「筆を擱く」
http://blog.goo.ne.jp/zoge1/e/635242cf53180a6d1f1a90f5800fcb91
大統領選挙後の混乱の続くコートジボワールの緊迫した状況を、日々大使自ら伝えてきた貴重なブログが、更新を停止した。
コートジボワール大統領選は、選挙管理員会の発表では過半数以上の支持を得た新大統領ウワタラが誕生したはずだったが、これを認めない現職のバグボ大統領の影響下にある憲法院が、ウワタラの得票の一部を無効にして、バグボが当選したと発表したことが、この混乱の始まりだ。
これに対し、国連や欧米だけでなく、アフリカ諸国も一致して、バグボを非難しているが、国内メディアを押さえて情報統制をしているバグボは、国連を内政干渉と強気で非難し、自らの正当性を国民に信じ込ませようとしている。
民主主義の根幹に関わる大問題であり、海外メディアの注目度は低くない。
そんな中、この岡村大使のブログは、どのメディアも伝えられない、日本語の貴重な情報源だった。なんせ、各国の大使や、国連コートジボワール活動(UNOCI)のチョイ特別代表と交わした会話を通じて、国際社会がコートジボワールにどう関わろうとしているか、日々リアルに語られていたからだ。
例えば、国民に悪影響を与えず、バグボにだけ圧力をかけるにはどうするか。
http://blog.goo.ne.jp/zoge1/e/b99df09f93381ba5b8b296f77021c2bb
海外メディアでも、バグボ一派に各国がビザ発給停止したことに対し、そんなところに行かなければ良いから意味がない、というバグボ側の反論が流されている。しかし、上記を見れば、そんな単純な話ではないことが分かるし、岡村大使がフランス大使にしたアドバイスなど、大変面白い。
こういう情報発信の仕方は、画期的だった。
隠れてやっているわけでなく、外務省としても大使のブログの存在は認められていたことが、下記にリンクが示されていることからも分かる。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/cote_d.html
一連の混乱以前の内容にしても、一般人には知りえない大使の仕事、日本のコートジボワールへの関わり方がリアルに分かる、本当に価値のあるブログだったので、とても残念だ。
こういう時こそ、ブログを続けることに価値があると思うが、価値があるからこそ、継続に何かしらの圧力でもあったのかと、疑ってしまう。注目が集まると、自由がきかなくなるものだが、国民が日本の外交をリアルに知る貴重なニュースソースを失ったことは、残念としか言いようがない。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/12/1220_06.html
今はお忙しいでしょうが、またいつか、ブログを再開してください。