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裏取引

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崩壊・特捜検察:/3 ヤメ検と裏取引 毎日新聞 2010年10月4日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101004ddm041040159000c.html

この記事で、確かに「裏取引」は問題なのだが、重要なポイントを見落としている。

前田検事から『ヤメ検の弁護士なら執行猶予になる。私が紹介する』と弁護士の交代を求められた


「執行猶予になる」という裏取引が成立する前提として、その裁判の裁判官も取り引きに参加している必要がある。なんせ、執行猶予の判決を下すのは、検事でなく裁判官である。証拠の証明力の評価は、裁判官の自由心証主義が建て前(刑訴法318条)。

よって、「ヤメ検と裏取引」というのは、検事と裁判官も既にツーカーで、そういう事情を把握してるヤメ検弁護士に交代することで、法曹三者で裏取引が成功するという話なのだ。(被告人の真意や、実体的真実とはかけ離れた、検察の描いたスジで。)

もちろん、常に検察のスジ通りの判決を書く裁判官ばかりではないけど、刑事事件の有罪率99%を超える我が国では、有り得ないハズの司法取引のようなことが実際にある。


以下、上記とは別件だが、当事者から生前、直接聞いた話。

ある事件で、無罪主張を取り下げれば執行猶予にするからと、検事に持ちかけられた弁護士が、「そんなのあんたが決めることじゃないだろ」と言ったら、後日呼び出された。

指定場所(裁判所ではない)に行ってみると、なんと裁判官も同席していた。

そこで再度、同じ話を持ちかけられ、「そんな取り引きを裁判官が認めるはずがない」と言ったら、「裁判官とは話がついてる」と検事に言われた。「本当か?」と裁判官に問うと、無言で頷いた。信じられないから、本当ならもう一度頷いてくれと言ったら、もう一度裁判官は無言で頷いた。

無言だったのは、録音でも恐れたのかもしれない。

それはまだ当時、裁判の正義を信じていたその弁護士にとって、とてつもない衝撃だったそうだ。

で、普通なら依頼者に相談するだろうが、困ったことに依頼者はヤクザだった。
相談してしまったら、反社会勢力に司法の大スキャンダルを握らせることになる...しかし、裁判官と検事がツーカーの茶番裁判で無罪主張を続けても、執行猶予のつかない罪にされてしまうかもしれない...彼らはとにかく、このヤクザを無罪にしたくないのだ...と悩んだ末、依頼者に無断で、罪を認めて執行猶予判決を得てしまう。

当然、後日依頼者から、散々文句を言われたそうだ。
なんせその事件は、本当に無罪となるべき案件だったので...


つまるところ、腐ってるのは大阪地検特捜部だけじゃないのだ。
そもそも、検察どころか裁判所だって...

だからこそ、裁判員裁判が必要なんだと、国民は理解しているだろうか?


>蛇足追記
言うまでもなく、検察官や裁判官は、正義感に溢れている。今回の証拠改竄事件も、正しい正義感を持った同僚が疑問視し、問題化したことが、もっと評価されて良い。しかし、正義感のベクトルがズレてる人間も、自分が正義と思って行動している。

検察OBは、正義を担保するのは各検察官個々人のマインドであり、昔は良かった的な話をする。しかし、優れた正義感を持った人間が権力を持てば、正義が担保されるという話であるなら、それは独裁者の自己正当化論理に過ぎない。議会制民主主義が、国民による監視と、権力の交代可能性によって、権力の正義を担保しているという側面を、よくよく思い出すべきだろう。

自分は当然に権力で、制度によって正義を担保する、手続きの正義を追求するのは、弁護士の仕事だろ?と言われるかもしれないが...

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