リトルウィッチアカデミアの成功と国の支援

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http://gigazine.net/news/20130710-little-witch-academia-2/
この成功は素晴らしい。
で、政府のクール・ジャパン推進とは、どんな関係があるのだろうか。

というのは、こういうのがクラウドファンディングで成功するなら、政府のクール・ジャパン推進機構による金銭的支援なんて要らないというツイートを見かけたからだ。

まあ、確かにそういう側面があるのだけど、じゃあ国の支援なんて全く要らないかというと短絡的過ぎで、そもそもこの作品が、文化庁の支援で作られたという経緯がもっと理解されるべきだろうと感じた。
http://animemirai.jp/about.php

アニメミライのプロジェクトが始動した2010年の前、どんな状況だったか、覚えているだろうか。
前年の2009年、麻生内閣は、「アニメの殿堂」とか「漫画の殿堂」、「国営漫画喫茶」と揶揄された117億円の箱モノをお台場に作ろうとして、大きな批判を受けた。このブログでも批判した。
http://maruko.to/2009/04/post-25.html
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まだ、117億で、5・6本でも継続して作品に投資してくれた方がマシだ。
コンペは、代理店抜きなら10本作っても十分おつりくるぜ?
受注条件は、制作会社を国内に限定し、海外への下請けや外注は、極力制限しても良い。あと、制作過程でコンプライアンスを遵守させることは、必須条件だ。経産省とも連携すれば、
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20390487,00.htm?tag=nl
これのガイドラインを生かした成功例にさせても良い。
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その後、国立メディア芸術総合センターという仮称を得たのだけど、当時はmixiのコミュなんぞでも色々議論されていた。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43952487&comm_id=111198&page=all

そして7月、設立準備備委員会に日本アニメーター・演出家協会(JAniCA)が出席し、人材育成の必要性を訴えた。
http://www.janica.jp/press/mediacenter.html
国立メディア芸術総合センターを作るなら人材育成に使わせろと。

経産省も「アニメ産業コア人材育成事業」が動いていて、日本動画協会が随意契約してJAniCAが再委託していた。
http://www.meti.go.jp/information/data/c90728aj.html

で、9月に麻生内閣が終わり、民主党政権が始まった。

当時の「コンクリートからヒトへ」という大きな流れは、まだ誰もが覚えているだろう。
国立メディア芸術総合センターの話は消えたが、JAniCAによる人材育成の必要性の訴えが通じ、2010年、文化庁委託事業として「若手アニメーター育成プロジェクト」(後のアニメミライ)が始まった。

当初は、作品制作団体選定に関連してJAniCA内部でちょっとしたイザコザがあったり、心配な時期もあったが、今から考えれば大成功だったと言えるのだろう。
http://www.janica.jp/press/janicatimes_001.pdf
http://www.janica.jp/press/janicatimes_002.pdf

そうして、アニメミライ2013で制作されたのが、リトルウィッチアカデミアだったわけだ。
http://www.animemirai.jp/c2.php

「俺たちクールとか言ってる場合じゃねーよ。絶滅危惧種なんだよ!」と言ったかどうかは知らないが、アニメミライとは、「コンクリートからヒトへ」の民主党政権が、とても上手く機能した例だったのかもしれない。政権が自民党に戻って、経産省のクール・ジャパンがまたヘンテコな方向に進んでいても、
http://www.huffingtonpost.jp/social/Hiroshi_Koga/story_n_3438220_260977327.html
文化庁のアニメミライは健在(縦割りのお陰?(苦笑))であり、
http://www.animeanime.biz/all/136295/
http://www.kickstarter.com/projects/1311401276/little-witch-academia-2
こんな成功につながっているのだ。

こういう支援こそ、クールだと思う。

と、ここまで書いてから検索したら、
http://ure.pia.co.jp/articles/-/12761
丁度いい記事もあった(^^;

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コメント(6)

月3万。それでセル何枚塗るのか・・・こないだ「岡部に帰る電車賃がなくて」って物乞い青年に声かけられてまいました。
なんかこう、賃金体系を超えたボランティア体系の中でもいいから仕事増やせるシステムってないですかね?おとといは秋葉で路上強盗だし、、悪化が著しい

私も、アキバで路上強盗あったことありますよ。
http://maruko.to/old_home/1996_d/denger1.htm
当時も、この手の犯罪が激増しているとか言われてました。
その頃アニメ業界に就職した友達は、初任給5千円と笑ってました(遠い目)
本当に悪化するのは、デフレが終わってしまうこれからかもしれませんよ。

ローン組んだ方々への徳政令だから親の子殺しや過労自殺?なるものの減少になるなら物価高も目をつぶるかなぁと思ってます(工場逃げないで~)。お安く楽しいコンテンツ作って家建てる方法考えますか。東京はコワいさ

子殺しも自殺も、あまり物価関係ないですよ。
http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/52175200.html
特に自殺は、ついに昨年15年ぶりに3万人を大きく下回り話題になりましたが、既に3年連続で減少です。日本は、緩やかなデフレが安定した社会に慣れてきていたものが、これからどう変化を余儀なくされるのか...というところに、個人的には注視したいと思っています。
あと、私は家を建てたいという発想自体がなく、私の周りも借家の方が良いという人ばかりで、実はその欲求自体がよく分かりません。デフレに慣れ親しみ過ぎたせいかもしれませんが(笑)

話を戻しますが、クラウドファンディングはリトルウィッチアカデミアに限らず、先日もKick-Heartが出資者向けに作品のダウンロードが開始されました。
http://maruko.to/2012/10/post-133.html
素晴らしい出来栄えでした。
受注仕事に左右されない、新しいパトロン制度の活かし方をよくよく学び、より良い生態系の再構築、定着を図っていくべきなのでしょう。

コンテンツへの投資、がし易くなるといいですね。「映画鑑賞先払い」的になるだけでも制作リスクは減るものなのでしょうか。鉄筋コンクリート見始め1分ですが、映像的なインパクトという点でレベル高いな、と思います。オトナの会話で「アニメ」の話をしにくい現在、「仏映画」みたいなブランド力につながらないんじゃないかと、そう思います。液晶モニタ売る時におまけで新進気鋭なヤツを半分だけ入れる、とか?

リスクを負うのは出資者側ですから。通常、製作委員会方式なら出資した各窓口会社が、作品のヒットや二次的な展開での金銭的利益を狙うわけですが、クラウドファンディングの出資者は、作品が期待通りに完成し、事前に約束されたリワードが得られれば満足です。期待外れでも、出資額が少額な人は、映画館で駄作を観てしまったのと同じようなものかと。出資者が制作に口出しせず、作品に関する全ての権利が制作者に残るというのが、とても重要です。
ただ、作品が完成しないとか、物凄い期待外れな出来だった場合、制作側はダイレクトにファンの信用を失うわけで、そういう意味で責任は重大かと。クラウドファンディングそのものは、失敗例も多いのです。

オトナの会話云々ですが、少なくとも海外で、日本のようにアニメが大人向けとしても認知されている市場は稀です。しかし、それとブランドは関係ありません。それぞれの国で、人気の出そうな作品をピックアップして売り込めば、その国限定の日本ブランドを作り出すことは可能でしょう。が、それは現場が作りたい作品を作るためのお金をクラウドファンディングで集める発想とは、むしろ対極にあるでしょう。

また、仏映画と比較するなら、日本の文化予算はフランスの5分の一程度ですし、フランスのような映画振興の優遇税制もないのであり、国家としての文化振興への姿勢の違いが大きいでしょう。日本では、軽視されているのはアニメだけではないのです。

経産省のクール・ジャパンに文化振興の視点が欠如しているのは、我々がエコノミックアニマルである証拠のようで残念ですが、だからこそ文化庁のアニメミライの成功が貴重なのです。私は、文化庁を文化省に昇格させるべきだという意見に賛成ですが、恐らく自民党政権では無理だとも思ってます。

ちなみに、「鉄筋コンクリート」と書かれてますが、「鉄コン筋クリート」の間違いだと思いますが、これは監督も脚本も日本人ではありません。が、制作のSTUDIO 4℃の味が良く出た、日本らしいアニメだと思います。私は、STUDIO 4℃はブランドだと思っています。

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このページは、ranpouが2013年7月12日 22:02に書いたブログ記事です。

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