DRM freeでダウンロード

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■Kick-Heart
前回のクラウドファンディング続きってわけではないけれど、最近これにちょこっとお金を出した話を。
http://www.kickstarter.com/projects/production-ig/masaaki-yuasas-kick-heart
IG湯浅監督の、約10分の短編アニメプロジェクト、Kick-Heartだ。

今日見たら、丁度10万ドルを超えていた。
でも、あと残り2週間で、もう5万ドルって達成できるのかな。ちょっと心配。
(10月30日までに15万ドルに達しないと、課金が発生しないシステムなので、正確にはまだ出資したとも言えない。)

湯浅監督といえば、マインド・ゲームが衝撃的で、劇場公開時も会社の同僚と一緒に観に行ったし、DVDも買って持っている。凄いのだけど、あまり広く一般に売れるというより、マニアじゃないと凄さが分からないタイプの監督かもしれない。(まあ、マインド・ゲームはロビン西氏の原作漫画も衝撃的に凄いのだけど。)

そんな監督が、クラウドファンディングで新作の資金を集めているというのだから、応援したくもなる。
http://animeanime.jp/article/2012/10/02/11614.html
http://animestyle.jp/news/2012/10/05/2663/

でも、それだけじゃない。

■ダウンロード
金額によって特典に差があるけれど、自分は15ドルを選んだ。まあ、今は節約生活してるからというのもあるけれど、高額な選択肢は、Blu-rayとかメディアももらえることになっていて、それが嫌だったからだ。

これが9月までなら、コピー防止されたメディアからのリッピングも私的使用なら合法だったから、プラスチックの円盤にもリッピング元として意味があった。でも、この10月から、著作権法の改悪でその手のリッピングが違法となったので、リッピングしちゃいけないプラスチックの円盤をもらっても、狭い部屋が保管場所として一層狭くなるだけになってしまった。

まあ、こんな話をしても、普段からDVD等を大量に買っていない、年に数えるほどしか有体物でコンテンツを買わない人には意味が理解できないかもしれないので、ちょっと説明したい。

自分は、一番DVDを買っていた頃は、年100枚以上買っていたヘビーユーザーで、全部で何枚保有するのかは、途中で数えるのをやめた過去がある。ま、エクセルで一覧作って管理はしているのだけど、全部はカウントしきれていない。(一覧作って管理する前は、忘れて同じ作品のDVDをダブって買ってしまったりしていた(自爆))
そして、当然の結果として、実家の自室は、それらDVDのパッケージが山積されている。東日本大震災の時は、それが倒壊して大変だった(苦笑)

さて。

今回のリッピング違法化が正しいと思っている人の中で、自分で購入した大量のコンテンツのパッケージの山から、ある作品を見たいと思って捜索を開始し、何時間も探し続けるという徒労を経験したことがある人は、一体どれほどいるだろうか?

お金がジャブジャブあれば、メディア保管庫でも作ってレンタルビデオ店のように整然と並べておけるだろうが、そうはいかない。うちは、大量のマンガはかなり整然と並べているが、DVDはBOXなど箱の形が様々なので、雑然と積み重ねてしまっており、後になって、奥に入ってしまった作品を引っ張り出すのは容易でない。30分の作品だろうと、2時間の作品だろうと、尺に関係なく場所を取るし、久しぶりに見たいと思った作品を探す苦労は、並大抵ではない。

箱からディスクのみ取り出して、別途ファイリングもしたりしているけれど、一冊に100枚くらい入るいくつものフォルダから、目的の1枚を探すのは、やっぱり大変なのだ。結局、観たい作品をいつでも骨を折らずに観られるようにするには、買った作品を片っ端からリッピングして、大容量なHDDに私的使用目的で整理して複製しておくというのが、9月までの至って合理的な問題解決方法だった。決して、複製したデータをネットに送信可能化しようとか、他人に渡そうなどというつもりは一切なく、純粋に私的使用のために、リッピング行為は合理的に必要だった。

別にプラスチックの円盤や無駄に豪華なパッケージを集めたいのではなく、純粋に観たい作品を観る方法としてDVDを買ってきただけなので、DVDなしに自由に鑑賞できるなら、そもそもDVDなんて欲しくない。(そういう意味では、収集マニアではないので、観賞用と保管用を別に買うなんてマニアの気持ちは理解できないが、レンタルしてリッピングするほど子供でもない。正直、25年くらい前は、著作権の存在すら知らず、悪意なしにレンタルビデオをダビングしていたが(遠い目)、大人になってから可能な限りDVD等で買い直した。)

だから、リッピングできず、観たい時に観るのが困難になるなら、もうこれ以上、邪魔になる円盤など増やしたくない。以前は軽い気持ちでDVDを購入していたが、今後は、どうしても買わなければならない特段の事情でもなければ、原則として買わないと決めた。しかし、ネットのオンデマンドサービスに満足しているわけでもないので、困ったなぁとは思っていた。(なんか、観たいのに買わないって本末転倒気味だけど、観たい時に自由に観られない前提なら、もう諦めるのを基本にしようと。つまり、ヘビーユーザーを意識的に引退することにしたわけだ。やっと普通の人に?)

そういうところだったので、クラウドファンディングで湯浅監督の作品を支援できるというだけでなく、ダウンロードで本編がデータでもらえるということが、とても素晴らしいと感じたわけだ。

しかも、Kick-Heartのクラウドファンディングのページには、以下のような説明もあった。

Our digital downloads will be DRM free and our Blu-ray and DVD's will be region free.

分かってらっしゃる!

ダウンロードしたら、タブレット端末にコピーして、寝転がりながら鑑賞させてもらうかもしれない。

ということで、Kick-Heartのクラウドファンディングは、デジタル著作権管理をしないファイルを配布してしまうという点でも、是非とも成功して欲しいと思ったわけだ。

■デジャブ
クラウドファンディングにお金を出すということは、それまで一般消費者にしかなれなかった人が、スポンサーになれるということだ。なんか、OVAの創世記に似たような話が...と思ったら、以下のインタビューを聞きなおして納得。

石川氏が25年前を振り返り、今はマーケットを意識するとエッジの効いた作品が作れないという話をしている。マスには受けないけど、たまには作りたい作品を作ることも必要で、そのためにクラウドファンディングは有用だと考えたわけだ。

1980年代、似たような理由でできた市場が、OVAだった。
その辺については、以前触れたので、興味のある人は以下をどうぞ。
http://maruko.to/2010/11/post-96.html

マス向けの作品と、エッジの効いた作りたい作品の、両方が必要という話も、とてもよく分かる。すると、DRM freeな本編データがダウンロードできるという方法も、マス向けには適用する気はないのかもしれない。けれど、リッピングが違法化されてしまった現在、マス向けでも何かしらのユーザー目線での対応は、検討して欲しいなぁ...

■蛇足
丁度、リッピング違法化について、マイナビがアンケートをやって公開した。
「DVDリッピングの違法化でDVDの売上は変わる? 「伸びると思う」は4.6%」
http://news.mynavi.jp/articles/2012/10/13/dvd/

そりゃそうだ、という結果。
このアンケート、自分も答えた記憶があるなと思ってたら、掲載されてる「年間100枚以上DVDを購入していたが、リッピングの違法化はまるで犯罪者扱いされているようで、怒りを感じる」という反対意見が、正に自分が答えたものだった(笑)

まあ、「法の支配」を尊重する我が国なので、きっと「法治主義」ではないので、悪法には従う必要がないという人もいるだろうけど...(ry

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このページは、ranpouが2012年10月16日 19:22に書いたブログ記事です。

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