リーダー不在

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相変わらずカイロは凄いね。アルジャジーラの、ちょっと扇動的とも言えるライブ放送に流されないように注意しつつ眺めていても、一連の騒動が、極めて平和的に進行している新しいタイプの革命であることに気が付く。(もちろん、既に100人以上亡くなっているけれど。)

http://salamuna.exblog.jp/15855798/
こういう現地にいた人のブログというのは、大変興味深い。
>*携帯電話ネットワークをまる一日止めたこと
>*インターネットを現在まで四日間以上止めていること
>*四日間続いている夜間外出禁止令
これが、今回のデモ拡大の要因というのは、思わず頷いてしまう。

既に発達したネットワークが存在していたのに、突然禁止されたものだから、逆に国民に、事態の重大性を気付かせてしまったのではないか。
http://asert.arbornetworks.com/2011/01/egypt-loses-the-internet/
いくらなんでも極端過ぎた(苦笑)


それにしても、エジプト女性は勇ましいね。
http://ow.ly/i/7JT4

飛び火したヨルダン女性も、勇ましい。
http://english.aljazeera.net/news/middleeast/2011/02/20112113957115258.html

どこまで行くのか分からんけど、中東における女性の地位が、ちょっと変わったりする切っ掛けになったりして。

でも、チュニジアにしてもエジプトにしても、多分ヨルダンも、既存の政治体制に対する不満はあっても、その先が見えない。反体制のリーダーが不在なのが、共通する特徴だろう。長期独裁政権を倒しても、新政権が結果を出せなければ、日本のように、「前の方が良かった」とか言い出すことは、容易に想像できる。特に、民主主義が未成熟な国では。

しかし、反体制のリーダーが不在だからこそ、既存政権側も、効果的に叩く相手を見つけられない。これが、市民に有利に事が進んでいる最大の理由ではないだろうか。誰かに扇動されずに、宗教や政治的野心なしに、本当に自発的に市民が立ち上がっている。まるでだ。

もちろん、軍隊が国民を攻撃しないというのも、特筆すべきポイントだが、それも、自発的に市民が立ち上がっていることと、無関係ではないのではないか。祭の警備員に徹している?

今までムバラクは、ムスリム同胞団(エジプト最大野党)を攻撃してきたけれど、今回のデモは、ムスリム同胞団が指揮してるわけではない。エジプトの市民が、アメリカのメディアのインタビューに対し、自分たちはイランのようにはならないと訴えていた(だからアメリカも、自分たちを危険視しないでくれと)のも印象的。帰国したエルバラダイも、国内で政治力があるわけじゃないらしい。

それを心配してるのが、トルコだ。
イスラム原理主義勢力の付け入る隙を与えないように、ムバラクはとっとと決着つけろと。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C889DE0E0E4E4EAE4E2E2E2E3E2E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2


そろそろ日本も、ムバラク後を見越して、積極的に発言すべきではないだろうか。
何しろ今、一連の動向に対し、自国への影響を恐れる中国は、超腰が引けているように見える。もちろん、中国は軍隊が国民に味方することなんてないので、同様のことが直ぐに起こったりはしないのだけど、とにかく、我が国が中東でプレゼンスを向上させるチャンスだ(苦笑)

え?我が国もリーダー不在だから、将来の国益を見越した行動なんて、無理?
外務大臣は、アメリカの顔色をうかがうのに必死で、中東なんて見えない?
まあ、「前の方が良かった」とは全然思わないけど、もう少しなんとかして(ry

せめてTVも、韓流ドラマばっか放送してないで、アルジャジーラのライブを中継でもすりゃいいのに。
http://english.aljazeera.net/watch_now/

相撲協会も、どうでもいいよ。
今、相撲協会の記者会見を、NHKも、テレ東除いた全民放も、横並びで生中継してるのだけど、バカなの?


>追記1
突然、ムバラク支持派というのが現れて、今、タハリール広場は修羅場と化している。
非常に残念だ。アルジャジーラのライブから、目が離せない。

しかし、ムバラク支持派とは、ムバラクの放った刺客とも、傭兵とも言われている。いわゆる工作員だ。銃やナイフで武装しており、アルジャジーラも欧米メディアも、記者が襲撃を受けて逃げている。

エジプト人には、もちろん純粋にムバラク支持の人も存在するだろうが、少なくとも今言えるのは、支持派は暴力で反ムバラク派を潰そうという意図が明確であり、とても民主主義的観点から、擁護に値しないということ。

http://ameblo.jp/fifi2121/entry-10787594709.html

これを読んで、尚更、流血の事態が作り出されてしまったことを、残念に思う。

>追記2
今夜は、アルジャジーラをニコ生で中継する人や、Ustで同時通訳する人など、リアルタイムで進行中の殺戮劇を伝えようと、個人が頑張っている。対してTVは、何やってんの?

BBCの真似しろとは言わないけどさ。
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12307698

高齢化の進んだムスリム同胞団は、ネットとか使えているのか知らんけど、主導権も何も握ってないくせに、KYなこと言って足を引っ張るなって感じ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011020200547

>追記3
http://www.asahi.com/international/update/0204/TKY201102040404.html
-->
前原氏は「欧米はムバラク大統領の即時の退陣を求めているが、もっと現実的に物事を考えるべきだ。新たな元首を選ぶにも、国民が納得する選挙のあり方も検証されないといけない」と述べ、公正な選挙制度の整備といった政権移行準備が整わないままムバラク大統領が即時辞任すれば混乱が拡大しかねないとの見方を示した。
<--

我らが外務大臣は、独裁者と同じ主張をすることに、何の躊躇もないらしい(苦笑)
それ、丸々、ムバラクが言っていることと同じではないか。
そんなことなら、口を開かない方が良かった。国益を損ねる。

恐らく、現地の状況が把握できておらず、把握できている欧米の言う現実的な主張が、非現実的に見えてしまっているのだろう。即時退陣を求めている欧米は、最早、その段階になってしまったことを、把握しているだけだ。前原氏のような、悠長なことを言っている段階ではないと。

本当に、中東が見えていないらしい。

現実的というのは、こういうことだろう。
「ムバラクが辞任する前にすべきこと」
http://www.twitlonger.com/show/8krdi2

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このページは、ranpouが2011年2月 2日 17:36に書いたブログ記事です。

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