難民支援協会のクラウドファンディング

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色々とネタはあったのに8月更新ゼロということで、サボりすぎと反省しつつ、じゃあ何を書くかと思案していたところ、難民支援協会が、クラウドファンディングで50万円の寄付(形式的にはチケット購入)を募っていたので、ちょっと取り上げてみる。
https://readyfor.jp/projects/194

9月10日現在、スポンサー募集終了まで18日を残し、達成金額は367,000円。
28日午後11時までに50万円に達した場合のみ決済されるとのことで、達しないとプロジェクトは不成立で、資金を1円も得られないそうな。

つまり、All or Nothing...あと18日で大丈夫?


難民支援協会と言うと、このブログでも何度か触れている。古いものは、文中のリンク先が切れていたりするが、この手の問題について詳しく知らない人は、以下をどうぞ。ここで言う難民とは、日本にいる難民の話だ。

「難民支援と思考停止」
http://maruko.to/2009/03/post-10.html
「陸前高田へ」
http://maruko.to/2011/06/post-114.html
「陸前高田へ:続き」
http://maruko.to/2011/06/post-115.html
「陸前高田へ2」
http://maruko.to/2011/09/post-120.html


自分が今までこの団体を支持してきたのは、「難民支援と思考停止」の最後に書いた以下の理由だ。
「最も解かなければならない誤解は、難民を保護すべき理由は、難民がカワイソウだから、ではないということだ。日本は難民条約を批准し、国内法を整備した以上、そのルールに従って難民を受け入れるのが、法を尊重する先進国として当たり前なだけだ。作ったルールの運用基準を曖昧にして、出身国によって差別的な扱いをしたり、非人道的な扱いをして良いとは、どこにも書かれてないってことだ。」

そして今回は、既存の国内法の不透明で不公平な不備の部分を正すための、法整備を働き掛けるための資金集めということなので、寄付したい気持ちは山々。でも、これとは別件で毎月少額寄付してるのと、今月はもう出費が増やせない諸事情で、どうにも悩ましい。なんせ今、無職だからw
なので、このブログを読んで、少しでも寄付してくれる人が増えないものかと...超他力本願(自爆)


ただ、今回の説明を読むに、難民がカワイソウだから法改正を訴えているように見える部分もあり、個人的にはちょっと違和感も。
難民が頭をかかえている写真とか、子供が描いた絵とか、そういうのを見せてしまうと、日本人だって辛い生活をしている人はいくらでもいるのだからと、話を相対化して受け取る人が出てしまうのではないかと心配になる。
自分は、被災地で共にボランティア活動した難民に対して、カワイソウとは思ったことがない。被災地では、彼らは頼れるボランティアメンバーであり、決して弱者ではなかった。難民としての本来の権利が認められれば、普通の外人なのだ。日本のおかしな対応のせいで、日本で不当に厳しい生活を長期間強いられているだけ(これを、本国での迫害から逃れた後の、日本政府による「二重の迫害」と言う人もいる)なので、こちらとしては申し訳ないという気持ちになってしまうのが本当のところだ。

それに今回、寄付金の額によって、見返りに差があるのだけど、その中身もちょっとアレ?という感じ。
大金を寄付する人には、より大きい見返りがあるわけだけど、基本的にそういうの必要なのかな?という疑問はさておき(自分などは、むしろ見返りは要らないから、寄付した金を活動本来の目的に100%有効に使ってもらいたいなどと考えてしまうが)、例えば5万円支出した人に、後から難民の話を聞く会に招待するというのは、順番が逆に思えて仕方ない。
難民問題を理解するより前に、人は5万も10万も寄付しない。そして、支出を決める時点では、既に日本の難民問題を理解し、難民支援協会の活動に共感しているはずだから、そんな人に後からスタディーツアーに招待すると言っても、それが寄付の動機になるとは思えない。
こういう資金集めは、普通は先にパーティーとかで広く人を集めて、そこで解決すべき課題を提示し理解してもらってから、寄付を募るのが順序な気がする。そういうので、派手に大金を集めている世界規模の団体は色々とあるだろう。

しかし難民支援協会は、今までそういう派手な演出はやってこなかったのではないかな。
地道に、コツコツと実績を残し、企業やUNHCR、政府機関とも連携して、マジメにやってきた。(だからこそ、支援し甲斐もある。)
そういう違いから、クラウドファンディングという手法自体は、ある意味非常に難民支援協会に合っているとも思う。50万円という目標額も、非常に控えめではないか。後は、この仕組みの使い方の工夫なのだろう。
とりあえず、寄付に見返りが必要なら、難民が作って販売してるようなアクセサリーがもらえるとか、そういう単純なもので良いのではないかなと、個人的には思ってしまう。

東日本大震災の前後から活動の幅が広がり、本来の活動がぼやけて見えた時期もあったけれど、新難民法を作るという日本の難民問題の根幹に着手しようとする姿は、難民支援協会が本旨を忘れずに次のステップに進もうとしているように見える。

そのステップとして、今回のクラウドファンディングを捉えるなら、不慣れながら色々な手法を試しているのかもしれない。
クラウドファンディングを使ってみること自体が、チャレンジなのだろう。
色々と試行錯誤しつつも、目的を達成できることを、陰ながら祈ってます。

この話に理があると思い、お金に余裕がある人ば、以下から少額でも支援してみるのはいかがですか?
->「難民が日本で安心して暮らせる社会を目指して 新難民法の実現へ」

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このページは、ranpouが2012年9月10日 11:54に書いたブログ記事です。

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