中国で暴動鎮圧というと、いつも出てくる武装警察。
前々から、イマイチどんな組織なのか、位置づけに疑問は持っていた。
でもまさか、今まで、組織の権限を定めた法律すら存在しないほど、フリーダムな暴力装置だとは知らなかった(苦笑)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090827-OYT1T00900.htm
読売は、「権限乱用」(せめて、濫用だろw)とか書いてるけれど、そもそも権限がろくに定められてなかったのだから、その指摘はちょっと間違いだ。
http://www.asahi.com/international/update/0827/TKY200908270399.html
>法制定は部隊の任務執行に法律上の根拠と保障を与える
うーむ、今までどういう根拠で機能していたのか、謎が深まる。
『ウルムチ暴動:武装警察って?権限決めた法律なし』
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0710&f=national_0710_002.shtml
>『法治国家』でありながら法律による裏づけがないなんて先進的な武器を保有していないことよりも遥かに恐ろしい
いえいえ、十分に、法治国家じゃありませんよ。
でも最近、法治国家になろうと、努力してるのは分かる。
『武装警察の暴動鎮圧任務を明確に規定へ』
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34680
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1、国家が規定する警護対象と目標、重大なる活動における武装警護任務。
2、重要な公共施設、倉庫、水源地、水利施設、電力施設、通信関係の重要施設等、国家経済と国民生活に深くかかわる施設等の武装警護任務。
3、主要交通施設の重要な位置にある橋、トンネルの武装警護任務。
4、刑務所及び拘置所の外囲の武装警戒任務。
5、直轄市、省・自治区の政府のある市、及び他の重要な市の重点区域における特別定められた時期のパトロール任務。
6、公安機関、国家安全機関、司法行政機関、検察機関、審判機関あるいはその他の機関と協力し、法に則り逮捕、護送等を行う任務。
7、暴動、騒乱、大規模かつ重大な暴力犯罪事件、テロ事件、及びその他の社会の安全を脅かす事件の処理・鎮圧任務。
8、国家が命ずるその他の安全警護任務。
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ふむふむ...あれ?
>武装警察部隊の動員に関する批准権限の帰属とその手続きについては、国務院と中央軍事委員会が定める、としている。
えぇーーー
動員の権限まで、決まってなかったのかーーー
どんな指揮命令系統だか、想像できない...
『中国の「人民武装警察法」、暴動対策を明確化』
http://japanese.cri.cn/881/2009/08/27/1s145993.htm
>武装警察は不法な略奪、自由の制限、不法な捜索を行ってはいけないと定めています。
これが一番重要なんじゃないか?
しかし、そりゃ胡錦濤の命令だって、通じないわな。
http://maruko.to/2009/07/post-54.html
これの最後の「追記」に書いたようなことが、あってもおかしくない。
そういえば、フォーサイト9月号に、「ウイグル騒乱が暴いた「民族政策」の大矛盾」という記事があって、そこに面白い噂が書かれていた。
そもそもウイグル騒乱は、胡錦濤直系の汪洋がトップの広東が発端なのに、火を噴いたのは、江沢民の側近の王楽泉の新疆だったと。汪は、胡錦濤が反腐敗を掲げて、江沢民派の牙城だった広東に送り込まれていた。それが、騒乱の責任を汪に押し付けられそうになり、これを守るために胡錦濤はサミットから帰国せざるを得なかったと。
そりゃ、命令系統も権限も決まってなかった暴力装置を活用すれば、江沢民が失地回復のために反撃に出るのに、騒乱だって起こせるわな。
そういう動きの中で、今回の武装警察法が採択された意味は、実はとても重要なのかもしれない。
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