視し、ダウンロードされているファイルを調べ、それがアップロードされると著作権侵害となる可能性のある人物に対し、ISP経由で警告を始めているそうだ。現在まだ、著作権法は違法なアップロードのみ禁じ、私的使用目的でのダウンロードは違法でないので、違法なアップロードに加担させられる可能性を根拠に、ISP経由の警告にとどめているようだ。

しかし、来年1月1日から施行される改正著作権法では、違法なインターネット配信による音楽・映像を違法と知りながらダウンロードすることが、私的使用目的であっても権利侵害となる。いわゆる、ダウンロード違法化である。よって、来年からは警告などという迂遠な方法をとらずに、ダイレクトに訴えることが可能となる。CCIFのオブザーバには、警察庁がいる。改正著作権法をフル活用するための、準備万端といったところだろうか?

著作権法に追加される30条1項3号には、違法なダウンロード行為そのものに罰則規定がない。しかし、行為が違法となった以上、不法行為に基づく損害賠償請求や、不当利得返還請求が可能となるのであって、権利者団体には大きな価値がある。

ところで、FAQの記述が引っかかる。
http://www.ccif-j.jp/activity.html
-->
Q.私が何のファイルを持っているのかを調べることは、盗聴ではないのか。

A.調査では、Winnyのネットワーク上に流通している「キーファイル」(ファイルの要約情報)を収集し、ユーザーが保持するファイルの名称やIPアドレス、接続時刻などを検索・保存できる技術が利用されています。調査に使用されているツールは、Winnyネットワーク上を、通常に流通している情報を取得するだけで、ユーザー間の個別の通信を傍受するような機能はなく、通信の秘密を侵害しません。
<--

はて?
通信の秘密は、いつから、ユーザー間の個別の通信の傍受に限定されるようになったのだ?

通信の秘密の法的性格に関する通説は、表現の自由の保護とともに、私生活の自由ないしプライバシー保護をもその趣旨とする。だから、保障の範囲は通信の内容だけでなく、通信の存在自体に関する事柄も含む。誰が通信しているか、などもそうだ。

例えば、内容が公になっていても、送信者の身元を明かすことまで想定されていないのなら、そこに保護法益が存在するはずだ。言うまでも無く、憲法制定当時、今のネットワーク社会を想定していたはずもなく、条文を文言のみから現代に当てはめて良いわけがない。

「通信」に関する解釈は、「特定人から特定人にあてた意思の表示」=会話を含むという立場から、「遠隔地に存在する特定の発信者と特定または不特定受信者が、特定のチャネルを利用してなすコミュニケーション行為をいう」という立場まで、学説は様々存在する。以下のP6など。
http://www.jaipa.or.jp/info/2005/iw2005.pdf

そして、通信の秘密における侵害行為態様とは、送信者の意思に反した利用が含まれる。

ネットワーク上の、物理的な位置づけから、論理的にはCCIFが受信者だと言いたいのだろう。しかし法的には、送信者の想定していない受信者は、当事者ではないと言うべきで、その解釈は理系的な技術認識とは、別次元の議論だろう。送信者からすれば、CCIFのような団体に受信されるとは、知らないのだ。

ネットワーク上に流通していれば、誰がどんな通信をしているか把握するために、受信者を装って通信を取得することが構わないというなら、本末転倒である。それこそが、通信の秘密が想定している法益(表現の自由や、プライバシー)を侵すのだから、脱法的ではないか。

こんな解釈で構わないのなら、アマチュア無線など誰でも聞ける無線通信には、「通信の秘密」は存在しないことになってしまう。

「通信の秘密」とは、「秘密の通信」ではない。

憲法は、第三者が、受信者を装って、不特定多数の送信者の通信を一挙に解析できる時代が来ることなど、想定していなかっただけだ。そういう場合は、法の趣旨に立ち返って、時代に合わせて解釈するのが、憲法である。現代における通信の秘密の侵害に該当すると、法律構成は可能なはずだ。

そんな危惧をしていたら、こんなブログを見つけた。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20090830.html
このブログ主に、粘着的な気持ち悪さを感じる人は、少なくないはずだ。
これで、産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター主任研究員だそうだ。

単純な話、この人と何かやり取りしたら、何の犯罪もしていなくても、コッソリと調べ上げられて、プライバシーを侵害される可能性があるってことだ。幸い自分は、P2Pに興味は無いし、ブログ主にIPアドレスを知られる関係(例えばメールをやり取りするとか)でもない。しかしそれでも、抽象的な恐怖を感じる。

普通、誰かの自宅のIPアドレスを知ったとしても、それ以上に行動を調べたりしない。Winnypだからできたとしても、相手が他人に知られたくないであろう私生活に関わる部分まで、まともな倫理観があれば調べたりしない。

現実世界で考えれば当然だが、誰かのリアルな住所を知っているからと、その家からの出入りに関する情報に、興味など持たない。そんなことを調べるのは、それを仕事にしている興信所や捜査機関などを除けば、ストーカーくらいなものだ。

仮に、当初は統計的な目的で、公道を走る車をカメラを多数設置してカウントしていたとして、そこに車のナンバーが写っていたとする。ある日、意見の合わない相手の車のナンバーを知ったからと、それを統計目的で所持していたデータに照らして、相手の私生活の行動パターンをグラフにして弱点を暴き、ネットで公開なんぞするか?

現実の世界では、そういう作業はとても手間と費用がかかるし、完全な情報収集は困難なので、個人じゃ限界がある。ところがインターネットでは、一定の技術を持つ者であれば、通常では考えられないような膨大なデータを収集し、フィルタリングし、特定個人の行動を監視できてしまったという現実が、ブログで示されたわけだ。CCIFのような団体ではなく、一個人でも、同じことが可能なのだ。

恐らく、ここで非難されている「ダウンロード違法化反対家」なる人物は、このブログを見て自分であることに気付いて、今頃恐怖に陥っているだろう。また、そこまで計算して、このブログが書かれているかもしれない。

もっと言えば、無関係の人物であっても、ダウンロード違法化に反対の意見表明をすると、ここで書かれているように児童ポルノをダウンロードしたいからだろうと思われる可能性が生じてしまった。

たった1人の行動をストーカー的に調査した結果のみから、著作権法に関する正当な議論が矮小化されてしまった。言論の自由に対する脅威だし、当該人物に至っては、脅迫されたようなものではないか?

もし、1人ではなく、実はもっと大量にサンプルがあって、ダウンロード違法化に反対する人々の大半が同様であるという証拠を持っているのだとしたら、こういうブログの書き方もアリかもしれない。しかしその時は、同時に、そのように大量のプライバシーを侵害する行為者の倫理観が、ずば抜けてオカシイことを公言するのと同じになるだろう。

というか、最初から、ダウンロード違法化に反対の、ある程度発言力のある特定人物を個人攻撃する目的がなければ、Winnyノード観測システムの接続ログとIPを突き合わせたりしないだろ。

さも偶然、ダウンロード違法化反対家が児童ポルノをダウンロードしていたことを発見したかの書きっぷりで、公共性のある情報を発信しているかの装いだが、当人の行動自体が常軌を逸している。


そもそもブログ主は、「Winnyネットワーク観測システム」なるもので、何故監視しているのか。当初は、純粋にWinnyがネットワークにもたらす弊害に対する、技術的興味だったようではある。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20060716.html

しかし、3年も情報を蓄積し続けた結果、「データから利用者ひとりひとりがどんな行動をしているか、直感的に読み取れるよう視覚化」してしまう。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20090816.html

注釈で、「通信の秘密」について言及している部分はこうだ。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20090816.html#f01
-->
こうした調査は(プライバシーに関わるものにはなり得ても)通信の秘密に抵触するものではないと認識している。ISPなどの通信インフラ上で調査しているわけではなく、通信の当事者である私のコンピュータで行っているものであり、(ユーザ単位のアクセス制限があるわけではない)ファイル共有ソフトは不特定多数に向けた公開サービスであって、Webのクローラが(無断リンク禁止の隠しページも含めて)全てのページを拾っていくのと同列だからである。
<--

自らは通信の一方当事者であり、当該通信も秘密でない、と言いたいのだろう。
自らの正当化理由も、この日付も、そして攻撃対象までが、CCIFと足並みがそろいすぎているのは、偶然の一致なのか?


ついでに、比較に出している事例から推測してみる。ブログ主は、無断リンク禁止の隠しページは、クローラに拾われても良いと考えているようだ。鍵がかかっていない家は、出入り自由とでも言いたいのだろうか?
鍵のかけ方に詳しそうな、このブログ主には、常識なのかもしれない。しかし、隠したいけれど隠れてないというケースは、単にコンピュータやネットワークに関する知識の存否によって生じ得る。知識の無い人間の秘密は、法的保護に値しないのだろうか。アメリカでこんな事件があったのを思い出した(苦笑)
http://wiredvision.jp/news/200806/2008061621.html

こういった例の示し方から、技術的に保護された通信のみが、通信の秘密の対象だと思っているのではないかと、勘ぐってしまう。


まあ、とにもかくにも問題は、自らと対立する言論を攻撃する道具に、使っている点だろう。CCIFの言い分が正しいと、特定個人の行動を調べ上げるような、この様な監視行為も、誰もが許されることになる。IPアドレスは、「偶然知った」と言えば、許されるようだ(苦笑)

できることと、やってはいけないことという線引きは、既に失われている。

問題は、著作権保護の要請の範囲を、遥かに超えていると言えよう。


ところで、もしも同じ行為を、捜査機関が行うとしたらどうだろう?
つまり、何の嫌疑も無い状態から、個人のIPアドレスを手掛かりに、その人物の通信に関わるプライバシーをどこまで侵害できるかだ。

CCIFや、上記ブログ主が言うように、これが通信の秘密の侵害に該当しないとなると、捜査機関が同じ手段を用いることも障害がなくなり、何も嫌疑のない国民であっても、Winnyなど利用していれば日常的に監視が可能となってしまう。令状無しにだ。そんな未来が、来年1月1日から始まるのか?
あ、もうとっくに監視されてるのかな(^^;;;


かつてレッシグが「CODE」で案じた、規制を必要とするインターネットの未来そのものに出会った、と感じた。あの本の後半には、確かこんな趣旨のことが書かれていた。
-->
インターネットは、放っておけば、どんどん規制しやすくなる。それは、過去の仕組みの不完全さがもたらした欠陥の穴を塞ぐのだが、その不完全さとは、実は憲法が保証する欠陥、自由でもある。
だから、ネットの匿名性に価値があるなら、不完全な認証を組み込むべきだし、情報のフィルタリングも不完全となるように、政府の規制によって実現しなければならない。

技術が進めば、不完全なシステムは、どんどん完全に近づく。
不完全(=自由)の価値を守るのが、憲法や法律であって、政府の役目だ。
政府の規制を弱めたからと、自由が実現されるというのは妄想だ。
自由を守るには、適切な政府の規制が要る。

不完全なシステムこそ、多様な価値観を生む。不快な現実が、規制によって全く目にすることがない世界では、何が不快か知ることもないし、現実から目を背けるだけだ。人は、好きなものだけを見ていては、成長しないのだ。

民主主義の根本は、知る権利と、表現の自由だ。フィルタリングは、これを奪う。
<--

政府ではなく、コードを書く個人によって、インターネットの自由が失われるなんて、昔はなかなか想像できなかったんだけどなぁ...

改訂版のVERSION 2.0は、まだ読んでないが、今こそ買うべきかもしれない。

-->追記
偶然、先日の衆議院選挙で落選してしまった元議員のブログの、2006年時点の興味深い記述を見つけた。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/fcacf197b9bd5659faaf21124aa6ef9e
この人の心配した通りの社会になってますね。結局、著作物の権利者団体という、ごく一部の人々の経済的利益を保護するために、多くの国民のプライバシーが危険にさらされることが正当化されるという、不思議な国ですね。この時点ではまだ、「容疑が浮上した段階でプロバイダーに「サーバーの保全要請」をかける」とか書かれてますが、最早そんな必要もなく、日常的に監視できるようになってしまうなんて、この人も驚きでしょう。残念な人が落選したものです。
<--

-->追記2
間違ってた綴りを修正(苦笑)
ちなみに私は、上にも書いてますが、P2Pとか全然興味無いので、もちろんWinnyとか使ったことありません。なので、Winnyで実際に権利侵害してる人を、擁護する気は全く無いです。プロフにも書いてますが、10年以上、著作物の制作現場で働いていた側です。DVDを年に100枚買ったりするくらい、著作物に金を払うことが大好きです(自爆)
しかし、それとこれは、全然別の話。
<--

http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/439171d6f1f2f59d6668ea2ee634499d

この話は、これはこれで重大で、一応広めるべき問題として紹介。

しかし、その問題と別に、上記のブログのコメント欄を見て思ったことを少々。

平和ボケ」を肯定する意見を、非難する意見が出ていることが、なんとも情けない。

自分でも、何かを書く時に「平和ボケ」をバカにするキーワードに使うことはある。しかし実は、「平和ボケ」の存在そのものは、とても素晴らしいことだと思っている。平和ボケの視点で、平和でない他国の紛争を解釈してはいけないだけだ。

ところが、平和ボケが素晴らしいということは、平和の中で暮らしていると、なかなか理解できない。平和ボケし、娯楽文化ばかり発展させる日本を、戦争ばかりしている国の人々が羨ましがっていることなど、正に平和ボケしていると想像できない。

http://b.hatena.ne.jp/entry/alfalfa.livedoor.biz/archives/51504437.html

戦争体験世代が減少し、平和ボケした世代のみになると、実はその状態こそが最も尊い価値があるということに鈍感となり、普通に戦争できる国になるべきだ等と、振り子が戻される。

例えば、「平和のために軍隊が必要」というのは、単純に言えば論理破綻している。しかし、これが正当化されるのは、「外敵」という要因がプラスされるからだ。「外敵」があって、初めて一定程度正当化される、限定解釈付きの理論だ。

なので、本来は程度の問題なのだけど、限定解釈付きの理論であることに気付かないと、限定の程度を超えて修復不可能に論理破綻しても気付かない。

もちろん、「外敵」が存在しない世界なんて有り得ないのだから、原則として論理破綻は無いという主張も可能だ。つまり、一国平和主義は不可能。世界が平和でないのだから、軍隊無しに平和は成立しない。これは、現状認識としては正しい。

これらを前提とすれば、「平和のために軍隊が必要」となる。


そこで、その前提を取っ払うために、自国の平和のために世界平和が必要、なんて言うと、頭がお花畑だと非難される。これがそのまま、憲法9条批判につながる。

ところが憲法は、前文と98条2項で、国際協調主義の精神を掲げている。これを否定するのは、いかに改憲派でも難しい。そこで改憲派は、国際協調主義を肯定しつつ、平和は訪れない前提で、9条を否定することになる。

9条が前提とする平和は夢物語で、現実の平和のためには、邪魔だと。
国際協調主義のため、現実の世界平和のため、軍隊を海外に出せるようにすべきだと。

ところが現実には、国際協調主義自体が夢物語であり、理想に過ぎない。国際協調主義とは、パワーポリティクスを現実主義と言う時の理想主義のことだし、覇権主義の対義語であり、先日まで与党であった自民党が、ひたすら追従してきた、ブッシュ政権時代のアメリカの外交政策の正反対でもある。

つまり、9条という夢物語を否定しつつ、国際協調主義という大夢物語を前提とする点に、改憲派の大きな矛盾がある。これが特に、アメリカを中心とした国際協調主義だったりすると、胡散臭さが倍増する。というか、それは国際協調主義ではない(苦笑)

本来の意味での国際協調主義という夢物語を肯定するなら、9条を肯定したところで、実は大差ない。憲法は元々、国際協調主義という夢物語を前提にするから、9条が存在できるのだ。

憲法は、実現していない理想が沢山詰まった、夢絵巻として存在価値があるので、よく読むととても楽しいのだ。憲法が現実的である必要は、そもそも無い。書いておかないと達成できないことを、忘れないようにメモ書きしているような条文が、努力目標として存在したりする。

過去に実現していない夢だから、今後も有り得ないというのは、人類は進歩しないという前提の理論なので、悲しい。夢が無い理論に、積極的に加担するのは、生きる価値を見失いそうなので、お断りしたい。憲法は、理想であるから、理想は高い方が良いのだ。容易に実現可能な理想なんて、真っ平御免である。

夢物語を長年憲法に掲げられるなんて、素晴らしい平和ボケだ。この平和ボケの素晴らしさを理解できずに非難する、平和ボケした人々の考えは、戦争ばかりの地域の人々からしたら不思議に思われるかもしれない。スゲー、羨ましいよとw

でも、それを「友愛」とか言われると、途端に、理想を掲げること自体が胡散臭くなるからヤメレ...と思う今日この頃。


武装警察法

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中国で暴動鎮圧というと、いつも出てくる武装警察。
前々から、イマイチどんな組織なのか、位置づけに疑問は持っていた。

でもまさか、今まで、組織の権限を定めた法律すら存在しないほど、フリーダムな暴力装置だとは知らなかった(苦笑)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090827-OYT1T00900.htm
読売は、「権限乱用」(せめて、濫用だろw)とか書いてるけれど、そもそも権限がろくに定められてなかったのだから、その指摘はちょっと間違いだ。

http://www.asahi.com/international/update/0827/TKY200908270399.html
>法制定は部隊の任務執行に法律上の根拠と保障を与える

うーむ、今までどういう根拠で機能していたのか、謎が深まる。

『ウルムチ暴動:武装警察って?権限決めた法律なし』
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0710&f=national_0710_002.shtml
>『法治国家』でありながら法律による裏づけがないなんて先進的な武器を保有していないことよりも遥かに恐ろしい

いえいえ、十分に、法治国家じゃありませんよ。
でも最近、法治国家になろうと、努力してるのは分かる。

『武装警察の暴動鎮圧任務を明確に規定へ』
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34680
-->
1、国家が規定する警護対象と目標、重大なる活動における武装警護任務。
2、重要な公共施設、倉庫、水源地、水利施設、電力施設、通信関係の重要施設等、国家経済と国民生活に深くかかわる施設等の武装警護任務。
3、主要交通施設の重要な位置にある橋、トンネルの武装警護任務。
4、刑務所及び拘置所の外囲の武装警戒任務。
5、直轄市、省・自治区の政府のある市、及び他の重要な市の重点区域における特別定められた時期のパトロール任務。
6、公安機関、国家安全機関、司法行政機関、検察機関、審判機関あるいはその他の機関と協力し、法に則り逮捕、護送等を行う任務。
7、暴動、騒乱、大規模かつ重大な暴力犯罪事件、テロ事件、及びその他の社会の安全を脅かす事件の処理・鎮圧任務。
8、国家が命ずるその他の安全警護任務。
<--

ふむふむ...あれ?

>武装警察部隊の動員に関する批准権限の帰属とその手続きについては、国務院と中央軍事委員会が定める、としている。

えぇーーー
動員の権限まで、決まってなかったのかーーー
どんな指揮命令系統だか、想像できない...

『中国の「人民武装警察法」、暴動対策を明確化』
http://japanese.cri.cn/881/2009/08/27/1s145993.htm
>武装警察は不法な略奪、自由の制限、不法な捜索を行ってはいけないと定めています。

これが一番重要なんじゃないか?


しかし、そりゃ胡錦濤の命令だって、通じないわな。
http://maruko.to/2009/07/post-54.html
これの最後の「追記」に書いたようなことが、あってもおかしくない。

そういえば、フォーサイト9月号に、「ウイグル騒乱が暴いた「民族政策」の大矛盾」という記事があって、そこに面白い噂が書かれていた。

そもそもウイグル騒乱は、胡錦濤直系の汪洋がトップの広東が発端なのに、火を噴いたのは、江沢民の側近の王楽泉の新疆だったと。汪は、胡錦濤が反腐敗を掲げて、江沢民派の牙城だった広東に送り込まれていた。それが、騒乱の責任を汪に押し付けられそうになり、これを守るために胡錦濤はサミットから帰国せざるを得なかったと。

そりゃ、命令系統も権限も決まってなかった暴力装置を活用すれば、江沢民が失地回復のために反撃に出るのに、騒乱だって起こせるわな。

そういう動きの中で、今回の武装警察法が採択された意味は、実はとても重要なのかもしれない。


18日から選挙公示となり、選挙のために、しばらく表現の自由が制限される。

http://www.h-yamaguchi.net/2009/08/post-22b4.html

ということで、17日は駆け込みで、ブログを更新しておいたw
http://maruko.to/2009/08/post-63.html

これを今やったら、公職選挙法146条違反を疑われる可能性が高い。
-->
146条1項:
何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第百四十二条又は第百四十三条の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。

<--

んなアホなって感じだけど。

そこで、こんなチャレンジをしている人もいる。是非、広めよう。
http://d.hatena.ne.jp/shinsukeb07/20090810/1249898080
その関連で、公職選挙法そのものの問題が、日経ビジネスオンラインに取り上げられた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090818/202705/

こっちの人は、146条を知らないのか、わざと知らない振りをしているのか不明。
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/57b7eba2088dd77552fd97a2f20681f8
今日も、バリバリで、見ていて心配になるような更新を続けている。


更に、18日になってもブログを更新している議員が、ちょっと話題になっている。
http://ichita.blog.so-net.ne.jp/archive/20090818

法解釈の限界を、一歩一歩確かめるような感じかな。
もしも、選挙運動のための内容と認められると、公選法142条違反の可能性も否定できないのだけど、確信犯なのか、絶対の自信があるのか、どちらだろう?

そういや、選挙期間中にブログ更新したことを理由に、今年1月に刑事告発されたどこぞの市長の件は、その後、捜査機関はどう処理したのだろう?


ところで、18日になって直ぐのあたりで、ついつい不注意に、twitterでこんなつぶやきをしてしまった。
http://twitter.com/ranpou/status/3364510993

政治団体名を出していないけれど、政治団体のサイトへのリンクを示して、そこに政治献金したことを内容とする文書を、頒布又は掲示している状況だ。
URLから、あからさまに政治団体名の英語表記が読み取れてしまう。

これが、公選法違反と看做されるレベルなのか、正直、分からない。
しかし、分からないが故に、表現の自由に対する萎縮効果は、抜群だと実感した。
同時に、選挙前こそ一般人が選挙に興味を持って、ネットで議論すべきであって、それが違法かもしれないということ自体、民主主義としておかしい。

公選法146条1項は、表現の自由を制限する法令の違憲審査基準のうち、明確性の原則違反の、「過度の広汎性ゆえに無効」と言えないだろうか?

追記
1月に告発された市長が、またやってくれましたw
http://mainichi.jp/select/today/news/20090820k0000m040079000c.html

市長のブログ「さるさる日記 - 阿久根時事報」
http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&log=20090819

なかなか、まともな方です。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090325/190003/

つい先週までは、今度の選挙は民主党へ投票するつもりでいた。
このブログで何度も書いてきたけれど、官僚支配に逆戻りさせた麻生政権に、心から怒りを感じたからだ。自民党は腐りすぎたと。(上記フォーサイト9月号は、「『働き方』の研究」というミニ特集も良かった。各党のマニュフェストを読む上で、そもそもどういうライフスタイルを目指すのか、考える参考になる。オススメ。)

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20398352,00.htm
こういう、薬事法改正の問題点などのインターネットに関する姿勢は、民主党の方がマシと、今も思っている。

かくいう自分は、4年前、郵政民営化は最低限当然に必要と考え、その先に続く脱官僚の様々な改革にも期待し、うちの選挙区の自民党議員は大嫌いだったのに、我慢して入れた。しかし、自民党の圧勝は嫌だったので、小選挙区は民主党ではない野党に入れた。

そして、4年前の選択は、今でも正しかったと考えているし、4年前に郵政民営化に賛成した人で、現在、後悔しているという人には、出会ったことがない。あの時賛成した人にとって、現在言われているようなマイナス面は想定内のことで、実際に郵便局を利用して実感するサービス向上のプラス面が、想定以上に素晴らしかったのだから、後悔のしようがない。意見が変わった人がいたら、是非、その理由を聞いてみたいけれど。

ところが、自民党は、郵政民営化に反対した議員が復党するだけでなく、小泉引退と分かった途端、党内の隠れ反対勢力が「実は反対だった」とか言い出す始末。かんぽの宿は、売却に反対した総務大臣のおかげで、今も年間50億の赤字を垂れ流したまま。代案もなしに赤字を押し付けるなんて、民間の感覚ではあり得ない愚策であって、ドン・キホーテもいい加減にしろと...

結局、4年前から反対していた人が、4年経っても逆転のチャンスをうかがっていて、さも民営化そのものが失敗だったかのように、今も声高に叫んでいるだけだ。

もちろん、軌道修正が必要な部分もあるだろう。しかし、抜本的見直しなどという実質的改革後退なんて、4年前に民営化に賛成した国民は、望んじゃいない。4年前、民主党が負けて良かったと思っていることに、何も変化は無い。

それでも今回は、民主党に入れようと、思っていたのだ。


ところがだ...
「野党3党が共通公約発表 郵政4分社化見直し」(2009/08/14 20:59 イザ!)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/289929/

何で民主党は、4年前の国民の選択を、平気で無視するんだよ。
何で今更、小泉批判なんだよ。
あの選択は正しくて、問題は改革が不完全であった点にあって、その不満が反自民の感情を増大させているってこと、理解しろよ。

民主党は今、非難すべきは改革を逆行させた麻生政権の失策の数々であって、4年前の勝者である小泉政権を非難するのが、筋違いであることを全く理解していない。4年前の恨み節を、何をネチネチとやってるんだ?

フラれたのに、それが理解できないストーカーのようだ。
彼女(国民)の前で、元カレ(小泉)を非難したって、甲斐性なし(民主)が美化されることは無いんだよ?
うわ、なんだこのキモイ例えは(自爆)

民主党の言うことは、4年前も民主党を選んだ人には、さぞ心地良いだろうよ。
だけど、4年前自民党を選んで、今は自民党に入れたくないと考えている層の心には、何も訴えるものが無い。

今、民主党支持の世論が形成されているのは、4年前の選択に国民が反省してるわけじゃなくて、4年前の選択が正しい前提で、麻生政権がそれを無意味にしたことへの反動だってこと、いい加減、民主党は気づけよ!

おまけにこれだ
「民主、田中真紀子氏の入党で保守・無党派取り込み狙う」(2009/08/16 17:22 NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090816AT3S1501C15082009.html
何で今、田中真紀子なんて受け入れるんだよ(失笑)
もう耐えられない。


ということで、自民党には入れたくないけれど、民主党にも入れたくない。

そこで、改革路線、脱官僚を本気でやる気の、4年前の国民の選択に一番忠実な政党はどこかと考えた挙句、「みんなの党」にたどり着いた。名前がナニだけど、別に怪しい宗教でもなければ、変な利権集団もバックにいないので、この際気にしないことにした。渡辺元行革担当大臣が、改革を蔑ろにした麻生政権を非難して、自民党を離党して作った党だ。
http://www.your-party.jp/policy/

昔は、渡辺さんは好きではなかった。でも、公務員制度改革を誠実に進めようとしていた姿に、時々関心していた。それを貫いた結果の離党後の動きは、気になっていた。

選挙公約には、「郵政民営化の基本的骨格は維持」と明記されている。

唯一まともな、改革新党だろう。
みんなの党マニフェスト2009(完全版)も、ダウンロード開始になった。
http://www.your-party.jp/file/manifest200908.pdf

TV等でほとんど取り上げられてないようだけど、理由が分からない。
新党できたばかりで、メディア対応なんかも人手不足なのかもしれない。
頑張って欲しい。

結党の記者会見は、とても良かった。


ということで、比例は、みんなの党に入れるとしてだ...
残る問題は、うちの選挙区に候補者が立ってないことだ(^^;
まあ、社民の候補者は、違憲の疑いのある児童ポルノ法改正に反対していた点は、すごくまともだったけど...悩ましい...


蛇足:
最後に一応、「MiAU総選挙プロジェクト2009」の候補者アンケートのページへリンクしておく。
http://miau.jp/index.phtml?genre=%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88

中豪関係の悪化

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http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-10505420090812

あちらの刑事訴訟制度がよく分からないけれど、身柄拘束して約1ヶ月たって、正式に逮捕となった。日本なら、逮捕前置主義なんで、身柄拘束後に逮捕なんて手順は違法だ。逮捕できるだけの証拠が無いならば、起訴前勾留する根拠が無いわけで、任意同行しかない。まあ、そんなことは、司法試験受験生以外は興味ないからどうでも良い(苦笑)


重要なのは、先月のこれが、
http://maruko.to/2009/07/post-54.html
ちゃんと話が進んでたことに、ちょっと驚いた。内心、ウヤムヤになるんじゃないかと思っていた。

でもって、平行して
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=33799
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34266

こういうこともやってる。


ラビア・カーディルが来日した時、日本も同じようなことは言われた。でも、それはもう予定調和というか、反日感情とは違う、関係を悪化させたくないがための、形式的な苦言しか公式には出なかった。とりあえず、言わないわけにいかないから言っとく程度の苦言だ。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=33922


しかし、オーストラリアに対しては、どうも違う、反豪感情の芽生えを、メディアに載せてる。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0716&f=national_0716_016.shtml
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090713/fnc0907132153011-n1.htm
こういう、政府首脳レベルでやりあって、今回の逮捕だ。正に、外交問題に発展しかけている。

ケビン・ラッドは親中と言われていたのだけど、もしかして親しいのは上海幇だけだったのだろうか。そうであるなら、我が国の次期政権は、少しオーストラリアに近づいてみると良いかもしれない。捕鯨反対の白豪主義な連中に、少しは恩を売れるかもしれない(苦笑)


イランの油田争奪戦、中国が日本を大幅リード―仏メディア(レコードチャイナ)
http://www.recordchina.co.jp/group/g34031.html
イラン・南アザデガン油田、中国が権益70%獲得へ(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/update/0801/TKY200908010214.html
-->
イランの核開発問題を受け、日本企業が自ら権益を縮小したイラン南西部の大規模油田「南アザデガン油田」について、中国石油天然ガス集団(CNPC)が権益の70%を獲得する見通しになった。イラン石油省傘下のシャナ通信などが報じた。日本が開発主導権を手放した後、資金不足のイランは中国に接近していた。
<--

結局、アメリカの圧力で日本が手放した油田の権益は、中国が獲得するわけだけど、この件で中国がアメリカから非難されたという話は、一切聞かない。

資源外交という国民生活に直結する問題の、政府の大失点を、「日本企業が自ら権益を縮小した」なんて報道するアサヒは、何に配慮してるのか疑問。選挙が近いから、麻生政権の大失策を指摘するのに、躊躇しているかな?

エネルギー外交能力が無いということは、日本という資源不足な国の政府として、かなり深刻。アメリカ追従した結果、ロシアに依存度高めるって...理解不能。
サハリン1
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/229583/
サハリン2
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/239823/

機能不全の麻生政権の合間に、日本の選択肢がどんどん無くなっていく。

凄い大問題のハズなのに...

のりPとか、もうどうでもいいから、ちゃんとこの国の政策の問題に関する出来事は、メディアは大きく取り上げるべきだ。


日航、旅客事業10%縮小へ...人件費も1割減(2009年8月5日14時39分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090805-OYT1T00578.htm

でたよ...
今回示された案で、政府の支援が決まってから新たに出てきた部分て、一体どこの部分だ?

小型機への切り替えも、不採算路線の廃止・減便も以前からだけど、「上積み」って部分のことか?

>社員数も減らし、人件費の1割削減を目指す。

そんなパフォーマンス、焼け石に水だろ。
もっと他に、効果的に削るところあるだろうに...

去年のこの給与水準から、今どうなってんの?
http://nensyu-labo.com/syokugyou_kyabin_atendant.htm
主な航空会社の客室乗務員の平均年収
 JAL(日本航空) 676万円
 ANA(全日空)  463万円
 スカイマーク     314万円
http://nensyu-labo.com/syokugyou_pairotto.htm
主な航空会社のパイロットの平均年収
 ANA(全日本空輸) 2,199万円
 JAL(日本航空)  1,964万円
 スカイマーク       619万円

資金難で政府8割補償の公的資金を一千億円も投入(年末に更に一千億円予定)されといて、給与削減に触れないっての、変でしょ。社員減らして人件費1割削減なんて、詐欺みたいな方針だ。職種ごとに他社を見習って、水準下げる余地大有りだろう。別に、スカイマークまで下げろとは言わないけれど。

まさかとは思うが、事実に反するとはいえ、形式上は経営破綻しそうって理由で国から支援受けたことになってるのだから、ボーナスとか出てないよね?え?どうなの??

え?あんな支援、財務省と国交省の利権拡大を手伝うために受け入れただけで、自分たちは危機感無いから、給与水準下げるなんて、労組は断固反対ですか?

これで、削減対象の社員が、給与の安い契約社員だらけだったりしたら笑える。

07年の中期再生プランで話題になっていた、西松社長の年収960万円てのは、きっと今も据え置きだろうけど、いい加減、腐った労組も反省してくださいね。公的資金が投入されるのは、あなたたちの特権でも何でもないですから。

少なくとも、国民の税金で助けられたなら、安易に不採算路線廃止じゃなくて、採算取れる給与水準に下げて、路線を極力残す努力をしてくださいよ。路線廃止された地方が、どんな損害受けるか、想像できないですか?

公的支援を受けたら、公共性のあるサービスを縮小するって、どんなトンデモ方針か分かります?

発想が真逆だろ!

低い給与で頑張ってる航空会社が居るのに、高額な人件費で自滅してるJALを、税金で助けてサービス低下なんて、本当に最低最悪な気分だ。


国交省さん、マジで、カボタージュ規制緩和してくださいよ。

2月にカボタージュの規制緩和っぽいニュースがあった件は、先日も以下の最後に触れたけど
http://maruko.to/2009/07/post-57.html
その後どうなってんの?

2月当時は、カボタージュ撤廃かってくらい、期待があった。
http://metro-ibaraki.blogspot.com/2009/02/blog-post.html

だけど、以下を読めば分かるけど、2月のニュースは、ほぼ誤報だった。
http://www.mlit.go.jp/report/interview/jikan090202.html
-->
(問)機材はカタールなりエミレーツの機材ではないということですか。
(答)外国の企業でその機材がコードシェア出来ればそのまま使える。つまり両方の便名が載るということです。
(航空局)両方の便名が載るのはその通りですが、機材はこの場合は本邦企業の機材を使うということです。

(問)どっちなんですか。
(航空局)カタールとアラブ首長国連邦については、関空から本邦企業の国内線に外国企業のコードが載るという意味です。

(問)すごくびっくりしたのですが、今のお話し聞いてて。
(答)結局、便としては先方の航空会社の便名とこちらの航空企業の便名が重なって載るということです。失礼しました。
(航空局)機材は本邦企業を使うということです。

<--

-->
(問)繰り返しになりますが、国内だけで乗り降り出来るということも視野に本当に検討に入っているのですか。
(答)ですから、国内のみでの運航は、先程の関係で言ったらカボタージュとの関係でやはり問題になるので。

(問)誤報ですか。
(答)独立で輸送するということになると、カボタージュの問題はクリアしなければならないという問題になります。

(問)クリア出来るのですか、出来ないのですか。
(答)色んな意味で検討をしないといけないと思っています。どういう条件の下で問題がないかということは検討出来るのではないかと思います。特に、独立に運ぶという話になると形式的にはカボタージュになります。

<--

-->
(問)それとこれとは別の話です。関西国際空港と地方空港の間を外国の航空会社の機材で乗り降り出来るような仕組みを作るのかということを聞いているのです。
(答)それは検討の課題に入っています。どういった形で出来るのかということは検討次第です。

(問)検討課題に入っていると言って宜しいのですか。
(答)勿論「検討しています」とはどういうことですかと言えば、そういったことを含めて色々と検討をしているところです。実際それがどのように上手く整理出来るかということはあります。

<--

なんてことはない。カボタージュ規制はそのまま、単に国内の航空会社の機材に、海外の航空会社がコードシェアできるってだけの話だったわけだ。

それが、余りにも無意味で、驚くぐらい役に立たない内容だったので、航空関係に詳しい人々は常識的に解釈し、海外の航空会社の機材に、国内の航空会社の便名を付けて、国内を飛べるようにするのだと誤解した(苦笑)

だって、路線の廃止や減便が相次ぐ関西国際空港を支援する目的と、大々的に報道されたにも関わらず、増便や路線開拓に全くつながらない政策なんて、想像つかないじゃないか。

海外の航空会社が仮にコードシェアしたくとも、赤字体質の国内の航空会社は、国内の路線を廃止や減便してしまっているのだから。JALなんぞが廃止した路線を復活させなけりゃ、空港支援にならないけれど、冒頭に書いた通り、更に便を減らそうとしている現状だ。

飛びたい会社に飛ばせてあげたらいいじゃんかぁ(´-`)

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090704dde041040032000c.html
-->
財団法人「道路保全技術センター」(東京都)が道路陥没の危険性を調べる国土交通省発注の路面下空洞探査業務を独占的に受注し、ずさんな調査をしていた問題で、センターが昨年度に受注した業務の空洞発見数が前年度に比べて激減したことが3日、分かった。自民党の河野太郎衆院議員が入手した資料で明らかになった。センターには経験豊富な専門技術者がおらず、国会などで問題になっており、調査の信頼性に対する疑問がさらに高まった。
<--

道路のアスファルトの下の土が、雨水などの要因で流出し、空間ができ、ある日突然道路が陥没する。これ自体は、時々ニュースになる。

一応、以前から、空洞調査が行われ、危ないところは穴埋めの補修工事がされてきた。見落としたところが、残念ながら大事故になっていたのだろう。
ところが昨年、この調査の受注をした、国交省の天下り先が、最悪なことをしでかした。競争入札の形だが、評価点の配分などを仕組み、実際は特定の会社に落札させられるようになっていて、調査能力が無い天下り団体が落札してしまった。

-->
探査は、レーダー搭載の特殊車両が高速走行しながら調査するもので、東京都大田区の民間企業が約20年前に開発。国交省から独占受注を続けてきたセンターは、この開発企業から出向させた専門技術者に業務をさせていた。しかし、国交省が08年度に新契約方式の簡易公募型プロポーザルを導入し、開発企業とセンターが受注を競い合うライバル関係になったため、開発企業は技術者全員をセンターから呼び戻している。
<--

独占に問題があったからなのか、受注を競争できる制度だけ導入して、国交省の天下り団体と民間企業が競争したように装った。で、結局天下り団体に受注させたところ、競った民間企業の協力なしには、天下り団体は調査能力が無かったわけだ(大失笑)
http://www.hozen.or.jp/center/

問題はその先。その天下り団体は、調査する車輌は保有しているので、一応調査したけど、調査結果を読み取る能力が無く、虚偽の調査報告をでっち上げた。結果、巨大な空洞が放置される結果となり、命に関わる問題に発展。空洞があると言われた場所に、空洞が無いのはまだ良い。しかし、空洞は無いと報告された道路が、実はいつ陥没するか分からない、補修の必要がある状態で、何十箇所も放置されている。

気温が高い最近は、アスファルトが弱くなるので、特に危険度が増す。
天下りのために、国民の命が失われる危険が生じるという、最悪のパターンだ。
つか、明らかに不法行為だろ。相手が天下り団体だろうと難だろうと、国は騙されたのだから、刑事事件に発展してもおかしくない。もちろん、そんなことになったら発注した側の国交省の役人にも問題が飛び火するので、しないわけだ(苦笑)

http://www.taro.org/blog/index.php/archives/1050
身近な場所の道路がヤバイというのは、ちょっと驚く。

ででで

緊急に再調査をすべきなのに、国交省は何ヶ月も引き伸ばしや、もみ消しを図り、ズルズルと調査が遅れてきたのが、やっぱりこの政局のドタバタを利用して、8月に調査の予定がくまれた。

http://www.taro.org/blog/index.php/archives/1092

このタイミングなら、うるさい政治家の目を盗み、手抜き調査を隠蔽できるって算段か?...最悪だ。

これで、選挙前に事故でも起きたら、選挙の新しい争点になったりして...

とりあえず、注意のしようが無いけど、皆さん暑い日は道路に気をつけませう(苦笑)


ちなみに、上記の河野太郎のブログの下に書いてある、カンボジアのODAの問題というのは、ODAでカンボジアに国道を作るという一見素晴らしい話に見えて、実は対象予定地の住民の土地を補償なしで取り上げ、追い出すという、人権侵害を外務省がやらかそうとしている件。相手国の人権概念が弱いからなのか知らんけど、日本じゃ許されない行為に金出すなよー。立ち退き料まで、ちゃんと計算しろよー。

援助地域の住民に恨まれる、素晴らしいODAは、誰の懐が暖まるのだろう?


http://jp.techcrunch.com/archives/20090720youtube-experimenting-with-3d-web-videos/
http://japanese.engadget.com/2009/07/22/youtube-3d/

ちょっと話題になってる。

HD立体もOK
http://www.youtube.com/watch?v=UTOwV5IJq48&fmt=22
ここに動画を埋め込むと分からないので、リンク先の動画の下を見て欲しい。
3Dの表示方式を選べるようになった。

Googleの「20%の自由時間」を利用して開発したというのが、面白い。

今後は、3Dシアター向けのCG作品をYouTubeでプロモーションするのは、ありかもしれない時代だ。

なお、一般人に3Dの需要があるかといえば、実はYouTubeに限らず、こんなWebCamも存在する。

http://wiredvision.jp/blog/takamori/200907/200907281520.html

ちょっと高いかな...

日本なら、こんなウォーリーみたいなカメラじゃなくて、せっかく目が2つあるのだから、「萌えキャラ」や「ゆるキャラ」の大きめなフィギュアにでもして、PCの上にキャラが座っているように見える製品でも作った方が、売れる気がするw

クリエイティブ・コモンズが、文化庁の審議会への報告向けに、フェアユースに関するアンケートを行っています。ご意見のある方は、是非回答を。

http://creativecommons.jp/news/2009/07/19/fairuse_enquete.php

何故こういう質問になっているかは、文化庁の著作権分科会法制問題小委員会の前回の議論が関係していると思われます。著作権法には、民法の信義則のような一般条項が無く、フェアユースを一般条項として規定すべきという中山氏の意見と、その真意を曲げて理解し、民法の信義則があるならフェアユースは要らないという松田氏の意見が対立しているようです。

まだ、議事録が公式には公開されてないのですが、
http://twitter.com/tsuda
これを先月24日の午後1時くらいまで遡れば、大体理解できます。
ちなみにこれが、本物の「tsudaる」ですw


自分の回答は、包括的にフェアユースを導入することが、現在既に行われているコンテンツ制作の現場の違法行為を合法化するために必要、という感じで。フェアユースに反対する著作権者は、自ら著作物を創作していないから理解していないのだろうが、制作現場では、既に他者の著作権を侵害しながらアニメ等が制作されていることからすれば、反対すればするほど自らの首を絞めることを理解すべきだと。二次的利用という意味ではなく、アニメやCG等の映画の著作物の制作「過程」は、著作権侵害無しに成立しないのであって、それらを唯一合法化できるのが、フェアユースだと。


前回、「JALは潰れるべきだった」というのを書いたけれど、別の場所で、以下の件の補足を受けた。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/273834

ここ10年ほどの改革が、本当にここ1・2ヶ月で、信じられないくらいに逆行した。
財務官僚は、本当にやりたい放題で、無能な麻生政権を自由にコントロールし、自分たちの、かつて失われた利権を、大幅に回復したわけだ。中川昭一のあのG8での失態も、彼らにとっては、さぞ好都合だったことだろう。

大・大蔵省の、王政復古の大号令とでも言おうか。

誰か、改革の逆行した例を、リストにして欲しい(苦笑)


それから前回、JALの件と、観光立国の件を補足なしに書いてしまったので、関連性を少し補足する。(他で質問が出たので)

日本というのは、この狭い国土に、空港だらけだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%A9%BA%E6%B8%AF

これは、かつての一県一空港政策なるトンデモ政策の結果で、国交省はもっと非難されても良い...「かんぽの宿」と同じようなものだ。赤字の地方空港は、地方財政の大きな負担になっている。この点、ダイレクトに地元が被害を被っている点で、「かんぽの宿」とは違うとも言える。被害が各都道府県に分散しているので、国会で問題になることはないのだろう。

作ったゼネコンだけは、さぞ潤ったことだろう。

地方空港は、作った以上は航空会社に運行してもらわなければならないので、韓国の航空会社等にお願いして、乗り入れてもらうのに出血大サービスが当たり前だ。何千万円も県が補助する条件だったり、向こうからも着陸料だの施設利用料全額免除を条件に提示されて、足元みられたりして、ほとんど丸呑み。まあ、お陰で、日本に来る外国人観光客のトップは、ダントツで韓国人ではある。増えるのは良いけど、他の国からも増えて欲しい。

先月も、富士山静岡空港が開港した。
http://www.mtfuji-shizuokaairport.jp/flight/international/index.html
この国際線、JALもANAも存在しない。こうして地方空港に、韓国・中国の航空会社にお願いして、定期便飛ばしてもらっているわけだ。
(注:富士山静岡空港が、上記の大サービスをしているかは、知りませんよ)

JAL、ANAは、国内線を少し飛ばしているけれど、JALは不採算路線をどんどん廃止してきたので、ここも採算次第だろう。まあ、不思議なことに、JALが赤字で撤退した後に、他社が飛ばしてみたら、全然黒字になったという話もあるそうだ(苦笑)

この辺が、前回の、JALは潰れるべきだったという話につながる。

地方空港は、トンデモ政策のせいで無数に存在する。ところが、JALの高コスト体質では、なかなか地方空港間を黒字で飛べず、運賃は高いし、路線はどんどん廃止される。一県一空港なんてトンデモ政策の無計画性は非難されるべきだけど、これら無数の地方空港間をダイレクトに結ぶ便の需要は、本来はある。東京に住んでいると分からないが、地方にとっては、一々東京を経由せずに他の地方に行けるというのは、価値がある。

JALでも黒字になるところは良い。しかし、JALが撤退した路線に、需要が無いわけではないだろう。他社で黒字になるなら尚更だが、LCC並に安価であれば、JALでは不可能だった需要が喚起される。停滞している地方経済への経済効果を考えれば、これがどれだけ重要か、想像に容易い。

海外のLCCも、この多数の地方空港の活用に、大きな興味を持っている。
成田や関空は、空港使用料が高すぎ(関空は最近半額キャンペーンとか話が出てる?)、LCCには利用し辛い。対して地方空港は安く、しかも成田くらいの不便さを基準に考えれば、十分に実用的な立地だったりする。茨城空港とか。

LCCの乗り入れを認めるかどうかも、国交省の規制緩和で、やっとボチボチ認められてきたけれど、佐賀みたいに、LCCが興味を示したのに滑走路が短かったなんてのは、凄く勿体無い。
http://www.saga-chiji.jp/teian/goiken_new/entry.html?eid=1487

成功例はフランスにある。
http://mediasabor.jp/2007/08/lcc.html
フランスは、外国人観光客受入れ世界最大の観光立国で、LCCと地方空港の組み合わせの成功例でもある。良いところは真似するのが日本のお家芸なのだから、よくよく参考にすべきだろう。

日本人は、海外旅行で海外に金をばらまいてばかりで、海外からの観光客を増やすことの重要性を理解してなかった。
http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=38273
観光客ってのは、短期間で大金を使って去っていく、有難い人々なのだw
こないだ、中国からの観光自由化で、高額所得者に限定したのも、その意味で正しい。
http://www.recordchina.co.jp/group/g33338.html


観光立国を目指した小泉政権は、地方の活性化の観点からも、正しかった。

しかし、LCCの躍進という航空業界の世界的な変化までは、小泉政権時代には織り込まれていなかったかもしれない。だが、時代の変化に合わせて、政策実現に向けて軌道修正するのは、後の政権の役目ではないか?

観光庁まで作ったのは、何のためさ!?


観光立国の実現には、JALの体質改善は重要だった。ところが、高コストで競争力もなく、地方空港間のインフラを堅持することもできないJALに、公的資金が投入されてしまった。単に潰れるべき会社を無駄に助けただけでなく、地方の活性化の妨げを、財務省と国交省がやってしまったことを、麻生政権は指を加えて見過ごしたことになる。

被害は、国民の潜在的・長期的・将来的利益だから、指摘されなければ気が付かない。
マスメディアは、近視眼的に短期の既存の利益の損失でないと、報道する能力が無いようで、非常に残念だ。


さて、JALの改善が見込めない現状で、今後の争点はカボタージュだろう。

地方空港は多数ある。
 ↓
しかしJALはどんどん赤字で撤退するし、高い。
 ↓
カボタージュのせいで、黒字で飛べる海外の航空会社が地方空港間を飛べない。
 ↓
地方空港運営の赤字拡大による地方財政の圧迫。

この、最悪の未来は、絶対に避けるべきだ。

カボタージュが必要なのは、国内の航空会社を守るためなので、それらが運行しないのなら、規制を部分的に緩和し、黒字で飛べる海外勢に飛んでもらうことが、国民のためってものだ。

しかし、JALに金を出してしまった国が、JALの競争相手を資する(=国民の利益に資する)ようなカボタージュの規制緩和をどの程度できるだろうか?

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009020200698
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20090202ke04.htm
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国土交通省が関西国際空港の発着便に限定して、海外の航空会社による国内路線の運航を認める方針を固めたことが2日、明らかになった。景気後退などで国内路線を中心とした路線の廃止や減便が相次ぐ関空を支援する狙いがある。
<--
このニュースの続報が気になる。

これは、地方分権の重要な論点として、同時に、観光立国政策の要として、霞ヶ関が私利私欲に走らないように、次の政権が重視すべきだ。間違っても、私利私欲を愛国心に置き換えて、「日本の空は日本人の手で」なんて島国根性な世論操作には、耳を貸してはいけない。もう、十分に日本の航空会社は、反省する時間を与えられてきたのだから。


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