http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10222415770.html
んんーー
これ、地裁の時から引き合いに出されてるメールですな。
なんか、かなり微妙なものを公開(注)していると思うのだけど...
訴訟記録に含まれるかね?
含まれるとしても、公表を予定されていなかった著作物だろうか?
いや、社員の相当数に送られている?
ちょっと真面目に考えてみよう。
~裁判の公開主義と、訴訟記録の閲覧自由、訴訟手続等における著作物の複製物の目的外使用について~
一
第一に、憲法82条によって要請される、裁判の公開主義は、当事者以外の一般第三者が審理を傍聴できることを保障する。しかし、この原則は、訴訟記録についてはそのまま適用されるものではない。民訴法は、公開原則の趣旨を尊重し、一般第三者の閲覧権(91条1項)を認めているに過ぎない。
第二に、著作権法は、裁判手続等における必要と認められる限度において、著作物の複製を認めている(42条1項)。著作者に無断で複製しても、複製権(21条)侵害にならない。しかし、その目的外で、著作者に無断で当該「複製物を頒布し、または当該複製物によって当該著作物を公衆に提示した者」は、複製権侵害に該当する(49条1項)。
よって、訴訟記録に著作物が含まれる場合、著作者でなくとも、民訴法上はその閲覧権が認められるが、著作権法上は、著作者に無断で当該著作物を公衆に提示することは許されない。また、当該著作物が、訴訟前に未公表の著作物であった場合、著作者人格権として著作者に認められた公表権(著作権法18条1項)は、憲法の定める公開原則を尊重する民訴法の閲覧権に劣後し、失われると考えるべきである。例外的に、閲覧が制限されるのは、民訴法92条1項各号に該当する、秘密保護目的の場合であり、この判断に著作物性は影響しないであろう。
つまり、訴訟記録に含まれた著作物は、全て公表された著作物とみなされた上で、訴訟手続等の目的外での著作権侵害を検討することになる。
二
本件においてタカポン(ホリエモン)は、著作者に無断で、その著作物たるメールを複製し、インターネット上に公開しているものと思わる。当該行為は、電気通信回線に接続している自動公衆送信装置たるサーバに、当該複製物を自動公衆送信し得る状態に置いたことになる。
これらの行為は、著作権法上の複製権、送信可能化権(2条9項の5)、自動公衆送信権(2条9項の4)の侵害に該当する。
三
その他、名誉毀損やプライバシー権侵害に該当する場合、著作権侵害と別に、不法行為(民法709条)にを構成するであろう。
以上
どうだろ。まあ、こういう事例だと微妙な気がするけど、例えば有名な書籍が訴訟記録に含まれた場合に、それが著作権を無視してインターネット上で全文公開される場合とか考えれば、ありえないと思うわけだ。
と、ここまで書いて気づいたけど、これは引用か?
そう考えると、引用であることも、主従関係も明確だ。
でも、全文だし、公表の問題の処理は必要だよな...
参考
http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/copyright/commentary/Act42.html
注)2009/3/15追記:
最初にリンクした、takaponさんのブログから、問題のメール全文の印刷物からのスキャン画像が、削除されていることを確認しました。このブログが関係したかどうかは、全く知りません。ちなみに個人的には、裁判は頑張って欲しいと、応援してます。
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んんーー
これ、地裁の時から引き合いに出されてるメールですな。
なんか、かなり微妙なものを公開(注)していると思うのだけど...
訴訟記録に含まれるかね?
含まれるとしても、公表を予定されていなかった著作物だろうか?
いや、社員の相当数に送られている?
ちょっと真面目に考えてみよう。
~裁判の公開主義と、訴訟記録の閲覧自由、訴訟手続等における著作物の複製物の目的外使用について~
一
第一に、憲法82条によって要請される、裁判の公開主義は、当事者以外の一般第三者が審理を傍聴できることを保障する。しかし、この原則は、訴訟記録についてはそのまま適用されるものではない。民訴法は、公開原則の趣旨を尊重し、一般第三者の閲覧権(91条1項)を認めているに過ぎない。
第二に、著作権法は、裁判手続等における必要と認められる限度において、著作物の複製を認めている(42条1項)。著作者に無断で複製しても、複製権(21条)侵害にならない。しかし、その目的外で、著作者に無断で当該「複製物を頒布し、または当該複製物によって当該著作物を公衆に提示した者」は、複製権侵害に該当する(49条1項)。
よって、訴訟記録に著作物が含まれる場合、著作者でなくとも、民訴法上はその閲覧権が認められるが、著作権法上は、著作者に無断で当該著作物を公衆に提示することは許されない。また、当該著作物が、訴訟前に未公表の著作物であった場合、著作者人格権として著作者に認められた公表権(著作権法18条1項)は、憲法の定める公開原則を尊重する民訴法の閲覧権に劣後し、失われると考えるべきである。例外的に、閲覧が制限されるのは、民訴法92条1項各号に該当する、秘密保護目的の場合であり、この判断に著作物性は影響しないであろう。
つまり、訴訟記録に含まれた著作物は、全て公表された著作物とみなされた上で、訴訟手続等の目的外での著作権侵害を検討することになる。
二
本件においてタカポン(ホリエモン)は、著作者に無断で、その著作物たるメールを複製し、インターネット上に公開しているものと思わる。当該行為は、電気通信回線に接続している自動公衆送信装置たるサーバに、当該複製物を自動公衆送信し得る状態に置いたことになる。
これらの行為は、著作権法上の複製権、送信可能化権(2条9項の5)、自動公衆送信権(2条9項の4)の侵害に該当する。
三
その他、名誉毀損やプライバシー権侵害に該当する場合、著作権侵害と別に、不法行為(民法709条)にを構成するであろう。
以上
どうだろ。まあ、こういう事例だと微妙な気がするけど、例えば有名な書籍が訴訟記録に含まれた場合に、それが著作権を無視してインターネット上で全文公開される場合とか考えれば、ありえないと思うわけだ。
と、ここまで書いて気づいたけど、これは引用か?
そう考えると、引用であることも、主従関係も明確だ。
でも、全文だし、公表の問題の処理は必要だよな...
参考
http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/copyright/commentary/Act42.html
注)2009/3/15追記:
最初にリンクした、takaponさんのブログから、問題のメール全文の印刷物からのスキャン画像が、削除されていることを確認しました。このブログが関係したかどうかは、全く知りません。ちなみに個人的には、裁判は頑張って欲しいと、応援してます。
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