初日はそのうちの17作品が上映されたのですが、特にジャンル分けが無いので、 MTVのオープニングから映画ジュマンジのCG部分、ただのストリートキング の話(笑)まで、何でもゴチャゴチャで、続けて見ると凄いものがありました。
中には言葉が分からなくて理解出来ない作品もあり、そういうところで 睡眠不足が祟ってついつい意識が遠のくこともしばしばでしたが(^^;;
広島大会は「愛と平和」がスローガンということがあるのか、戦争とSEXを 扱った作品が目立ちました。
性器もろだしの「Oh,ジュリー!(Oh,Julie!, U.K., Frances Mary Lea)」では、 私の後ろに座っていた市のお偉いさんは「困った」を連発していました(笑)
デビュー賞となる「クエスト(Quest, Germany, Tyron Montgomery)」もこの日に 出てきたのですが、アニメーションフェスティバルが初めての僕には、 どの作品も新鮮でした。
アメリカ人の監督は、学校の卒業制作で作ったとのことで、 まさか日本で上映されることになるとは制作当時考えていなかったらしく、 「あらかじめ日本に来ることがわかっていて、資金もあったなら、 もっと正確な日本語の台詞を入れられたのにと思います。」と ラッピーニュース(会場で毎日発行されるミニ新聞)で語っていました。
でも、随所に見え隠れする勘違い的設定に会場は沸いていたんですけどね...
舞台は封建時代の日本とのことでしたが、良い味だしてました(^^;;
カウンターのある飲み屋(そんなのこの時代にあるのか?)の主人が、 紋の入った羽織・袴姿でチョンマゲしてて、名前がハンゾウ。 とても飲み屋の主人には見えない(笑)
主人公のヒロハワ(飲み屋の店主がハンゾウで、サムライの主人公が ヒロハワ........納得いかない)は、なぜか角が2本生えた鬼の顔だし、 相棒は香港映画に出てきそうなチョンマゲ&ロンゲでした(^^;;
監督は舞台で盛大な拍手を受けていましたが、理由を理解しているのでしょうか(^^;;
不気味なキャラクターがみな使徒に見えた「十戒:汝 隣人の妻を欲するなかれ (The Ten Commandments:Thou Shalt Not Covet Thy Neighbour's Wife, U.K., Phil Mulloy)」も凄い展開でした。
隣の家の奥さんがすきだからって、奥さんの愛犬を誘拐して教育して、 自分の代わりに自宅に帰らせ、自分は変装して犬に化け、 念願の奥さんに可愛がられる...
二人(片方は犬だけど)が入れ替わったことに、どっちの家族も気づかないけど、 最後に、逆に犬に元の自分に変装?させられ、気づくと牢獄に....って話。
ブラックユーモアが冴えてて、場内大喝采でした。
ちなみに、優秀賞を受賞しました。
過去のパンフレットを見ると、この作者は今までも同様の不気味なキャラで 作品を作っているようで、是非見てみたいと思いました。
あと、「ダダ(Da Da, U.S.A., Piet Kroon)」っ作品は中盤まで笑えたのに、 最後は恐いお終わりかたでした。
他人に自慢するために優秀な子供を作ろうとして、それが上手くいかなかったと 思ったら子供の脳をネコに食わせちゃって....(^^;;;;;;
カワイイキャラクターで残酷なことを突然やられると、ゾッとしますね。
この日はヒロシマ賞を受賞した「お坊さんと魚(The Monk and the Fish, U.K., Michael Dudok de Wit)」も出てきたのですが、僕はまさかこれが受賞するとは 思いませんでした。
坊さんが魚を追っかけるだけことをリズミカルに描いただけに見えたのですが、 まさかヒロシマ賞とは驚きでした。
酔っ払いの馬鹿話の典型なんですが、ハエってところがミソ。
酔った勢いで害虫駆除装置(よく蛍光燈みたいので虫を集めてやつ)に 挑戦するんですねぇ....
無事生還したにもかかわらず、残酷だけどこれが現実なのよね(^^;; って感じのオチは見事なタイミングで場内爆笑でした。
僕の予想外に優秀賞を受賞した「ピリオド(Period, France, 日本, Philippe Billion)」は、臨場感溢れる海を3次元CGで描いた 映像の美しさを追求した作品でした。
東芝のDVDもしくはワイドTVの宣伝用に作られたのではないか と思うのですが(先日、DVDの広告TV番組で、DVDの宣伝用に 放送されていました。)、「こんな海は今まで見たことが無い」 というのが正直な感想です。
ストーリー性はほとんど無く、飛行船が海に沈むだけの映像なのですが、 テクスチャーとライティングの妙は現実を超えていました。
制作方法について、もっと詳しい解説が欲しかったです。
哀れな養鶏場のニワトリ達の生活をコミカルに描いた 「アニマストレス(Animastress, Canada, Anne-Marie Sirois)」 では、笑いっぱなしだったけど、最後は人間への警告だったのかな?
浮かばれないニワトリ達に、愛の手を(笑)
とにかく、某K・Fには当分食べに行けないです(^^;;
そして、グランプリを受賞した 「レペテ(Repete, The Czech Republic, Michaela Pavlatova')」 の上映もこの日でした。
毎日犬を連れて散歩してる人
毎日首を吊る男とそれを止める女
毎日会話無しで、旦那に飯を食わせるだけの妻
毎日電話の邪魔でSEX出来ないカップル
毎日毎日毎日毎日、同じ事を繰り返している人々....
彼らは変化を望んでいた。
ところがある日、組み合わせが一人ずつずれただけで、 そこには薔薇色の生活が存在した。
相手が変わってもやることは同じなのに(^^;;;
そんな現代人をコミカルに皮肉ったこの作品、やっぱり場内馬鹿ウケ
結局自らは何も変わろうとせず、周囲の変化を待ってるだけな彼らには、 どうせいつかまた変化を望む日がやってくることは目にみえてるんですが...
これがグランプリになった時は、とても嬉しかったです。
わずが46秒で、いきなり現実に引き戻してくれたのが 「ドアノブが守ってくれたなら(If Doorknobs Could Bite, U.S.A., Aimee Wonsetler)」 です。
何やら暴行を加える音と、子供の悲鳴、顔をしかめるぬいぐるみ達....
子供が部屋に駆け込むと、ドアノブが怒りの表情で大人の進入を拒んでくれる。
最後に、「アメリカでは13秒に一人、幼児虐待が発生している。」 という趣旨のメッセージが表示されていたようです(英語に自信が無い)。
短いけれど、非常にインパクトがあり、アメリカらしいといえばアメリカらしい 作品でした。
原始人ゴッグズ一家の奇想天外な生活。
原始人のアニメってだけでも、何か期待せずにはいられないものだけど、
ちゃんと期待以上に笑いのツボを押さえてくれる人形アニメでした。
豊かな表情を眺めてるだけでも、幸せになれるかも(笑)
こういう「まぬけ」な一家の笑いは、世界共通ですね。
あのシンプソンのホーマーが、3次元の世界に迷い込んでしまう 「シンプソンズ「ホーマー キューブド」(The Simpsons Homer Cubed, U.S.A., Tim Johnson)」は、予想外に面白かったです。
シンプソンズ自体は、それ程好きじゃなかったのですが、 これを見て好きになりました。
リアルなシンプソンズ(3DのCGでホーマーが...)ってのは、 それだけで笑えてしまうのです。
最後に、普通の人間の世界に3Dのホーマーが落ちてきて、 実写映像に3Dホーマーが(^^;;;;ってオチも予想外で良かったです。
でも、これが国際審査委員特別賞を受賞したのは意外でしたが。
会場でファンになってしまった作品は沢山あったのですが、 オークションで原画まで買ってしまった 「ガガーリン(Gagarin, Russia, Alexij Kharitidi)」も この日に上映されました。
空を飛ぶことに憧れていたイモムシは、人間が遊んでるバドミントンの羽に 隠れて、ついに空を飛ぶことが出来た。
しかし、クルクル回転するバドミントンの羽で酔ってしまいゲロゲロ....
後で自分に羽が生えて蝶々になったのに、飛ぼうと考えるだけでゲロゲロ(笑)
飛べない蝶々となってしまった彼に、会場は暖かい拍手と笑いで一杯でした。
国際審査委員特別賞を受賞したのですが、ヒロシマ賞と入れ替わっても良いのでは ないかというのが、僕の感想です。
コンペティションの最後を飾った 「長靴をはいたネコ(Puss in Boots, Russia, Garry Yakovlevitch Bardin)」
は、あの名作童話の20世紀版。
酔っ払ってばかりのロシア人と、アメリカから空輸されてきた(笑)ネコの デコボココンビ。
よく考えると、やってることはドラえもんと同じかもしれない(笑)
酔っ払いのロシア人が見たつかの間の夢....(哀)
優秀賞を受賞したのですが、納得の受賞でした。
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