ここを読んでくれた人が、「こんなマンガ知らないや。面白そうだから 買ってみようかな。」という気になってくれると良いなぁ、と思って このページを載せました。
コミックボックスという雑誌自体、非常に読み応えのある マンガ関連の評論が中心の雑誌です。興味のあるに方は、 コミックボックスのホームページも面白いですよ。
以下、アンケートより抜粋
1. 1996年のベスト10をそれぞれあげて下さい。 ・10作品無い場合はあるだけで結構です。 ・順不同なのか、順位通りなのかを次に明記してください(順位通り ) 作品名 作家名 掲載誌 1)覚悟のススメ 山口貴由 週刊少年チャンピオン 2)ピンポン 松本大洋 3)そばっかす! きくち正太 週刊少年チャンピオン 4)スカタン野郎 北道正幸 アフタヌーン 5)BOOM TOWN 内田美奈子 6)虹色のトロツキー 安彦良和 7)YASHA 夜叉 吉田秋生 8)浦安鉄筋家族 浜岡堅次 週刊少年チャンピオン 9)月光の囁き 喜国雅彦 ヤングサンデー 10)G−taste 八神ひろき ミスターマガジン ●一位の作品に対するコメント 感動完了 ●その他の作品に対するコメント、総評 「ピンポン」を読んで最初に思ったことは、「卓球って、こんなに カッコヨカッタっけ?」だった。もともと松本大洋の作品が好きだから、 作品世界には素直に入れたけど、卓球でこんなマンガを描いてしまう松本大洋は、 やっぱり凄い。全国の卓球部部員よ、必読! 「そばっかす!」は、辛い時に読むと、元気が出る。 それだけだけど、本当に良い。同じ柔道でも、ヤワラちゃんは励ましたくなるけど、 日乃本一はこっちが励まされる。 「スカタン野郎」の凄いところは、人体標本を主人公にしたところでしょう。 全身チン○コ状態の定吉が、屋根の上で一気に小便するシーンは最高(笑) ところで、リカは何歳なのか? 最初は中学だと思ってたけど、途中から小学生みたいな格好になってる... しかも、父親の急な転勤で東京から大阪に引越したってことをリカが愚痴るところから 話が始まるのに、その父親こと安部零次(自称天才外科医こと内科医)は、 安部小児内科って病院を開業していることが後から分かる。 なんで転勤があるんだ?(笑) そんなことを気にしないところが、このマンガの良いところである。 「BOOM TOWN」は、本当に良く出来てる。最近のインターネットブームで、 同じような世界観で安易な作品が出てきているが、第1巻の初版が1993年にも かかわらず、よくここまで出来たものだと感心してしまう。BOOM TOWN自体は インターネットは意識していないだろうが、数年以内に本物の仮想都市ってやつが インターネット上で実現するだろうから、その時になって初めてこの作品の真価が 問われるのかもしれない。 「虹色のトロツキー」もついに終わった。最後はちょっと惜しかった気もするが、 単行本のあとがきにある通り、あれで良かったとも思う。異色な題材で、しかも歴史物 なわけで、下手な嘘がつけないという制約の中、味のある登場人物を数々描いてくれた 安彦氏に、読者として感謝。 「YASHA 夜叉」は、バナナフィッシュの再来を予感させ、 今後の展開が非常に楽しみ。まだそれしか言えない。 「浦安鉄筋家族」は、つい最近単行本で一気に読み始めたのだが、「パパと踊ろう」を 先に読んでいたものだから、この二つの家族の在り方の差が異様に面白い。 両家族には、いつか対決してもらいたい。無理か... 「月光の囁き」は、この雑誌が出る頃には最後の単行本を買っている人も多いかも しれないが、異色恋愛の行き着く先は、やはりああなってしまうのか。 二人(三人?)の幸せを切に願う。喜国氏には、今後も注目。 「G−taste」って、ここに入れても良いのか分からないけれど、男子諸君待望の Hマンガかもしれない。たまたま、八神氏の描いた表紙の女性を見て、初めて手に取った ミスターマガジン。週刊誌を買わない人間が、「G−taste」だけが目当てで キヨスクで立ち止まるようになってしまった。単行本化される日が来るのか疑問だが、 もしその時は、必ずカラーでA4判くらいの大きさで豪華本を作って欲しい。 八神氏の画集としてなら、二千円くらい出しても良い。 ほとんどのマンガは、単行本になってから読むようにしているので、 雑誌の動向のようなことは知らないが、チャンピオン健在!という印象を受けた。 また、発売は1995年だったと思うが、「まんがジャパンダ」1996年1月号での 突然の休刊はショックだった。雑誌の存在を知ったのが2号からで、 鶴田謙二の表紙につられて購入。豪華連載陣と内容の濃さにビックリ。 非常に短期間だったけれど、毎月の発売日が待ち遠しかった。 創刊号を未読なのが、とても心残り... 最終4号P180「残念なお知らせ」は、大学で授業中に読んでたもんだから、 そのあまりの馬鹿げた告知内容に、笑いを必死でこらえるのがとても辛かった。 思わず周囲の友達に回して、その一帯だけが机に頭を沈めてヒクヒクと 震える怪しい集団と化した。最後にして、最高のギャグだった。 注)普段は、真面目に授業を受けてます(笑) ベスト10と別の次元では、待望のドラえもん45巻発売と藤子・F・不二雄先生が 亡くなられたことが、ファンにとっては天国と地獄だった。 毎年、劇場版公開初日の夜中に、オールナイトでドラえもんを見る「大人だけのドラえもん」 という18禁の上映会があるのだが、今年も参加する予定。 いつも芝山監督が、先生に関するお話をしてくれるのだが、今年はどうなるのだろう... 2. アカデミーの審査員になったつもりで96年主演・助演賞をそれぞれ 選んで下さい。それぞれの選考理由もコメントして下さい。 ●主演男優賞 キャラクター名:葉隠覚悟 作品名/作家名:覚悟のススメ/山口貴由 掲 載 誌 :週刊少年チャンピオン 選考理由 :人類を救ってくれた。覚悟に敬礼! ●主演女優賞 キャラクター名:日乃本一 作品名/作家名:そばっかす!/きくち正太 掲 載 誌 :週刊少年チャンピオン 選考理由 :元気なおチビちゃんは、読者も元気にしてくれました。 最後に、3年生になった彼女が出てくるけれど、 とても凛々しく成長している姿を見て、思わず涙が込み上げ、 「カッコイー」と叫んでしまった。 ●助演男優賞 キャラクター名:定吉 作品名/作家名:スカタン野郎/北道正幸 掲 載 誌 :アフタヌーン 選考理由 :彼は主役なのでは?という疑問はさておき、 安部親子のオモチャとして、読者を楽しませてくれた。 ●助演女優賞 キャラクター名:堀江罪子 作品名/作家名:覚悟のススメ/山口貴由 掲 載 誌 :週刊少年チャンピオン 選考理由 :愛という名の後方支援! お見事。本当は主演女優賞だろうけど。 ●動物賞 キャラクター名:なし 作品名/作家名: 掲 載 誌 : 選考理由 :思い付かない。 ●心に残った名セリフ賞 セ リ フ :人間を殺めるのは これで最後にしていただきたい 作品名/作家名:覚悟のススメ/山口貴由 選考理由 :散の心をも動かしたこの言葉、読者の心も動かした。 ●心に残った名カット賞 巻数と頁とコマ数:11巻148・149頁見開き 作品名/作家名:覚悟のススメ/山口貴由 選考理由 :G螺旋お見事。葉隠四郎の最後「プチュ」が、心に残った。 いや、本当は108頁の霞の細胞を抱く堀江罪子の方が 感動的で良かったけれど、何故か「プチュ」が心から 離れない。 ●アニメーション作品賞 作品名/作家名:ウォレスとグルミット 選考理由 :一応、日本で劇場公開されたので、1996年の作品として 選んだけれど、結果はどうだったのだろうか。 犬を飼いたくなること間違い無しのアニメーション。 セル画のアニメばかり見て、「日本のアニメは最高だ」なんて 考えている自称アニメファンは、これを見て改心すべし。 (私は改心した) 広島(国際アニメーションフェスティバル)で最新作を見た後、 インターネットを使って、アメリカから通販で3本ともビデオを 取り寄せた。アメリカからの送料込みで、1本当り約15ドルで 届いてしまって驚いた。もし日本で発売されることがあっても、 これより安くなるとは思えない。改めて、日本の物価の高さを 思い知らされると共に、こんな良質なアニメ−ションを10ドル 以下で手に入れられる国の人が羨ましいし、インターネットブーム のお陰で手軽に海外作品を買える時代になったことが嬉しい。 周囲のアニメファンに、自慢して見せてみたが、やっぱり みんな目から鱗状態で、感心していた。 犬好きで有名な某アニメ監督とかは、こういうの見てるのだろうか? 3. 96年残ったあなたのイチオシ作家と期待の新人作家を教えて下さい。 簡単に理由も。 [イチオシ作家] 松本大洋 これが理解出来ない人とは、本当の友にはなれない。 [新人作家] 古屋兎丸 あの絵で、是非長編ストーリー物をやって欲しい。 4. あなたが思う96年型最も絵の上手い作家は? ・要するに技能賞です。理由もあれば簡単に。 古屋兎丸 真似して描けない。 5. 96年最も嬉しかったリイシューは何ですか? ・文庫化、復刻版、とにかく再会を喜べた作品を教えて下さい。 「風の谷のナウシカ」の豪華装丁本で、一気にオリジナルのナウシカ世界を堪能出来た。ご協力ありがとうございました。