2009年2月アーカイブ

作ってみたけど使わなかった資料。

著作権関係の書籍とかに掲載されてる図が、どれも分かり辛いんだよね。

音楽ビジネスs50.jpg

水色が、著作者もしくは実演家で、自らの行動で何かしらの権利を獲得する者で、灰色が、そこから権利を譲渡させたり信託させて、主体的には何も生み出さずに利益に預かる者です。

ま、今の時代、原盤制作会社自体、無くても良いと思いますが。

http://www.kottolaw.com/column_090210.html
ここで知ったのだけど、

http://books.google.com/intl/ja/googlebooks/agreement/
こんなことになっている。
http://books.google.com/booksrightsholders/
ははは...

http://it.nikkei.co.jp/business/netjihyo/index.aspx?n=MMITs2000028112008
http://it.nikkei.co.jp/business/netjihyo/index.aspx?n=MMITs2000008122008
他人事ではないのだけど、イマイチ話題になってないような...

まあ、とりあえず、使ってみて考えよう。反対するかどうかはそれからだ。
http://books.google.com/

あ、スニペット(抜粋)表示って、横書きの英文向きだから、縦書きの書籍だとかなり無意味だなw

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ヨーロッパ法史

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ヨーロッパ法史の集中講義で、日曜に歴史法学派について発表せにゃならんので、ちょっと自分用にローマ法継受の歴史を把握するのにをタイムラインにしてみた。かなりアバウトだし、情報の選択条件もいい加減だ。でも、流れは把握できたかな。
授業終わったら、誰でも自由に書換えできるように公開しよう。
しかし、タイムラインのサービスって、紀元前が登録できないのが欠点だな...十二表法はあそこにしか置けなかったよ。もうちょっと使い勝手もよければ、いいサービスなのになぁ。


一昨日、某関連会社に対して、とある契約の更新を断るメールを出した。

あまりにも相手のお粗末な姿勢と、契約上の義務の不履行から、本来協力関係を維持すべき状況にありながら、これ以上の契約更新は損失でしかないと、綿密な打ち合わせの結果に経営判断として確定した内容だ。

この一週間、この問題に誰も結論を出せず、指針を示すようにと言われていた。契約締結時からの経緯や、その時々の相手側担当者の対応、社内の資料 との照らし合わせなどをして、更に現在進行中のプロジェクトとのタイアップの事情などを総合考慮し、僕の意見としては、相手が改心(義務を履行)すること を最低限の条件とするなら、契約更新は可能である、と意見をまとめた。

しかし、そこまでアレなら、もう更新はしない、という経営判断が出たわけだ。意見とは異なる結果だけど、仮に契約終了後に問題が起こっても、そのリスクは負うという判断の上に結論が出されたので、何か晴れ晴れした感じだ。

「喧嘩しないでね」という条件付きで、相手にどんな三行半をたたきつけるか任されたけれど、関連会社だから、遺恨は残せないのは重々承知。かつ、 プロジェクトの協力関係も維持しなければならない。問題は、そもそもこの契約が、1年契約であるにも関わらず、相手側担当者が3年契約だから更新しないな ら違約金を請求するなどと言っている点だ。

どう見ても自分より年上の、40代後半から50代前半くらいの3名の担当者に対して、ビジネスの基本を教えなければならない。あなた方は、全員、契約書を読んでないだろ!と。

あなた方が作った契約書の規定に従っても、あなた方の行為は、こちらから損害賠償請求が可能だ。もちろん、関連会社にそのようなことをするつもり はない。3年契約だという誤解は、ビジネスの常識からありえないような根拠だから、考慮にすら値しない。それでも違約金を請求できるなどとあなた方が考え ているのだとしたら、我々も損害賠償請求を否定できない。そんなことはされないことを期待しますよ、という趣旨だ。この部分の文言には、相手方の戦闘意欲 を削ぐよう、細心の注意を払った。

他は、不信が生まれた詳細の経緯と、担当者個別の具体的な非難、過去の契約締結時に尽力していただいた担当者への感謝、更には、今後の協力関係は維持するので、あなた方の代理店としての面子も保ちますよというメッセージを行間に含ませた。

そして、相手方に十分な議論の時間を与えるため、あえて、このメールの翌日と翌々日は私用で休むので、連絡をいただいても返事が遅れる可能性があります、と侘びを入れた。

そんな200行越え+jpeg証拠資料画像添付のメールに対して、明日以降、どんな返事が来るのか考えると、ハラハラドキドキしてしまう...

新司法試験を目指す者としては、弁護士ってもしかして、こんな毎日なのだろうか?とか考えてしまう。

番組の海外転送サービスは「適法な行為」 テレビ局側、逆転敗訴
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/27/news121.html

感動した。判決を読みながら、感動した。

以前、中山先生の発言に感動したことがあるのだけれど、
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6a250f427f466cbda2e39990c7286cf0
http://www.businesslaw.jp/blj-online/interview/000028.html
この情熱が伝わったかのような判決文だった。

http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=4093

このロクラク事件で、そもそも被控訴人(TV局)側は、
1 本件サービスの目的
2 機器の設置・管理
3 親機ロクラクと子機ロクラクとの間の通信の管理
4 複製可能なテレビ放送及びテレビ番組の範囲
5 複製のための環境整備
6 控訴人が得ている経済的利益
を総合すれば,控訴人(日本デジタル家電)が本件複製を行っていることは明らか

と主張していたのだ。

これ、何が問題だったかと言うと、簡単に言えば、権利者に無断でTV番組を録画して、それを見せて利益を得ると、著作権(複製権)侵害ですよってことだ。今まで同様の事案で、裁判所がとってきた態度だった。

ところが、実際のところは、録画しているのも、見ているのも、サービスの利用者個人だ。利益を上げているサービス提供業者じゃない。複製行為の主体は、個人の利用者だ。そして、個人が、私的にTV番組を録画し、それを後で見る行為は、著作権侵害とは言わない。YouTubeにアップするのとは違い、録画した本人だけしか見ることができないのだから、著作権法上認められている、私的使用のための適法行為のはずだ。なのに、裁判所の常識は、違っていたのだ。

今回の判決から引用するなら
「著作権法30条1項(同法102条1項において準用する場合を含む。)に規定する私的使用のための複製として適法なものであることはいうまでもない」のに、今までは違っていたわけだ。

この、今までの判決が認めていた、権利者側の非常識な論理の根拠が、「カラオケ法理」というやつだ。その昔、クラブキャッツアイ事件(昭和63年3月15日最高裁判決)というので作られた論理だ。

カラオケスナックの経営者が、客が歌う曲の使用料をJASRACに払うことを拒んで負けた事件で、JASRACに何で金を払うのか、JASRACの言い分を正当化するための法理だった。

本来客は、歌唱するだけで、利益を得ていなければ、著作権(演奏権)侵害にはならない。利益を上げることが、侵害の要件だからだ。客が自ら選曲し、カラオケ装置をコントロール(ホステスがすることもあるかもしれないけど)して、曲を流し、自ら歌う。何か問題が?

そこで、何とか著作権侵害にするために、カラオケ装置を設置したスナック経営者を、侵害行為主体にしようという発想が生まれた。スナック経営者は、カラオケ装置を設置することで、集客につながるのだから、利益を得ているじゃないか、と。自ら演奏も歌唱もしてないけど...

そこで、侵害行為主体の転換、という必要性が生まれた。やってない人を、やったと言うための論理だ。これがカラオケ法理だ。

ポイントは、サービスの目的、その管理、及びそれによる営業上の利益だ。
これを備えている奴は、演奏してなくても演奏してるのと同じだとされた。

歌唱の行為主体がカラオケスナック経営者だとなれば、これで利益も得ているので、演奏権侵害の要件を満たす。だから、JASRACに金を払えと。

まあ、ここまでなら、今の社会常識なら、何となく受け入れられるだろう。当時は、斬新だったのだろうけど。
ところが、この法理が一人歩きを始めて、厄介なことになる。


①行為(提供されるサービス)の性質
②管理支配性
③図利性
これらを総合考慮して判断し、自ら著作物の利用行為をしていないサービス提供者を利用主体とみなす法理だけが、カラオケじゃない事例でもバンバン使われ始めた。

象徴的だったのは、ファイルローグ事件だ。P2Pのファイル共有ツールで、インターネットを介した音楽ファイルの交換がされたケースで、不特定多数の相手とファイル交換して、著作権(複製権、公衆送信権、送信可能化権)侵害したのはユーザー個人だったけれど、交換の場を提供した業者が、侵害行為主体とされた。
http://e-words.jp/w/E38395E382A1E382A4E383ABE383ADE383BCE382B0E4BA8BE4BBB6.html
この時、サービスは無料だったわけだが、ソフトのダウンロードサイトに広告バナーがあった点から、③図利性が認められた。利益なんて出てなかったらしいけどね。

でもまだ、これは野放しされるべき状態ではなかったから、なんだかJASRACの言い分が正しいような気がして、こういう発想の転換みたいなのは、否定されるべきではないような雰囲気があった。そして、アナログ時代の古風なカラオケ法理が、インターネットのデジタル社会にも通用するんだ!というのが、裁判所スゲー、という驚きと共に受け入れられた(と思う)。(個人的意見としては、ノーティス・アンド・テイクダウンという、権利者からの削除要請に応えるシステムがあったのに、JASRACが著作物の削除要請を一切せずにサービスを潰したことが、理不尽だとは思っているし、言いたいことは色々あるけど、まあそれは今回はおいておく。)


ところがだ...

インターネットの普及に伴い、様々なビジネスチャンス、ビジネスモデルが生まれたけれど、それらには共通点があった。ネットやデジタルの特徴として、無体物たるデジタルな著作物を扱うことに長けている。容易にデジタルコピーできる知的財産たる著作物は、ネット社会に最適なコンテンツだった。

もちろん、YouTubeに代表されるような、あからさまに著作権侵害が生じているサービスもあるけれど、必ずしもそうではない。むしろ、権利侵害が生じないように、サービス提供者が細心の注意を払っている、適法で便利なサービスを望む利用者にとって有難い、ネット社会ならではのビジネスが生まれた。そしてそれらのビジネスのほとんどが、JASRACとTV局によって、潰された。カラオケ法理を使って...

例えばMYUTA事件だ。
http://www.infocom.co.jp/cone_new_jp/info/press/2005/p05111402.html
--
 今回ご提供するサービス「MYUTA」は、パソコンから「MYUTA」のサイトにアクセスいただき、会員登録の後、操作手順に従って設定するだけで、150MB(約100曲分)相当の音楽データを保存する事ができ、かつパソコンと携帯電話が紐付いた、自分だけの(オンリーワン)・安全な(セイフティー)ボックスをインターネット上に持つ事ができる画期的なサービスです。(オンリーワンセイフティーボックス機能。)

 インターネット上における自分だけのオンリーワンセイフティーボックス機能は、「自分だけのオンリーワンセイフティーボックス」という観点により、著作権法上で認められている私的複製の領域内のサービスとして位置づけられ、個人のパソコンに発行するアクセスキーと携帯電話固有のキーを紐づける事で可能となり、携帯電話利用者が所有するCD楽曲等のパソコンに取り込んだ個人使用を目的に収集した音楽データを、インターネット上に安心・安全な方法でファイリング/カタログ化し、携帯電話でいつでもどこでもアクセスやダウンロードしてお楽しみいただく事を実現します。
--

このサービスが、サービス提供者が侵害行為主体に置き換えられたために、私的複製ではないとされた。つまり、個人が自らが所有する、著作物の複製物たる音楽CD等から、楽曲を自らが使用するためだけに、著作権者に無断で自らストレージサーバにアップできるサービスは、著作権侵害になった。インターネット業界は、吃驚仰天した(と思うw)。

今回のロクラク事件同様の、放送番組の遠隔地視聴サービスでは、「録画ネット事件」が先例だ。
http://www.6ga.net/
また、類似しているけれど、かなり違う、集合住宅向けの放送番組の共同利用型録画サービスでは、「選撮見録(よりどりみどり)事件」が先例だ。それぞれ平成17年頃から相次いで判決が出て、カラオケ法理で潰された。

似たようなサービスは色々あったと思うけれど、何が適法なのか、誰にも確信が持てなかった。
例えば、これは今でも、違法だろうか?
http://slashdot.jp/articles/03/11/19/0758254.shtml

そんな中、唯一、サービス事業者が勝利したのが、「まねきTV事件」だった。
http://www.manekitv.com/
これは、ソニーのロケーションフリーベースステーションという製品を使ったサービスで、録画機能が無かった。まねきTVに、自分の所有するベースステーションを預けて、データセンターでネット接続とアンテナ接続しておいてもらえば、ベースステーションが受信できる国内のTV放送を、ネット経由で海外からでも視聴できるサービスだ。海外赴任するサラリーマンには、日本のTVを見るために、有難かったのではないだろうか。

ベースステーションは市販品で、1台に1人しか接続できない。共有サーバで、多人数が同時アクセスする状況ではないので、著作権法の公衆送信権侵害の要件の、公衆からの接続が無い。これを権利侵害と言い張るために、TV局は、以下の主張をした。
・多数のベースステーションが、一つのアンテナから分配機で放送を受信している。
・多数のベースステーションは、ケーブル、HUB、ルーター等で接続されている。
・一つのIPアドレスをルーターでポートフォワーディングすることで、多数のベースステーションが、それぞれの利用者に送信している。
だから、「単一の情報源からの著作物等を公衆に分配する機能を有する装置として、全体としてみれば、著作権法99条の2の送信可能化権との関係においては、一つの自動公衆送信装置として評価されるべきものである。」と。

つまり、簡単に言うなら「サーバラックにベースステーションが並べてあれば、ラック全体で1台の装置だ」という無茶な主張だ。無茶だけど、MYUTA事件を見れば、無茶とも言い切れない怖さがある。データセンターに詳しい人なら、ハウジングと共用のホスティングサーバの違い程度の話だと言えば、理解し易いだろう。

しかし、とにもかくにも裁判所は、流石にこのTV局の無茶振りは許さなかった。しかし同時に、このケースしか適法となった事例が存在しなかったことで、違法とされた事例との決定的な差として、「録画」の有無が注目された。どんなに便利で素晴らしいサービスでも、「録画はアウトにされるんじゃないか?」という雰囲気が、著作権の世界では蔓延していた。

ご他聞にもれず、本件ロクラク事件の第一審は、カラオケ法理でアウトにされた。そして今回の控訴審でも、TV局はお馴染みのカラオケ法理を適用するため、冒頭の6つを総合すれば,日本デジタル家電が著作権(複製権)侵害の行為主体だ、と主張していたわけだ。

この流れに反対の意を唱えていた、知財法の大家(元東大法学部教授、現弁護士)が、中山先生だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E4%BF%A1%E5%BC%98
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン代表と言った方が、著作権に興味のある人には理解し易いだろう。

そして、この中山先生の情熱が、今回の判決に伝わったのだと、僕は判決理由を読みながら、感動した。

特に印象的だった部分を以下に抜粋する。
--
かつて,デジタル技術は今日のように発達しておらず,インターネットが普及していない環境下においては,テレビ放送をビデオ等の媒体に録画した後,これを海外にいる利用者が入手して初めて我が国で放送されたテレビ番組の視聴が可能になったものであるが,当然のことながら上記方法に由来する時間的遅延や媒体の授受に伴う相当額の経済的出費が避けられないものであった。

しかしながら,我が国と海外との交流が飛躍的に拡大し,国内で放送されたテレビ番組の視聴に対する需要が急増する中,デジタル技術の飛躍的進展とインターネット環境の急速な整備により従来技術の上記のような制約を克服して,海外にいながら我が国で放送されるテレビ番組の視聴が時間的にも経済的にも著しく容易になったものである。

そして,技術の飛躍的進展に伴い,新たな商品開発やサービスが創生され,より利便性の高い製品が需用者の間に普及し,家電製品としての地位を確立していく過程を辿ることは技術革新の歴史を振り返れば明らかなところである。
本件サービスにおいても,利用者における適法な私的利用のための環境条件等の提供を図るものであるから,かかるサービスを利用する者が増大・累積したからといって本来適法な行為が違法に転化する余地はなく,もとよりこれにより被控訴人らの正当な利益が侵害されるものでもない。

したがって,本件サービスにおいて,著作権法上の規律の観点から,利用者による本件複製をもって,これを控訴人による複製と同視することはできず,その他,控訴人が本件複製を行っているものと認めるに足りる事実の立証はない。
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なお、カラオケ法理に関しては、
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クラブキャッツアイ事件最高裁判決は,スナック及びカフェを経営する者らが,当該スナック等において,カラオケ装置と音楽著作物たる楽曲が録音されたカラオケテープとを備え置き,ホステス等の従業員において,カラオケ装置を操作し,客に対して曲目の索引リストとマイクを渡して歌唱を勧め,客の選択した曲目のカラオケテープの再生による演奏を伴奏として他の客の面前で歌唱させ,また,しばしば,ホステス等にも,客とともに又は単独で歌唱させ,もって,店の雰囲気作りをし,客の来集を図って利益を上げることを意図していたとの事実関係を前提に,演奏(歌唱)の形態による音楽著作物の利用主体を当該スナック等を経営する者らと認めたものであり,本件サービスについてこれまで認定説示してきたところに照らすならば,上記判例は本件と事案を異にすることは明らかである。
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強調しよう。
>上記判例は本件と事案を異にすることは明らかである。

分かったかい?TV局さん。

最高裁...ひっくり返さないでね(^^;;

>追記
本判決は、平成23年1月20日最高裁で、破棄差戻しとなりました。詳細は以下に書きました。
http://maruko.to/2011/01/post-102.html

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