フォーサイト復活と中東情勢

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予定が少し遅れたが、9月1日から運営開始となったWeb版フォーサイト。
http://www.fsight.jp/

自分としては、
http://maruko.to/2009/12/foresight.html
http://maruko.to/2010/02/web.html
こういう経緯で、まずはとても嬉しい。

まだまだ新しい記事は少なく(雑誌時代含め過去の記事は見られる)、月額800円がペイするかは1ヶ月にどれくらい記事が賑わうか次第だろうか。

とは言っても個人的には、中東研究の池内氏の連載の続きが見られただけで、既にペイしていると言ってもいい。しかも、なんと驚いたことに、1日2日と連続で連載がアップされてる!

休刊の間の欠落した情報を補完するがごとしだ。
また、Web版の即時性をも実感させる内容だ。

でも、この喜びを他者と共有したいにも、まだ有料会員は多くないだろうし、会員でないと見られない記事にリンクして言及しても...

また、本来合法な、記事の一部引用すら事前承諾を要すると読める会員利用規約17条1項の以下の文言も、ブログで取り上げることを激しく躊躇させていた。
--
会員は、本サービスにより提 供されるコンテンツの全部または一部を、当社または当該コンテンツの提供元の事前の承諾なしに、転載、複製、出版、放送、公衆送信等その他著作権等を侵害 する行為を、自ら行うことはできず、また第三者に行わせることはできません。
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この点は、追々編集部に質問してみたい。


ところが、昨日の池内氏の記事は有料会員向けだったが、2日のは無料公開に設定されていた!(だからと言って、有料会員の価値が損なわれるものではない)

これなら外部でリンクして話題にできる。
岐路に差し掛かる米・イスラエルの「特別な関係」
http://fsight.jp/article/5694

とりあえず、フォーサイトを知らない人は、上記記事を一読すれば、有料情報の価値というものを少しは理解できるかもしれない。記事を鵜呑みするかは別にして、これを知っているかどうかで、TVや新聞の見方すら、大きく変わるだろう。


ということで、記事の前に、まずはイスラエルについて自分が最後に触れた過去のものを...
http://maruko.to/2009/01/post-2.html
この時に言及した選挙で、中道政党カディマは、世俗的右派のリクードに1議席差に迫られた結果、リクードのネタニヤフが右派をまとめ(極右の「イスラエル我が家」、右派・宗教政党の集合体「国家統一党」等がネタニヤフ支持)、ネタニヤフが首相に返り咲いてしまった。結局、支持率がジリ貧の汚職まみれのオルメルトでは、戦争をしてもカディマは政権を維持できなかったのだ(一応第一党ではあるけど)。

やはり、あの国は、元軍人でなければ首相が務まらないらしい(苦笑)
その後の状況は、言わずもがな。パレスチナとの関係が改善するはずはない。

フォーサイトの記事に出てくる、米バイデン副大統領がイスラエルを訪問した際の「侮辱」事件が起こってしまった背景とは、極右や宗教政党に支えられたネタニヤフ政権の危うさそのものを理解できる出来事だろう。

成功したはずの会談の晩餐会で、会談相手から非難されるような失態を自ら招くとは考えられないので、ネタニヤフも極右に手を焼いているのではないかと、想像できる。

更に記事によれば、オバマ大統領との6月の会談の訪米前日に、あの事件が起こって、訪米をキャンセルしたというのだから、増々想像に真実味がわく。

あの事件とは、ガザ地区に向かっていた支援船団をイスラエル軍が急襲し、9人の死者を出した事件だ。

オバマのアメリカと距離を置きたがっている極右の連中に、ネタニヤフは足を引っ張られているように見える。

ついでに時系列で整理するなら、NPT再検討会議でイスラエルのNPT加盟を求め、中東非核化構想の国際会議開催が記された最終文書にアメリカが賛成したのが、事件の2日前だ。いやはや...分かりやすい(苦笑)


2006年に、志半ばで脳卒中に倒れたシャロンは、意識不明のままだそうで...

かつての軍事的英雄が、指導者となってから和平を望むという千載一遇のチャンスが、ラビン、シャロンと失われたことの損失を噛みしめつつ、また新たな暗殺や病変が起こらないことを祈るしかないのだけど、オバマの手腕に僅かな期待を抱かずにはいられない、そんな池内氏の記事だった。


ということで、そんな想像を掻き立てる記事が読めるWeb版フォーサイトには、是非とも成功して欲しいのであーる。

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このページは、ranpouが2010年9月 3日 00:14に書いたブログ記事です。

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